主演:向井理
フジテレビ系 (火曜日21時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【本当の黒幕】
「これはミスなんかじゃない!会社ぐるみの明らかな偽装だ」白河圭太(向井理)は帝東建設社長室に乗り込み、「これいくらで買っていただけますか」と建築偽装の証拠データが入ったUSBを取り出す。帝東建設社長・長沼(佐野史郎)は落ち着き払った様子で「君はいくらの値をつける?」と尋ねる。宇都宮(渡部篤郎)に「脅迫にくるくらいだ、売値は考えてあるでしょう」と促されて圭太は咄嗟に「3000万、3000万で全て忘れます」と答える。すると長沼は車代だと財布から3万円を出して圭太を追い返す。
今後は私が窓口になりますという宇都宮に、圭太は「こっちは本当に切羽つまってるんだ」と食い下がる圭太。宇都宮は「あなたは本質をわかっていない」と諭す。自殺した矢吹は手帳とUSBを持っていた。手帳には隠蔽についての会社とのやりとり、日時や会話の内容、相手まで事細かく記されていたという。その手帳とUSBのふたつが揃わないと意味がないのだった。そしてその手帳は仙台由貴子(仲間由紀恵)が持っていると知らされて圭太は驚く。「娘の瞳(山田杏奈)まで巻き込んでこのままじゃ済ませない」と苛立つ圭太に宇都宮は「本当に我々が誘拐犯だと思っているのですか?」「早くわかるといいですね、真犯人」と意味深にいう。
由貴子は地元の闇金・永盛のところを訪ねパスポートを受け取っている。由貴子の顔写真の横に書かれた名前は『白石久美子』。犯罪歴なし、絶対に足がつかない名義だと永盛はいう。瞳誘拐の協力者・二本松(遠藤雄弥)車に戻った由貴子は、「新しい名前が手に入った」「矢吹の遺族と会社の話がついて、例のマンションが完成したら手帳と引き換えにあと3億円」「そしたらゼロからの新しい人生が始められる」と満足そうな表情を浮かべる由貴子だった。
由貴子に長沼から連絡が入る。圭太が長沼を脅迫したことを知って驚く由貴子。圭太を何とかしないと3億円は支払えないという長沼。圭太が脅迫した一部始終は録音されており、由貴子が手帳を世間に公開したら脅迫音声を公開して由貴子が警察に追われる立場にするという。「あのバカ余計なことを…」と落胆する由貴子。
圭太はハローワークから出てきたところを石川菜七子(仲里依紗)に見られてしまう。賄賂を受け取り、懲戒解雇になったことを打ち明けた圭太は瞳には内緒にしてほしいと頼むが、菜七子に「瞳とちゃんと全部話すと約束したでしょ」と咎められる。「瞳に余計な心配させたくない、元の仲良し親子に戻りたい」という圭太だが、菜七子に瞳がまた家族三人で暮らしたいと思っていることを知っているかと聞かれてきょとんとする。結局大事なことを何も言い合えていないと苛立つ菜七子は「このままだと瞳も普通の生活も全部失くすからね」と言い捨ててその場を去る。
瞳は伊達翼(松村北斗)のいるBarを訪れ、相談にのってもらったお礼をいう。「気になっていたことを全部聞けた」「私のせいで火事があったけど誰も亡くなっていないと聞いてほっとした」という瞳に翼は「お父さんの話が本当か確かめた?」「ネットに残ってなくても地方の新聞とか、国会図書館なら全部の新聞が保存されているはずだ」という。
帰宅した瞳に圭太は「お母さんのこと嫌いじゃなかったの?」と尋ねる。瞳は「母親に捨てられたと思っていて嫌いだったが、誘拐犯から助けてくれたときに娘を守るためなら何だってやると言われて嬉しかった」と話す。由貴子が誘拐の黒幕かもしれないと感じている圭太は、瞳に拉致されたときのことを尋ねる。
瞳は由貴子の代理という人物から朝連絡があり、公園で待っていると記憶がなくなったという。圭太は瞳に犯人の人相を聞き、似顔絵を作成する。不思議がる瞳だったが、圭太に「二度と危険な目にあわないようにお父さんもそいつの顔を知っておきたい」「それとお母さんを守るためにも」といわれて快く協力する。
翌朝圭太は闇金・永盛の元を訪れる。作成した似顔絵を見せて見覚えがないか尋ねる。一瞬思い当たるような表情をした永盛だが、何も応えず手荒に圭太を追い返す。由貴子と取引して黙っていると思われるが圭太は手がかりがつかめなかった。次に圭太は結婚の挨拶にも行った食堂を訪れて似顔絵を見せる。すると店主は「二本松って男に似ている」という。二本松は由貴子と同じこの町の出身で、彼の母親が父親を刺すという事件を起こした時弁護したのが由貴子だった。誘拐犯と由貴子が繋がっていると気づき「嘘だろ」ともらす圭太。
