主演:オダギリジョー
テレビ朝日系 (金曜日23時15分~)
【内容・ネタバレ含む】
ある日霧山(オダギリジョー)は、総武警察署の食堂で働く女性・れいこさんから冷蔵庫にいれっぱなしになっていた遺留品の箱を預かる。箱には「要玲蔵(かなめたまぞう)」と書かれていたのだが、誰かが「要冷蔵」と見間違えて時効から10年間も冷蔵庫に保管されていたものだった。
この事件とは、25年前水産加工業者の冷凍庫で低体温症で凍死した女性の遺体が見つかる。この女性は、新興宗教「阿修羅の水」の教祖・神沼絹枝(伊勢志摩)といい、この水産加工会社社長・要玲蔵(村松利史)の愛人だった。監視カメラには絹江が自ら倉庫に入る姿があり、その直後無人にも関わらず倉庫の外側から施錠されるという怪奇現象が起こっていた。乱れた女性関係から「総武のウタマロ」と呼ばれた玲蔵は最重要被疑者なのだが、絹江とほぼ同時刻に自宅で一酸化炭素中毒死しており、事件は迷宮入りしてしまった。
絹江には美沙子(小雪)という娘がいて、「阿修羅の水」の2代目教祖をしていることがわかり、霧山と三日月(麻生久美子)は遺留品を返却しに行く。美沙子の何か隠しているような様子と美沙子が蚊に刺されたからことから、美沙子が嘘をついていると不信感を抱く霧山。
(嘘をつくと体温が上昇して蚊に刺されたのだと)
当時事件を捜査していた元刑事から話を聞いた霧山は、玲蔵と絹江にはお互いがお互いを殺害する動機があることを掴む。玲蔵は食品偽装をしていたことを絹江に脅されていること、絹江は玲蔵の財産が目的で玲蔵と美沙子を結婚させたこと。さらに玲蔵が一酸化炭素のボンベを魚の鮮度をよく見せるために使っていた事実を突き止めた霧山が、現場の冷凍庫を探しに行くと冷凍庫の解体が行われていた。そこで美沙子に再会した霧山は、遺留品にあったメモに書かれた数字(9171)について尋ねると、金庫の番号だと答える美沙子。
その様子を、「阿修羅の水」の信者で美沙子に惹かれている花崎(六角精児)が壁の穴から覗いていた。覗きがばれた日から美沙子の下僕になった花崎から話を聞くと、防犯カメラに映らない方法を聞かれたことがあると告白する。そして霧山は二人が殺しあうことを美紗子が二人をそそのかして両者の共犯者として絡むことで、この不可能犯罪が実現できたのだと推理する。
まず玲蔵が部屋でスルメイカを食べる。炭火で焼いている様子を見ながら絹江と美沙子がボンベで部屋に一酸化炭素を送り込む。玲蔵はそのことに気づいていない。絹枝は犯行後、冷凍倉庫に忍び込む。ここに玲蔵と美沙子がやって来て外から鍵を掛けてしまう。昔の監視カメラにはテープを巻き戻す時間があり、その時間はカメラに映らないことを利用した。かくして絹枝は凍死するが、玲蔵は自室に戻り、スルメイカを食べながら一酸化炭素中毒死する。
霧山が話し終わると、美沙子は「自分に霊感があると思い込んだ絹枝がストイックに修行させて教祖にしようとしたことに耐えられなかった」と動機を告白するのだった。事件は解決したが時効なので、いつものように「だれにも言いませんよカード」を渡す霧山。
美沙子にプロポーズをされ「考えておきます」と答えると霧山に蚊が止まった。