【ニッポンノワール-刑事Yの反乱-】第10話「全てが明かされる55分!」感想ネタバレ(主演:賀来賢人)

主演:賀来賢人
日本テレビ系  (日曜日22時30分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【薫の死の真相】
12月15日22時30分。清春(賀来賢人)は山小屋に到着すると、自分に新薬をうち犯人がやってくるのを待つ。

喫茶店・bonnaroの地下でのことを思い出していた。喜一(笹野高史)にニッポンノワールのロゴを見せられて気を失う清春。
あの日の薫(広末涼子)とのやりとりを思い出す。
清春に10億円が入った麻袋の画像を携帯で見せる薫。そして薫が10億円と共に奪ったのは、肉体改造プログラムを完成させる新薬だという。世界でひとつしかないその薬は、清春が初めて克喜(田野井健)に会ったときに薫と待ち合わせをしたコインロッカーに入っているといい、ロッカーの番号『145』の画像を見せる薫。
なぜ自分に全部打ち明けるのか不思議がる清春に、薫は「これから容疑者になってもらうあなたには、全てを知る権利がある」いって計画を話す。
薫は10億円強奪事件によってニッポンノワールの存在を世の中に知らしめようとしたが、薫だけの力では目的を果たすことができず、清春に協力してもらおうと考えたようだ。「今から私はここで死ぬ。容疑者はあなたよ」という薫。容疑者・清春を追う警察はニッポンノワールにたどり着き、警察全体が動けばニッポンノワールも存在を隠しきれないはずだという。「誰かにとって都合のいい人間をつくるなんて許されてはいけない」「もう私達親子だけの問題ではない」「すべての子供達のために」と薫の強い決意がみてとれる。薫が自分のこめかみに拳銃をつきつける。銃弾が薫の拳銃を吹き飛ばす。撃った清春は「あいつのために生きてやれ」と説得する。
次の瞬間、清春の目の前で薫が撃たれてしまう。清春が振り返るとガスマスクの男がいた。

目を覚ました清春に喜一が「銃声は何発なった?」と尋ねる。2発と清春の答えを聞いた喜一は、今見たものが本当の記憶だと伝えてコインロッカー145番の鍵を渡す。
地下室から出てきた清春に、咲良(夏帆)が「私にできることは?」と尋ねる。
そして清春は南武(北村一輝)に電話をして、真犯人をあぶり出すための芝居に協力してほしいと頼んだのだった。
アルティメットプログラムの成功者は清春を含めて2人、その強靭な肉体を圧倒的な力に引き上げるのが例の新薬だ、しかしその新薬が適応する保証はないと喜一から聞かされていた。

