主演:中島健人・平野紫耀
日本テレビ系 (土曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【愛する幼馴染を救え】
~2ヶ月前~警察学校入学面接。一ノ瀬次郎(平野紫耀)は、面接官の蘭子(吉瀬美智子)に志望動機を尋ねられて「亡くなった兄のように悪いやつをたくさん逮捕したい」と意欲的に答えていた。
とある閉店後のクラブ。覚せい剤の売人グループを逮捕するため、建物の周囲を多くの警察官が取り囲む。刑事の丸橋(高橋努)、根本(渋江譲二)らが一斉に中に踏み込む。だが、一歩間に合わず。犯人たちはタッチの差で逃走してしまった。丸橋らが肩を落として建物内に戻るとそこに、何も知らない本間快(中島健人)と次郎がいた。状況を察知して「これは始末書だ」とつぶやく快と全く状況をわかっておらず能天気な次郎。そのまま警察署に連行され事情を聞かれた2人は、自分たちは警察学校の学生で、外出届を提出してクラブに遊びに行っただけだと説明した。ふたりがクラブへ行ったのには理由があった。その数日前、寮で同期の黒岩(葉山奨之)がクラブで彼女ができたと得意げに自慢していたのだった。
無事身元の確認が取れた本間と一ノ瀬に、「こいつらを見てないか?」と売人グループの写真を見せる根本。その写真には、次郎の幼なじみ・望月凛花(蓮佛美沙子)が写っていた。凛花は売人グループのリーダーで覚せい剤の売買に関わっていると知りショックを受ける次郎。そんな中、警察学校を訪れた丸橋と根本。2人は教官の片野坂譲(伊勢谷友介)と助教の及川蘭子に、凛花と親しい一ノ瀬に潜入捜査をさせて売人グループのアジトを突き止めて欲しいと懇願する。アジト争いで殺人も起こっており、もう他に手立てはないらしい。
その頃、寮の部屋では、ひどく落ち込んだ様子の次郎がスマホで凛花の写真を見ていた。次郎は、快に凛花は自身の初恋の相手でもあり、交通事故で亡くなった実兄の恋人だった人だと打ち明ける。家が荒れていて昔ヤンチャをしていた凛花だが、警察官を目指していた次郎の兄と付き合い始めたことがきっかけで更生したという。そして次郎の兄・太郎は自分が警察官になれば凜花を守れるだろうとの理由で警察官を目指したのだった。「なのに凛花、今になって何してんだよ」と嘆く次郎に、「…そしたら助けてあげたら?」と背中を押す快。そして、蘭子がお目付役として側で監視することを条件に潜入捜査の許可が下り、次郎は快と共に凛花に会いに行く。
待ち合わせ場所に来た凜花は、次郎を見つけると「久しぶり~」と明るく次郎にハグをして話が弾む次郎と凜花。次郎が警察学校の学生であることは伏せているため、「何で髪型変えたの?」「どうして急に連絡してきたの?」「今何してるの?」という凜花の質問に戸惑う次郎。その都度、快が助け舟を出して自然と会話を進めていく。次郎が凜花に最近何をしているか尋ねると凜花は「会社を作ったの。この私が社長だよ」と話す。凜花は、アプリでどこでも安く配達をする会社だと説明した。快が、自分たちはニートだから、凜花の会社で働かせてもらえないかとお願いすると凜花は人足りてないからとOKした。薄暗い倉庫のようなところに連れて来られた次郎と快。周りを半グレのような男達に囲まれて緊張していると、ひとりの男がキックボードをふたりに差し出した。「お金かからないし、エコだし」と説明する凜花。快は積まれたダンボールの周囲に、ハンマーやナイフが無造作に置かれていることに気づいた。そして次郎らは早速配達に向かった。
