【未満警察 ミッドナイトランナー】第8話「アポ電強盗の毒牙に狙われた母を救え!」感想ネタバレ(主演:中島健人・平野紫耀)

2020春のドラマ一覧

主演:中島健人・平野紫耀
日本テレビ系  (土曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【絆】
「被害者は男性、腹部から大量の出血」高架下に男性が倒れているところに二人の警察官が駆けつける。目を閉じたままの男性に「大丈夫ですか?」と警察官は声をかける。すると男性が手に隠し持っていたナイフで警察官を刺した。隠れていた仲間の男と警察官の拳銃を奪うと警察官を銃殺して逃走する。
警察学校、寮の部屋。本間快(中島健人)は、これまで事件解決時に壊れた眼鏡たちを眺める。「でもあの事件だけは壊れなかった…」と引き出しから、スピード違反切符と壊れたガラケーを取り出す。どちらも天満暁生の無実を証明するための証拠だ。時計の針はあの時から止まったままだ…と警察学校立てこもり事件が心に引っかかったままの快。事件は終わっていない、姉弟との約束を果たさないと…一ノ瀬次郎(平野紫耀)も同じ気持ちだった。
そんな中、快と次郎は交番での実務実習の日を迎える。制服警官が襲われ拳銃を奪われる事件が発生したことから、教官の片野坂譲(伊勢谷友介)は「学校で習ったことだけでは通じないと思え。自分の頭で考えて行動しろ!」と細心の注意をもって交番での実習に臨むよう命じた。
二発の銃声が響く。大黒署刑事の柳田(原田泰造)と稲西(中村ゆり)は現場に到着する。和室には仰向けに倒れて亡くなったおばあさんの遺体があった。テーブルには生ける途中だったであろう花器と花が散乱している。そして開けられた金庫の中は空っぽ、そして撃たれた銃弾二発残されていた。稲西が「犯人は警察官から奪った拳銃で強盗殺人を」と憤るも「それは最悪だな」と柳田はどこか上の空で素っ気ない。柳田はひとり車に戻ると南神奈川交番に電話をかける。そして交番の警察官に「今日から実習に行く本間と一ノ瀬から目を離さないでやってくれ」と頼んだ。
「よろしくお願いします!!」やる気十分で挨拶をする快と次郎だが、交番の警察官から「拳銃を奪われる事件があったばかりで学生を危険な目に合わせることはできない。何もするな」と交番の小部屋に隔離されてしまった。しばらくすると近所の野々村玲子(銀粉蝶)という女性が差し入れを持って交番にやってきた。玲子は快と次郎を見て「うちの息子にも見習ってほしいわ」と愚痴をこぼした。快と次郎が差し入れのメンチカツを美味しそうに食べる姿を嬉しそうに見つめる玲子は「例のチラシできたわよ」と『電話詐欺にご注意』と書かれた紙を取り出すと先輩警察官に見せた。玲子は地域の防犯係を率先して引き受けてくれていると先輩は快と次郎に説明した。そして玲子の息子は、新卒で入社した会社に馴染めずすぐに辞めた後も中々仕事に就くことができず、10年近く引きこもりなのだという。
自宅に戻った玲子は、息子の部屋に向かって「メンチカツ買ってきたわよ」と優しく声を掛ける。しかし息子の晴至(松尾諭)はパソコンゲームに夢中で返事もせず、玲子は寂しそうな諦めの表情を浮かべた。
交番の快と次郎は、各家庭にポスティングする交番だよりを折りたたむこととパトロールカードにスタンプを押すことを命じられる。暇を持て余していたふたりは張り切って取り掛かる。
その頃、玲子宅に「もしもし母さん?」と電話がかかってきた。玲子はオレオレ詐欺だと気づくが、正義感の強い玲子は犯人を捕まえようとわざと「晴至?」と答えた。晴至を名乗る男は、仕事中に怪我を負わせてしまった相手に慰謝料が必要だと話し、玲子は300万円位なら用意できると答えて電話を切った。その後、玲子はすぐに警察に通報した。数分後、玲子宅のインターホンがなり、交番から来たというふたりの男が立っていた。玲子が「見ない顔だが早く来てくれてよかった」とふたりを招き入れようとした時、男達は玲子に拳銃を突きつけると「300万はどこだ」と玲子を脅す。程なくして聞こえた銃声に気づいた晴至は、様子を見に部屋から出て階段を下りていった。リビングには腹部から血を流して倒れる玲子と部屋中を荒らすふたりの男達がいた。晴至はこっそり部屋に戻って部屋の鍵をかけると110番通報した。そして再び階段の途中までくると男達の写真をこっそり撮った。
