主演:向井理
BSテレ東 (土曜日21時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#01嗅ぐ女】
探偵・黒崎竜司(向井理)は、車内で張り込みをしながらジッポでタバコに火をつける。外で張り込む八神旬(前田旺志郎)は、「なんでストーカーなんてするんですかね」と無線で黒崎に話しかける。その時、黒崎が「来るぞ」と八神を注意する。程なくして、フルフェイスのヘルメットを被った男が周囲を気にしながらやって来た。こそこそと郵便ポストを触る男に八神が「人ん家のポストに何してる」と声をかける。男は八神を突き飛ばして逃走する。しかし逃走した先には、サングラスに革ジャン姿の黒崎が立っていた。男は逃げられないと思ったのか、隠し持っていたナイフを振りかざして黒崎に襲いかかる。黒崎はこれを華麗にかわすといとも簡単に男を抑え込んだ。
八神が男のヘルメットを外すと服装に反して中年男性だった。八神が強引に男を警察へと連行しようとする。黒崎は「なんで」と男に尋ねる。男は「寂しかったから…」と答えた。
Barで黒崎がタバコを吸っていると、酔った八神が「黒さんは世界一タバコが似合いますね」と言う。そして八神は黒崎のタバコの持ち方や座り方などを真似し始める。そこへバーテンダー・倉野梓紗(橋本マナミ)がやって来た。倉野は「そのスモークチーズ、バーボンに良く合うでしょう」と言うと意味深に微笑み立ち去った。倉野の大人の色気に八神は「ああいう良い女は、黒さんみたいな大人の男しか相手にしないんだろうな」と羨む。黒崎は、お酒を飲み干すと「お疲れ」と八神の分も支払いを済ませて、一人店を後にした。
倉野が「(黒崎の事を)大好きなんですね」と言うと八神は「そりゃそうですよ、ハードボイルドっていうか。元は超優秀な刑事で今は敏腕探偵、かっこよすぎるでしょ」「人や時代に流されず、孤独をも楽しむ、男が憧れる男。俺もあんな大人になりたい」とべた褒めする。一方、帰宅した黒崎は酒とグラスを持って屋上に上がる。お酒を飲みながらフーっとタバコの煙を吐き出す。その先に、結婚相談所『縁net』の看板があった。黒崎はサングラスを外すとその看板を見ながら「はぁ、結婚したいな」としみじみ呟いた。
翌日、探偵事務所では昨夜捕まえた男が大学教授で、女子学生をストーカーしていた事について八神が「終わってる」と話していた。所長・風見正芳(マキタスポーツ)も「51歳、独身。年取って独身だとロクな奴いないな」と同調する。「結婚はしたくない」と言う八神と「俺にしか分からない味噌汁の味ってやつがある」と言う風見の会話を黒崎は黙って聞いていた。そして八神に「結婚とか興味ないんですか」と聞かれた黒崎は「あぁ」と渋く答えた。
その夜、黒崎が帰宅すると隣の部屋の前で女性が鍵を探して慌てていた。『これは運命の出会いなのか』黒崎と女性は見つめ合ったまま少しの時が過ぎる。しかし次の瞬間、部屋の扉が開いて中から彼氏が出てきた。黒崎は勘違いを恥じるように急いで鍵を開けると部屋に入った。黒崎はひとりコンビニ弁当を食べ始める。するとストーカー男の「寂しかったから」という言葉を思い出される。黒崎は部屋を飛び出して屋上へと駆け上がる。そして看板の結婚相談所へと電話をかけた。
翌日、黒崎はオドオドとした様子である建物にやって来た。手に結婚相談所の案内状を持ちながら、中々エレベーターのボタンを押す勇気が出ない。すると後ろから「どちらに?」と声をかけられた。城戸まどか(成海璃子)は、黒崎の持つ案内状を見て「結婚相談ですか?」と尋ねるが黒崎は「いや違います」と言ってその場を立ち去った。その後、黒崎は城戸がエレベーターに乗るのを確認すると恐る恐る結婚相談所へと向かった。
呼び鈴を鳴らすと城戸が応対に現れたので、黒崎は咄嗟に「間違えました」と言う。城戸は「大丈夫ですよ」と優しく声をかけ「昨日お電話頂いた黒崎さんですね」と言う。黒崎は照れながら「はい、恐らく」と答えた。
中に案内された黒崎は、会員プロフィールを記入する。その後、城戸は婚活女性のプロフィール写真を黒崎に見せる。その量の多さに黒崎は「こっ、こんなにも女性が」と驚く。城戸は「まずはマッチング、お見合い。そして仮交際から本交際を経て成婚となる」と親切かつ明瞭に婚活の手順を説明する。そして「では行きましょう」と城戸が言うので黒崎は混乱する。「まずは私をお見合い相手だと思って、デートしてみましょう」と城戸は黒崎をホテルのラウンジへと連れて行く。
黙っている黒崎に城戸は「何か私に聞きたい事はありませんか」と尋ねる。黒崎は少し考えて「家族構成は?」と尋ねる。城戸が答えると「出身は?」「学歴は?」「休日は何を?」と聞きながら黒崎は手帳にメモを取り出す。ラウンジを後にすると黒崎は『13点』と書かれた紙を受け取る。黒崎の婚活採点の結果だった。「黒崎さんは臭いです」城戸は黒崎のタバコやお酒、加齢臭をはっきりと指摘する。そして「サングラスを外さないのは変です」「取り調べじゃないのでちゃんと会話してください」と言った。サングラスを外して「すみません」と素直に受け入れる黒崎に城戸は「協力します、大丈夫です」と黒崎の手を握って微笑んだ。