山小屋に現れたガスマスクの男は、床の板を剥がして床下を探していた。そこに清春が「前の俺とは違うんだよ」と現れる。
ガスマスク男を圧倒的な強さで倒す清春。ガスマスクを取り外すとそれは才門(井浦新)だった。清春が以前、明海(立花恵理)にUSBを渡したのはそこについた血を調べるためだったという。結果、その血は才門のものではなかった。そしてUSBには心肺機能を一時的に停止して仮死状態にする薬の作り方が載っていたという。
才門は極秘プロジェクトについて話し出す。プロジェクトには人格強制、肉体改造のほかに、精神支配プログラム(マインドコントロール)があった。強盗団はこの精神支配プログラムを受けていた。そして薫に暗示をかけられて銀行を襲ったのだった。さらにそのプログラムを才門は清春に使ったという。暗示の言葉は『Look at me』。清春が本城(篠井英介)を撃ったときも、才門につきつけた拳銃を素直におろしたときも才門によって操られていたのだ。そして今回も「Look at me、俺を許せ」という才門。「許すわけねぇだろ」と怒る清春。新薬を使ったことによって暗示が効かなくなったようだ。
10億円強奪事件後に強盗団が射殺され、計画が狂った薫は才門を呼び出して裏切ったのかと追求する。組織が薫の計画に事前に気づいていたという才門に、薫は自分が死んで清春を容疑者にする計画を明かす。ニッポンノワールの実態を暴くのが星良(入山法子)の願いだと憤る薫に才門は「星良はお前の無駄死になんて望んでない。頼むからやめてくれ」と説得を試みる。しかし事件当日、計画とおり薫からメールを受信した才門は急いで山小屋へ向かったのだった。
才門はガスマスクを持っているのは、カモフラージュに使った陣内を除けば、自分ともうひとりだという。そして才門がガスマスクを被ったのは2回、今日と留置場で清春に克喜が危ないと伝えたときだけだと明かす。今日ここへ来たのは、そのもうひとりのガスマスク男に新薬が渡らないようにするためだったようだ。
薫が射殺された後、才門は清春を警察病院に連れていき、薫を殺したのは自分だという記憶にすり替える人体実験を行った。しかし、あまりもの酷い様子を目の当たりにした才門は実験を途中で中止させる。「Look at me、手出しするな」とガスマスク男にも暗示をかけた才門は、そのまま清春を喜一のところへ連れて行く。そして喜一に過去3ヶ月の記憶消去とアルティメットプログラム実行を依頼した。記憶をなくすことで組織は、唯一新薬のありかを知る清春を生かしておくしかなくなると考えたためだった。
ただし、清春が警視庁のガンと呼ばれたままなら覚醒する前に殺すつもりだったという。力を手に入れた成功者は善悪どちらにもなりうる、悪にならないために人間らしさを獲得させるつもりだったようだ。しかし清春は才門が心配する必要のないくらい克喜と強い絆で結ばれていった。そのため、才門は組織と決別して清春と一緒に逃げたのだった。清春を守るために自らもプログラムを受けた才門。しかし才門は適合できなかったようで命は長くないと吐血してしまう。「お前なら星良の無念をはらしてくれる」と安心した瞬間、才門は銃弾に胸を撃たれてしまう。
山小屋へ入ってきたのは咲良と名越(工藤阿須加)。才門が黒幕だと思い清春が危ないと勘違いして撃ってしまったと釈明する名越に、「猿芝居はやめろ」と拳銃を向ける清春。清春はだいぶ前から名越の言動を疑っていたようだ。
薫の携帯パスワード『4205』(克喜が4年2組出席番号5番)をあっさりと解明したこと、才門がガスマスク男の右肩をナイフで負傷させた後に利き手と反対の左手で拳銃を持っていたこと、現場に刻まれたニッポンノワールのロゴ『N』と日誌に書かれた名越のサイン『N』が酷似していること…。
「なんだせっかく頑張ってキャラつくったのに」と正体を明かす名越。咲良と克喜を人質にするために連れてきたという。そして薫も強盗団も碓氷元警察庁長官も南部の息子も自分が殺したと告白する。新薬を手に入れて組織を掌握するつもりでいた名越は、碓氷と陣内が目障りだったという理由だけで殺したのだった。
新薬は、適合しなければ1時間ももたずに死んでしまう。そしてほとんどの人間には適合しないものだった。
最初、名越は才門の指示によって清春に近づいた。しかし徐々に怪しい行動を取って清春を守るようになった才門。そして才門の暗示から逃れるために才門をも殺したのだった。怒りが満ちてくる清春の首筋には黒い血管が浮き出る。

清春と名越の戦いを咲良は、ビデオに撮ってネットにLIVE配信する。そして、ニッポンノワールの闇を語りだす。これは清春が咲良に頼んだことだった。「お願いです。この真実を、みんなに広めてください」「どうか、信じて受け止めてください」とカメラを回し続け、ニッポンノワールが行った人体実験のこと、本城の冤罪を訴える咲良。名越と清春の壮絶な戦いが繰り広げられる。最初は映画の宣伝かと相手にしない人々も次第に拡散させるようになる。
清春が吐血して倒れたところへ「やめろ!」と克喜が駆け寄ってきて名越を静止しようとする。しかし名越に車でおとなしく待っていればいいものをと投げ飛ばされてしまう。そして名越は克喜のお腹を足で踏みつけながら「そんなに自分の子供がかわいいか」と清春を挑発し、清春が父親であることを初めて知った克喜に「最後に知ることができてよかったね」ととどめを刺そうとする。なんとか力を振り絞り名越を押し倒した清春は吐血して咳き込んでしまう。なおも攻撃的な名越に清春は、「君のおかげで人として死ねる」といった本城の最期、「次はもっと笑って生きたい」といった喜志(栄信)の最期、「お前に託す」といった宮城(細田善彦)の最期を思い出して「みんな誰かの幸せを願って人間らしく生き抜いた」「死に様こそが生き様だった」と憤る。そして、克喜のプログラムは無効化していていつ元の自分に戻ってもおかしくない状態なのに、人体実験などしなくても変わることができた克喜を称える。「俺たちは未完成。完璧な人間なんていない。だれでも過ちをおかす。過ちをなかったことにするんじゃない。あらがうんだよ。自分の力で」「自分次第でこの世界は、いくらでも変えられる。それを克喜が教えてくれた」と清春の力が極限に達し、名越を打ちのめす。
それと同時に清春もその場に倒れてしまう。浮き上がっていた血管は、克喜が優しく手を添えると元に戻った。