晴至から家に強盗が入り母親が拳銃で撃たれたという通報を受けて交番の先輩たちが現場に急ぐ。快と次郎も先輩警察官のあとを追って現場へ急行した。そこには男達の姿はなく、銃で撃たれ横たわる玲子と、玲子の傍らで「かあちゃん」とつぶやきながら震えている晴至の姿があった。少しして柳田と稲西もやって来た。しかし柳田は捜査中にも関わらず上の空であった。
稲西は連続する事件の概要を快たちに説明する。そして放心状態の晴至について、しばらく放っておいてあげるようにというと捜査に戻った。しかし、稲西の言いつけを破って快が「気を確かに、隠れたとしても誰もあなたを責めません」と晴至に話しかけた。「この状況では隠れるしかなかったと思います。じゃなきゃ晴至さんまで撃たれてました」と快がいうと、晴至は「隠れてない」と繰り返しながら2階へ上がり部屋に閉じこもってしまう。「俺は隠れてなんかいない!」と部屋の中から晴至の叫び声がする。稲西に「あなたは立場をわきまえなさい。人の心がわからないの!?」と怒鳴られる快。落胆した様子で交番に戻る快たちを柳田はただ見つめていた。
玲子宅を出たところで柳田が快を呼び止める。柳田から「なぜ犯人が二人組だと思った?」と聞かれた快は「チラシについた靴底の跡が二種類だったこと、先日奪われた拳銃が二丁だったことからそう思った」と答えた。柳田は「あんまり危なっかしい真似するな、死ぬぞ」と忠告した。
その夜、寮に戻ってからもふたりは交番だよりのポスティング準備をしていた。玲子が作ったチラシを見つめる快に次郎は「晴至に無神経なことを言ったことを謝りたいと思っているでしょ」と快の気持ちを代弁する。そんなふたりの様子を廊下から橘冬美(大幡しえり)が何か言いたげな表情で見ていた。橘の手には古い携帯が握られていた。「警察官としての信用を取り戻したい」という快の言葉を聞くと、橘は首を横に振ってその場を去った。
同じ頃、晴至は自宅でSNSを検索していた。事件のとき撮った写真から犯人のSNSを特定したのだ。
ある古びたビル。犯人の男達が詐欺電話をかけていると、黒いスーツ姿のひとりの男が入ってきて、いきなり犯人のひとりを殴った。スーツの男は「読んでください」と携帯のニュースをみせた。記事には、『重体の被害女性宅には、もうひとり息子がいて…』と書かれてあった。スーツの男は「非常にまずいですね」というともうひとりの犯人の男を殴った。そして「こういう事から足がつく。殺せ」と犯人達に命令した。
翌日、「おはようございます!」と元気よく交番へ出勤した快と次郎は、先輩たちに言われる前に進んで小部屋に入っていった。しばらくして先輩が小部屋を開けるとそこにふたりの姿はなかった。先輩から連絡を受けた柳田は「さっそくか」というとやっぱりなという顔で少し笑った。
その時、犯人の男達が玲子宅の鍵をピッキングしている。ナイフを手に家に侵入する男達。男達は、ピッキング道具を一つ落としたことに気づかなかった。男達が2階に上がろうとしたとき、快が玲子宅のインターホンをならした。「南神奈川交番の本間です。先日の無礼を謝りたくて」と大声で話しかける。そこへ柳田が駆けつけた。快たちを帰らせようとしたとき、柳田は犯人が落としたピッキング道具に気づいた。柳田が室内に入ったとき、犯人達はこっそり裏口から逃げた。家の前を歩いて通り過ぎる犯人達と次郎は目があったが、それが犯人とは気づかなかった。室内に誰もいないことを確認すると柳田は、快たちに室内に入るよう言った。家には晴至の姿もなかった。「10年もひきこもりなのに…お母さんのお見舞いにでも行ったかな」という次郎。三人が晴至の部屋に入ると部屋の壁から床までSNSを印刷した紙で溢れていた。