その頃、由貴子は留守の圭太宅に入りパソコンを開いていた。パスワードが掛かっていたが、瞳の誕生日を入力すると一発でロックが解除されて「ふっ」っと小馬鹿にしたような表情の由貴子。するとことへ圭太の母・純子(名取裕子)が入ってきて由貴子と鉢合わせになる。先日お金の無心にやってきた圭太の様子を思い出した純子はふたりが寄りを戻そうとしていると勘違いして圭太に連絡する。電話に出た圭太は突然「母さん絶対許しませんからね」と言われ混乱する。「鍵が開いているから入ったら由貴子さんがいるじゃない」と聞いて「由貴子は鍵持ってないはずなのに」とつぶやく圭太。驚く純子に由貴子を足止めするよう頼むと急いで自宅に戻る。帰ろうとする由貴子に「座りなさい、それとも警察呼ぶ?」と厳しくいう純子。
圭太が慌てて帰宅するとふたりがいた。お茶を飲みながら和やかに話していた。「瞳の進路について相談にのっていた」「家の鍵も瞳に渡されっていた」という由貴子と「それはそうよね」と穏やかに理解をしめす純子。由貴子が圭太に「ちょうどいい機会だから瞳の進路について話しない?」と目配せする。圭太は純子に感謝しつつも席を外すよう外へ促す。「瞳の進路相談なんて嘘でしょ」「昔っから信用できないのよ」という純子。由貴子を引き止めるために懐柔されたふりをしていた。
部屋に戻った圭太はノートパソコンが半開きになっていることに気が付き「帝東建設の命令だよな」と問う。由貴子は何も応えずに一枚の書類を鞄から取り出す。サインしてと差し出したのは、二度と帝東建設を脅迫しないという誓約書だった。そして由貴子はサインと引き換えに300万円受け取れるように社長に掛け合うと申し出る。圭太は以前から偽装を知っていて見過ごしていたのか、データを手に入れたかったのも会社を告発するためではなく隠蔽に手を貸すだめだったのか、なぜ失踪したのか尋ねる。由貴子は「ふふっ」と微笑した後、「知りすぎちゃったのよ」と話す。
不正を告発しようとする矢吹を由貴子は説得するはずだった。矢吹は「俺に近づいて告発に手を貸すふりして本当は情報を向こうに渡していたな」と由貴子の説得に聞く耳を持たず、証拠の手帳とUSBを持ったまま飛び降りてしまった。矢吹の説得に失敗した由貴子は、次に切り捨てられるのは自分だ、命まで狙われるかもしれないと思って手帳を持って逃げた、そしたら瞳が誘拐されてしまったと話す。圭太は「犯人は帝東建設だと思ってたけど、お前だ」と鋭い視線を由貴子に向ける。「何いってるの?母親よ?」と否定する由貴子だが圭太は信じない。「瞳がどれだけ怖い思いしたかわかっているのか」と憤る圭太に「知らないほうが良かったのに」「ここからはあなたみたいな人間が立ち入れることじゃない」「この件から手をひいて瞳と平凡に生きなさい」と冷たく告げ、「私を警察に突き出す?母親が誘拐犯だなんて悲しむんじゃないかな、瞳」「秘密にしてあげるのが優しさだと思うけど」と挑発する。「本当に最低の母親だな、いつからそんな人間に…」という圭太に「昔からよ、あなたが気づかなかっただけ」といってのける由貴子。由貴子は瞳から相談のメールを何度もやり取りするうちにわかったという。瞳は10年前の秘密を知ろうとしている、でも一緒に暮らしている父親は何もわかっていない、だから利用しようと思った。手帳とデータ(USB)を手に入れて借金も何もかもリセットできるチャンスなのにUSBを手に入れられなかった時、娘の一番の理解者だと思いこんでいる馬鹿な父親・圭太を思い出して誘拐したと悪びれずにいう。「ふざけるな!!」由貴子に手をあげようとしたとき、「やめて」と瞳が帰宅した。
瞳を思って本当のことを言えずにおどおどする圭太に、由貴子は「言える?誰が誘拐犯か」とこっそり耳打ちする。そして由貴子は瞳に「お父さんを怒らせてごめんね」「大好きよ瞳」と優しく瞳を抱きしめた。「お父さんと幸せに」「瞳のことよろしくお願いします」といって家を出ていく由貴子だった。その後瞳は圭太の呼びかけを無視して自分の部屋に閉じこもってしまう。圭太の家を見つめて怪しく微笑む由貴子を菜七子が目撃していた。蕎麦屋いしかわで母・純子が、由貴子が圭太の家にいたと店主たちに愚痴っていたのを聞いて様子をみに来たのだった。圭太に由貴子が誘拐犯だったと聞いた菜七子は、由貴子の言う通り手を引いたほうがいいと忠告する。