次郎らがいなくなった車内で、仲間の女が「ふたりを信用していいのか?」と凜花に疑問を呈する。凜花は「幼馴染で身内みたいなもんだから」と答える。それでも納得できない様子だが、仲間の白木(桜田通)が「凜花さんのお陰で大きな仕事も任されるようになった」と口を挟む。するとそこへ1台の車が不必要にクラクションを鳴らしながらやってきた。「連中は殺しにも手を染めたらしい、ここにまで…」声を潜めて凜花がいうと凜花らは車を発進させてその場を去った。
快は人気のないところで配達の荷物を確認する。「覚醒剤だ」「ベビー用品でカモフラージュさせて…」と快がいう側で次郎が缶に入った粉ミルクをひと舐めしている。慌てて止める快だが、中身は本当の粉ミルクだった。気持ちを新たにふたりは配達先に急ぐ。指定された場所は薄暗く、とても清潔とは言えないような場所だった。そして扉の前には『配達屋さんへ カギは開いています。入ってきてください』と張り紙されていた。意を決して中に入るふたり。しかし、室内にはダンボールやカップ麺があるだけで人の気配がしない。そっとベビーベッドの中を確認するふたりを背後から「わっ」と凜花が脅かした。凜花は「時間通りだね。合格」というと、突然「いたた…」と腹部を押さえてしゃがみこんでしまった。次郎は「何か変なもの食べた?」「食べてないなら、妊娠か!なんてね」と茶目っ気たっぷりにいう。すると「あながちハズレじゃないかもね」という快の手には凜花の母子手帳を持っていた。
次郎は子供の父親が兄ではないかと尋ねるが、凜花は頑なに「違う」という。凜花は自分が出産したら、その赤ちゃんと赤ちゃん用の荷物を北海道に運んでという。「うちの会社で働きたいならやって」「母親が自分の子供をどうしようと勝手でしょ」と言い放つ凜花。凜花の会社で働く話がなくなり、丸橋は激怒する。丸橋は蘭子にも「教育がなってない」と八つ当たりすると去っていった。蘭子は次郎らに「一から勉強し直せ」と檄を飛ばすが、次郎は放心状態だった。
寮に戻ってからも次郎は落ち込んだままだ。「あれは俺の知っている凜花じゃない」「逮捕されちゃえばいいんだ」スマホの凜花を見ながらそうつぶやくと写真を削除しようとする。それを快がそっと止めた。快たちは、シングルマザーの同期・鷹木(傳谷英里香)に話を聞く。鷹木は寮生活の間だけ実家に子供を預けている。「子供と離れたい母親なんていない。でも父親いないし、自分が稼がないと」と話す。快に「もし実家がなかったらどこに頼る?」と尋ねられた鷹木は少し考えて「友達かな」と答えた。
屋上に来た次郎と快。一言も話さず落ち込む次郎に快は「次郎ちゃんに子供を運んでと言ったのは、凜花からのSOSだったのでは?」「身の危険を感じているのでは?」という。車内にあったナイフやハンマーは誰かに命を狙われる可能性を感じているから、もし子供が一緒にいたら逃げ切れないと推測する快に次郎は「素直に預かってって言えばいいのに」と快がつぶやく。しかし快に「次郎ちゃんは凜花に素直に好きって言ったのか?」と言われて返す言葉がなかった。「俺たちは大事なことほど素直にいえない」「凜花さんのこと守ってあげなよ」快は優しくいった。
覚醒剤の密売人による縄張り争いによって、再び若者の命が奪われた。現場にきた柳田(原田泰造)はまだ未成年なのでは?と言葉を失う。寮の315号室の前、快に蘭子が「一ノ瀬は?」と声を掛ける。快は「珍しく落ち込んで寝ています」と答えた。ベッドに横たわる次郎、と思いきやそれは枕で作った次郎の身代わり人形で、次郎は凜花の元へと急いでいた。