とある交番、快たちの同期・黒岩(葉山奨之)が、道案内をしている後ろ姿を見つめる晴至。晴至は急に慌てた素振りで黒岩に近づくと「大変です、向こうに怪我をしている」と言って黒岩を人気のない場所に案内する。晴至に「そこです」と言われ黒岩が辺りを確認するが誰もいない。黒岩が「誰もいませんよ」と振り返った瞬間、晴至にブロックレンガで殴られて意識を失ってしまった。そして晴至は黒岩の拳銃を奪った。
印刷された写真を見て、快は「晴至さんは犯人の顔を見たんだと思います」という。柳田は「なぜ晴至は警察にその事を言わなかったんだ?」と快に問う。快は自分が晴至の機嫌を損ねるような発言をしたせいだというが、柳田は「本当にそれだけだと思うか?」と笑う。「片野坂に目かけられてるんだから良く考えろ」と柳田に言われた快は再び考える。そして『復讐』という答えを導き出した。
意識を取り戻した黒岩は「すみません」と涙目で謝るばかりだ。苛立つ稲西は「これまでの犯人は躊躇なく殺すのに、君は生きている。だからこれは別の犯人かもしれない」と喝を入れる。黒岩は思いつく限りの特徴を説明しながら似顔絵を描く。
同じ頃、晴至の部屋。次郎は、犯人達の写真を見ながら何かひっかかるけど思い出せずにいた。そこへ稲西から柳田に連絡が入り、似顔絵から晴至が黒岩の拳銃を奪った可能性があると伝えた。柳田は「お前の考えはことごとく当たる」と快のプロファイリングに感心する。しかし、快は「実習用の拳銃には弾が入っていない」と晴至を心配する。そして、急いで犯人の居場所に繋がる手がかりを探す。「あとは俺たちに任せろ」というと柳田は急いでビルに向かった。
晴至は、犯人達のアジトにやってきた。廊下で息を潜めていると、犯人達がエレベーターでやってきた。晴至は犯人達に拳銃を向ける。突然のことで怯える犯人達に拳銃を発砲する晴至。だが、カチッと音がするだけで弾は出ない。晴至は男達に体当たりをする。倒れた先に本物の拳銃が目に入った晴至は、拳銃を取ろうと手を伸ばすがタッチの差でスーツ姿の男に取り上げられてしまった。「お前らのせいで母ちゃんは!」と叫ぶ晴至を見て、スーツの男は「ほーらこうなった」と言うと晴至の額に拳銃を突きつけて玲子の病院を教えるよう脅した。
晴至の部屋。快に交番に戻ろうと促されたとき、次郎はふたりを玲子宅の前で見たことを思い出した。でも2回も同じ家に侵入するなんておかしいと悩むふたり。そして快は何かに気づいた。
同じ頃、柳田と稲西は犯人達のアジトに乗り込んだ。中には口や手足を拘束された晴至と犯人の男のひとり、スーツの男がいた。柳田たちは男達を制圧するが、犯人のひとりがいないことに気づいた。口の拘束を外された晴至は、稲西に「母ちゃんが殺される」と訴えた。
犯人のひとりは、南神奈川記念病院に来ていた。男は受付で「野々村晴至です。母が入院していて」と話し、病室を聞き出した。人目を気にしてナイフを手に、玲子の病室に近づく男。意識が朦朧として抵抗できない玲子にナイフを突き刺そうとした手を間一髪のところで快と次郎が止めて制圧した。交番の先輩達が駆けつけた。快たちは「通報後、待ちきれず走ってしまいました、すみませんでした」と言った。先輩達が犯人を連行していくと、稲西が晴至を連れて玲子の病室前にやってきた。晴至には手錠がかけられている。「業務執行妨害で逮捕したが、連行する前に怪我の手当を」と稲西はいう。晴至に快は「外に出たのは10年ぶりですか?お母さんのためにたったひとりで戦うなんてあなたは強い人だ」といって、あの日の無礼を謝罪した。意識を取り戻した玲子は「晴至、格好よかったんだってね」「ありがとう」と嬉しそうに言った。晴至は「今までずっとごめん」と涙した。玲子は「メンチカツ差し入れで持っていくからね」と優しく答えた。
「あのふたり、犯人グループが口封じで野々村さんを殺害すると気づいて、病院まで走ったそうです」と稲西は柳田に報告する。柳田は「片野坂の野郎、とんでもない学生を育てたもんだ。参ったな」と嬉しそうに笑った。ところがすぐに表情を強張らせて「このままじゃまずいな」と小さくつぶやいた。