翼から10年前の火事の記事画像を入手した瞳は、翌朝学校を休んで自分の目で確かめてくるとどこかへ出かけようとする。焦った圭太は瞳に全てを話す。会社をクビになったこと、お金をある人に送り続けていたことを明かす。新聞記事にあるとおり火事でひとりの女性が亡くなってしまった。そして匿名で女性の子供に毎月お金を送り続けていたということだった。「瞳だけは失いたくない」と訴える圭太だが、昨日由貴子と何を話していたのかを聞かれると、圭太は答えることができない。その姿を見た瞳は怒り、「結局何か隠している」「信じられない、顔もみたくない」と自室へこもってしまう。瞳は菜七子に付き添われて家から出ていく。瞳は純子のところへ行くことにしたようだ。
火事の真実を知った菜七子から何故名乗り出なかったのかをなじられる。圭太は「隠し切れない罪が一番罪深い」と由貴子に言われたとつぶやく。菜七子は「その点だけは由貴子さんに同意する」と出ていく。
由貴子は長沼に「白河(圭太)にくぎをさした」と報告する。信用できないという長沼だが、いざとなったら彼には最大の弱点があると余裕で答える由貴子だった。
一方宇都宮は、矢吹の遺族が人権派の弁護士をつけて徹底的に自殺の原因を調べるつもりだと部下から報告される。心配する部下に「いざとなったら自分を守る切り札は持っている」と軽く答える宇都宮だった。
ひとり家に取り残された圭太は呆然としていた。『どちらが罪深いんだろう』『(由貴子のように)頑なに秘密を守りきれる人間と(自分のように)誠実でいたいがために明かしてしまう人間とでは、どちらの罪がより重いんだろう…』
【みんなの感想】
50代・男性
圭太と由貴子について。由貴子は帝東建設社長に電話をかけ、圭太に対して十分に釘を刺したことを話します。由貴子は帝東建設から無事に残りの3億円を手に入れることができるのでしょうか。落ち着き、ずる賢そうな笑みを浮かべる由貴子が目に浮かびます。そして、パスポートをみてほくそ笑む由貴子。果たして、十分なお金を手に入れて、どこへ行こうとしているのでしょうか。「新しい名前で再出発よ」という姿を見ることができるでしょうか。この大悪事が成功するのか、失敗に終わるのか、次回はもう少しわかってくることを期待しています。 一方、圭太は帝東建設からお金を脅し取ることを断念するのでしょうか。そもそも正直者の圭太には無理なような気がします。無茶をするとまた、娘が誘拐されかねませんので、このまま引き下がるような気がします。娘の瞳との関係は修復に向かうのでしょうか。根本的に圭太は瞳から信用されていません。由貴子がそのように仕向けた感じはしますが、これを戻すのは少し時間が掛かるのではないでしょうか。圭太一人では太刀打ちできない流れになっているので、菜七子や母親が助けになってくれるのかもしれません。菜七子からは「圭ちゃん、瞳ちゃんに秘密はダメでしょ」と言われてそうですね。 この二人を中心にドラマはどのように流れていくのか、秘密の多いこのドラマの展開に期待しています。
30代・女性
圭太だけが正直に突っ走ってしまうがために大事なものを失っていってしまいました。瞳を思って由貴子が黒幕と告げられずにいるようですが、この期に及んで瞳を傷つけないなんてことは不可能だと思います。それよりも由貴子の本性を明かして自分は瞳の味方でいると言ったほうが瞳も安心できるのではないでしょうか。
さらに翼はやはり火事の被害者だったようです。瞳がお礼をいいに来たときに、新聞記事を調べるように勧める場面はやや無理があるのでは?と思うくらい強引でしたが、法律的に何の罪も償わずお金だけ送ってくる圭太を偽善者のように感じて恨んでいても仕方ないなと感じました。
次回予告にもあったとおり、由貴子も宇都宮も自分を守る切り札を持っており、到底太刀打ちできる相手ではない大きな敵と戦わなければならない圭太。次回も気になります。
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