名越は、南武に逮捕される。ニッポンノワールの全てを晒すという南武の言葉をあざ笑うように高笑いする名越。 南武は「俺も人間できてねぇ」といって名越をぼこぼこに足蹴りする。そこには息子や仲間達を殺されたことへの恨みが込められているようだった。

咲良は喜一に電話をしてすべてが終わったことを報告する。喜一が清春に飲ませていた栄養ドリンクには、新薬の反発を抑える成分を少しずつ入れていたという。過酷な運命を背負わせてしまったことへのせめてもの償いの思いからだった。そのお陰で清春は元に戻ることができた。
ネットに載った動画は削除されてしまったが、みんなが拡散したことによって真実が明るみにでた。本城の冤罪と宮城の思いが晴れてよかったと安堵する芹奈(佐久間由衣)。

薫が奪った10億円は喜一の店の地下室に珈琲豆に紛れるように置いてあった。
薫からすべてが明るみになったら、人体実験で犠牲になった遺族に渡してほしいと預かっていた。

清春のことを「おとうさん」と呼ぶ克喜。化け物のような姿でも克喜にとっては、「誰よりも強いヒーローにみえた」と明るくいう。時計は23時30分の少し前を指している。「誕生日おめでとう」という清春。「どうして、それを」と驚く克喜に「あたりめえだろ、父親なんだから」と答える清春だった。

~エンディング~ 誕生日ケーキを買って清春、克喜、咲良は誕生日会をしている。とても嬉しそうな克喜の笑顔。
清春がひとり部屋の外へ出ていく。数歩あるいて目を見開く清春。
次の瞬間、清春は血だらけで壁にもたれかかっている。誰かに襲われたようにも見えるが敵の姿はなく、壁には獣の爪痕のような3本の血痕が残されていた。清春の右手の指が、少しだけピクッと動くが「笑えねえ」の一言と共に幕は下りた。

【みんなの感想・次回予想】
30代・女性
最後だけなんで!?という感じです。ニッポンノワールに翻弄されてしまった人達の無念が晴らされ、克喜も実験の悪影響を乗り越えた。清春も以前のガンと言われていた時とは違って人間の心を手に入れた。善悪どちらにでもなりうる最強の力は人の温かさによって善になった。それでよかったのではないでしょうか。新薬が適応しなかったのか、闇は姿形を変えて存在し続けると言いたかったのか…。黒幕が若い名越というのも、世界を変えてしまうかもしれない程の力を持つ新薬なのに、手に入れて組織を掌握したかったという理由も軽すぎない?とイマイチ腑に落ちず。せめて清春と克喜には普通の暮らしを手に入れさせてあげたかった。そのために実験と組織と戦ったのではなかったのかと悲しくなりました。

40代・女性
【ガスマスクの男の正体は、解明できたが、さらなる謎が】
清春と克喜、咲良の3人で楽しそうに、お誕生日会が開かれて、ほっとした最後だと思っていました。 なのに、席を立った清春がなぜ、血だらけで倒れなければならなかったのでしょうか。 ニッポンノワールの闇は、まだまだ続くということなのでしょう。 黒幕は、ガスマスクの男であって、誰が犯人なのかという展開で進んできたストーリーでした。 ガスマスクの男になっていたのは、才門と名越でした。十億円事件の謎も解明され、すべての謎が解き明かされたと思ったのになんともいえない結末が待っていました。 まだ意識があったことが救いでしょうか。さらなる続きが待っているということなのでしょうか。 すっきりと終わってほしかったです。

30代・男性
ラストが納得できません。清春には克喜の側でずっと生活して欲しかったです。清春が死んでしまっては克喜はひとりぼっちになってしまうのでとても可哀想だと感じました。やはりハッピーエンドが見たかった気持ちです。ガスマスクの男が名越というのもあまり驚きはなかったです。もっと意外な人物じゃないと初めから見てきた人は納得できなかったんじゃないでしょうか。まあでも散々引っ張ってきたガスマスクの男の正体が分かりスッキリした気持ちなので良しとします。

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