夜、黒崎はBarへ行く。バーテンダー・倉野は黒崎がタバコを吸っていない事を指摘する。そして黒崎の指を見て「魅力的だ」と言う。「黒崎さんのチャームポイントですね」と倉野は意味深に囁いた。
翌日、黒崎は自分の右手を見つめながら「チャームポイント」とニヤける。一緒に張り込みをしていた八神が怪しむと黒崎はすぐに無表情に戻る。この日、二人は浮気調査で夫の行動を見張っていた。事務所にやって来た妻は「今まであんな匂いした事ない」「私調べたんです。この匂いです」と香水を事務所中に振りまいた。対象者の写真を見ながら八神は「不倫は無理でしょう、ワキ臭そうですもん」と毒づく。その後、黒崎は「仕事で必要になった」と強調して八神に自分の写真を撮ってもらった。
「自分なりに頑張ってみました」自信満々に黒崎は話す。城戸は「本当にこの写真でいいのですか」と確認する。写真に写る黒崎はサングラスにハットを被っており、ほとんど顔が分からない状態だった。「どう見ても変です」「皆、爽やかで清潔感があります」と他の男性達の写真を見せる。確かに黒崎だけが悪目立ちしていた。
「41年間、かっこいいと思って女性とは距離を取って生きてきた。孤独こそが男の美学だと信じて来ました」「それでも仕事や物では埋められない”何か”が襲ってくる夜があるんです」黒崎の正直な告白を城戸は真摯に受け止めた。「変わるんです」城戸の言葉に背中を押された黒崎は、帰宅すると震える手を押さえながら髭を剃り落とした。
浮気調査を始めて一週間、夫に怪しい動きはない。しかし黒崎は「臭う、近々しっぽを出す」と言う。タバコを止めた黒崎は八神に「次に吸う一本が格別に美味しい。そのために止めているのだ」と話していた。その時、黒崎の携帯が鳴る。黒崎はダッシュでひとけのない場所に行き、電話を取った。城戸はお見合い相手が見つかったと話す。相手は、看護師の水原菜々子(堀田茜)だと聞いて黒崎は喜ぶ。「ただ、この方タバコNGで…」気まずそうに言う城戸に黒崎は「タバコは止めます」と宣言した。
黒崎は爽やかなスーツ姿でラウンジに居た。黒崎は『笑顔、相手に合わせる、会話をする、頑張ってください』という城戸からのメモをお守りのように持っている。そこへ地味な水原がやって来た。黒崎は先にブレンドコーヒーを注文したが、水原がミルクティを注文すると『相手に合わせる』に従って黒崎もミルクティに変更する。お互いに緊張する二人だが、黒崎が「看護師さんは色んな患者さんがいて大変でしょう」と話をふると「聞いてくれますか」と水原の表情が明るくなった。そしてぎこちないながらも二人は会話が続いていく。
会計を終えると店員が「ホテルの宿泊券が当たるくじ引きをどうぞ」と勧める。結果はハズレだったが、参加賞としてもらった一輪の花を黒崎は水原にプレゼントした。嬉しそうに花を受け取った水原は黒崎の手を見つめる。その瞬間、『黒崎さんの手って魅力的』と言う倉野の言葉が思い出された。その後、「最初のお見合い相手が水原さんで本当によかった」「また」と言って二人はわかれた。
『私は今日、将来の伴侶に出会ったのかもしれない』と黒崎は舞い上がる。
翌日、張り込みをする黒崎と八神。しかし夫に動きはない。諦めて立ち去ろうとした時、黒崎は台車を押す自動販売機にドリンクを補充する女性とすれ違った。その女性の香りを嗅いだ黒崎は「今日だ、今日動く」と確信する。
黒崎の予想通り、夫はこの女性と腕を組んで歩いている。その時、二人は裏路地へと姿を消した。黒崎と八神は手分けして二人を探す。すると黒崎が香りに気づく。そして間一髪、二人がホテルに入る瞬間を撮影する事に成功した。
「これが俺の仕事だ」黒崎は満足げに探偵事務所を後にした。上がった気分のまま、黒崎は結婚相談所へと行く。出てきた城戸の表情は暗く「大変申し上げにくいのですが…」と言う。水原からお断りの連絡が入ったのだ。「「また」と言ったし、何かの間違いだ」黒崎は全力で否定する。しかしお断りの理由はタバコだった。長い間タバコを吸っていた人の人差し指と中指の間は、黄色くなっているのだと城戸は指摘する。あの日、水原が花を受け取って黒崎の手を見つめたのは、倉野が言った”魅力的”ではなく、黒崎に喫煙者の証拠を見つけて愕然としていたのだった。しかし水原は黒崎に感謝もしていた。これまで『自分なんて』と卑下していた水原は、黒崎が言った「あなたは勇気がある」と言う言葉に自信を取り戻した。「ずっと好きだった幼馴染に告白します」水原の表情は明るかった。
「そんな馬鹿な」黒崎は行き場のない気持ちを発散するように走り出す。Barにやって来た黒崎はブツブツと文句を言いながらタバコに火をつける。倉野は「私は嫌いじゃないですよ、タバコを吸う男の人」と意味深な視線を送った。その時、黒崎の携帯に城戸からメールが届く。新しいお見合い相手が見つかったと言う。添付されていた女性の写真を見た黒崎は、火をつけたばかりのタバコを消した。
【感想】
30代・女性
素直に城戸の言う事を聞く黒崎がかわいい。『孤独を…』のシーンで流れた向井理のハードボイルドシーンは凄くかっこよかった。コミカルであっという間の1時間だった。楽しみ。
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