凜花の部屋では凜花が、ベビー用品をダンボールに詰めていた。そこへ部屋のチャイムがなり、凜花は包丁を手に警戒する。次郎は扉越しに、あの日クラブに居たことを正直に話す。部屋に通された次郎は「全部知っている。足を洗ってほしい、子供のために」と続けた。「太郎みたいなこという」と冷たく返す凜花に次郎は「そうだよ、兄ちゃんの代わりにいってる」と答えた。次郎も凜花も本当に太郎が好きだったのだ。
凜花の家の周辺で張り込みをする丸橋ら。そこへ根本の携帯に、白木の方で動きがあったと連絡が入る。丸橋らの車が去った直後、全身黒ずくめで凶器を持った男達の姿が…。
部屋の凜花は「今日ある大きな取引を最後に会社をたたむ」と次郎に話す。取引場所を言わない凜花に次郎は「凜花と子供を守りたい、だって凜花のこと……」と話していると再び玄関のチャイムがなった。「配達でーす、開けてもらえますか?」と男の声がする。包丁を手にしようとする凜花を「俺がいる」と次郎が制止する。するとベランダの窓と玄関から男達が襲撃してくる。男達と闘いながら凜花に逃げるよう促す次郎。しかし凜花は自宅の階段をおりてすぐのところでお腹が痛くて動けなくなってしまう。男達にボコボコにされながらも次郎は必死に凜花が逃げる時間を稼ごうと男達に掴みかかる。ついに次郎が動けなくなってしまったとき、フルフェイスの男が「凜花さんを逃がすな」といった。そこへ凜花が戻ってきた。凜花は手にした消化器で必死に応戦するも再びお腹が痛くなってしまいその場にうずくまる。力を振り絞った次郎によって、次郎と凜花はその場から逃げ出す。
襲ってきた男達の狙いは凜花が持っている覚醒剤だという。凜花はこの覚醒剤を売ったお金でこの街を出て、子供と暮らすつもりだったという。凜花は「一度悪い道に入ると底なし沼で抜けられない」「一度抜けられたのは太郎のお陰、でももうその太郎はいない」「もうあの頃の私とは違うの!」と感情をぶつける。「この子を育てるにはお金が必要なの、次が本当に最後だから」という凜花に次郎は何も言い返せない。そこへ白木がやってきた。白木は「先方の都合で取引場所が変わった」と告げる。取引は中止にしようという白木に凜花は「いやっ」と反対した。次郎は凜花のボディガードを申し出た。 凜花は仲間の女に部屋の鍵を渡す。凜花は「この子のために買ったもの全部持っていきたいから」と優しくお腹をさする。その様子を離れたところから見ている白木。白木はどこかへ電話をかけると「はい、予定通りで」といった。
寮の部屋にいる快。次郎が心配で何も手につかないようだ。そこへ次郎からビデオ通話が入り「相談がある」と言われる。すると快はすぐさま、教官・片野坂(伊勢谷友介)に外出許可を得にいく。外出届の理由欄には『潜入捜査』と書かれていた。
白木と共に取引場所にやってきた凜花と次郎。普通でない空気を察したのか辺りを警戒する凜花。すると物陰から先程の黒ずくめの男達が現れた。被っていたフルフェイスを外す男達。男達の正体は、凜花の仲間だった。驚く凜花だが、次郎は声で彼らが凜花を裏切ったのだと気づいていた。白木は「会社辞めてこの街を出ていくとかいうから」「ひとりで勝手に決めてんじゃねーよ」と苛立つ。凜花を襲撃したのは、次郎が凜花を止めようとしたからだという白木が「ですよね?」と振り返ると、「確かにあれは余計だったよな」と黒幕が姿を現した。なんと根本だった。次郎は根本らが、凜花の自宅を見張っていたのに気づいていた。明らかに車のバックミラーで襲撃する様子が見えたはずなのに、そのまま走り去ったことを不審に思い、快に相談したのだった。根本の狙いは、凜花の会社だった。ド素人の次郎たちを仲間にさせることで、凜花の仲間からの信用を失墜させて会社を乗っ取ろうとしたのだ。そのためにあり得ない潜入捜査をさせたのだった。根本が「では未来の警察官に一言」というと凜花は驚く。