寮の部屋で快と次郎が安堵していると黒岩がバツが悪そうに入ってきた。そして「お前たち凄いな、お前たちのお陰で退学処分は免れた」「ありがとう」と感謝した。次郎は黒岩の描いた似顔絵を褒めて、快はその似顔絵のお陰で早く事件を解決できたと称える。黒岩は涙を流した。快と次郎はグーパータッチをして事件解決を喜んだ。
ある廃墟、椅子に手足を拘束されて、頭からは黒い布を被された男がいる。そして一台のビデオカメラがこの男を映している。そこへポンチョの男がやって来て、頭に被せた布を外した。拘束されているのは国枝(木下ほうか)だった。そしてポンチョの男の顔を見ると「お前か」と言った。ポンチョの男は、タブレットで国枝の娘を盗撮した写真を何枚も見せる。国枝に目的を尋ねられたポンチョの男は『お前には、罪を告白してもらう』とメッセージを見せた。国枝は「どういう意味だ、俺に罪をなすりつけるつもりか」と答える。ポンチョの男が手にしたスコップを見て、国枝は「お前が三人殺したんだろ!」と慄く。
警察学校には、蘭子(吉瀬美智子)の早期復帰に片野坂は驚く。別室に移った片野坂と蘭子。蘭子は、片野坂が国枝警視正の間違った捜査方法について追求するつもりがあるか尋ねる。そして片野坂にその意思があると確認すると「そのために退院を早めました」と告げた。そこへ稲西がやってきた。稲西は一週間ほど前から国枝警視正の行方が分からないという。周囲は失踪したと捉えているようだ。さらに稲西は詐欺強盗事件以降、柳田とも連絡が取れていないと明かす。そして思い返せば一週間くらい心ここにあらずな状態だったと振り返る。一部の上層部しか知らない国枝失踪について、柳田は知っていたのかもしれないと話す稲西。柳田と仲が良い片野坂が何も聞かされていないとわかり、稲西はがっかりと肩を落とした。
寮の部屋。次郎は「今回も眼鏡壊れなかったね」と快に言う。快は「やっぱりあの時から時が止まっている気がする」と悲しそうに答える。立てこもり事件のとき、片野坂がいった「俺はここで正しい人間を育てる」「本間、お前のような警察官だ」「一ノ瀬もそうだ。俺が見込んだ者は最後まで正義を捨てず諦めが悪い」という言葉を思い出し、快はここに来て初めて認めてもらえたと話した。「学生だって俺たちは警察官だ」とふたりは決意を新たにした。そして同期のメンバーに再びスコップ男事件について模擬捜査を始めたいと打ち明けた。その場に橘の姿はない。橘はひとり、寮の部屋でスマートフォンに向かって話している。「私スコップ男の正体を知っているの。だから直接会って確かめたい」という。
雨の降る中、寮の庭を歩くスコップ男の姿があった。そして部屋に戻った快と次郎は驚く。窓には『スコップ男の事件から手を引け』と赤いペンキで書かれていた。そして窓の外から部屋を見るスコップ男の姿を発見する。慌てて外に出た快たちだがそこにスコップ男の姿はなかった。しかしふたりは「確かにあれは…」と分かり合っていた。

【みんなの感想】
30代・女性
『母のため』引きこもりの息子が凶悪犯に立ち向かう、家族を思う愛にほっこりしました。そして同期黒岩君が、これまでの見下すような態度を改めて謝罪し、ふたりも素直に受け入れる仲間の感じも微笑ましかったです。 しかし、その余韻に浸ることなく衝撃が走る展開に!!快と次郎の活躍に「マズいな」といった辺りで、まさか!?と思いましたが、怪しい点がどんどん繋がっていき、最後走り去るスコップ男がまさかの柳田という展開でした。次回、橘がずっと隠し持っていたガラケーが重要な証拠であることが知れ渡り、柳田と片野坂がこれを奪い合う展開となりそうです。その中で迷わず片野坂側についた快。なぜか次郎は柳田と片野坂の間で揺れるような態度をしていたことが非常に気になります。なぜ次郎は快側にすんなりと行かないのか、柳田は本当にスコップ男なのか、疑問がいっぱいです。これまでのような、ふたりが事件解決に活躍して一件落着とは行かなそうなストーリーが楽しみです。

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