根本は「彼ら(白木)のような会社と手を組んで儲けるのも我々の特権だし、誰かが突然消えたとしても誤魔化せるのも我々の特権だ」というと拳銃を次郎に向ける。次郎をおちょくるように根本は正しい拳銃の構え方を説明する。根本が撃った弾を避けた次郎は、凜花とともに走り出す。「時間の無駄だ、逃げられないぞ」と大声を上げる根本。出口を見つけられずに走っていると凜花のお腹が痛くなり、動けなくなってしまった。次郎が凜花を支えて逃げるも行き止まりに追い込まれてしまう。ふたりに拳銃を向ける根本と白木。白木に抵抗した次郎は根本に肩を撃たれてしまう。凜花から覚醒剤を奪った根本は「これでようやく終わった」と次郎に拳銃を向ける。そのとき背後から「終わったのはお前だ」と声がした。快が駆けつけたのだ。男達を倒していく快と次郎。必死に凜花を守る次郎だが、根本と白木が相手では分が悪い。そのとき、銃声が響く。「警察だ!全員動くな」蘭子の声が響き渡る。丸橋らによって根本らは逮捕された。
次郎は丸橋に「自分たちは逮捕できるのですか?」と尋ねる。視線の先には救急車で手当をうける凜花がいた。丸橋に「やりたいのか?」と尋ねられた次郎は「はい」と答えた。蘭子は無言で丸橋に頭を下げた。丸橋は自分の手錠を次郎に渡した。次郎は「望月凜花、覚醒剤所持の罪で逮捕する」というと素直に両腕を出した凜花に手錠をかけた。警察学校の学生であることを明かし「黙っていてごめん」という次郎に「太郎の夢継いだんだ」「偉いよ」と凜花はいった。そして快に「次郎ちゃんをよろしくね、こいつは弟みたいなものだから」と笑った。丸橋が凜花を連行しようとしたとき、遠くから凜花を呼ぶ声に気づいた次郎はもう少し待ってほしいと丸橋にお願いする。警察の規制線の向こう側で凜花の仲間だった女が凜花を呼んでいた。凜花と次郎の背中を見ながら「彼女はやり直せるのでしょうか」と快がいう。蘭子は「そのために警察官がいるし、そのつもりでお前達を育てている」といった。「始末書を書きます」といった快に蘭子は「これは潜入捜査だ」といって先に戻っていった。女がおもちゃの箱に挟まっていたという紙を凜花に差し出す。折りたたまれた紙を開いた凜花は「えっ」と驚きながらもその紙に見入る。たくさん書かれた名前の候補。その中で『花』が丸で囲まれていた。これは生前、太郎が書いたものだった。凜花が帰宅すると太郎は急いでおもちゃの箱にこの紙を隠した。そして「帰ったらお祝いしよう、3人で」と凜花のお腹を愛おしそうになでると外出していく。太郎が生きて帰ってくることはなかった…。紙を見つめて涙する凜花。凜花は次郎に「この子の名前、花っていうんだ」といった。パトカーに乗り、改めて紙を見返す凜花。その紙には『ふたりはオレが守る タロウ』と書かれいることに気づいた凜花は泣き崩れた。
凜花が乗るパトカーを見送った次郎は「思ってたのと違った」と快にいう。次郎は、面接で「初めて手錠をかけるのが楽しみです」と意欲的に語っていたのだ。初めての手錠が凜花という辛い結果に涙が止まらない次郎だった。「次郎ちゃんは凜花さんとお腹の子を守った。そして救った」と快の言葉に次郎は「ありがとう」といった。
【みんなの感想】
30代・女性
黒幕が根本とは…全くの想定外だったために驚きました。 凜花が揃えていたベビーグッズ。雑然と置かれたダンボールの部屋に不釣り合いだと思ったら、太郎が揃えたものだったから捨てられなかったのですね。最後に凜花が流した涙…もうきっと凜花は大丈夫だろうと信じたいです。
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