【ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○】第1話「はじまりはフェイクニュース!?匿名の悪意と瀬古凛々子という女」 感想ネタバレを詳しく(主演:黒木華)

2022冬のドラマ一覧

主演:黒木華
フジテレビ (木曜日22時00分~) 

電話占いヴェルニ

【内容・ネタバレ含む】
【#01】
ー2021年12月ー
大手出版社・クスノキ出版。暗闇の中を警備員が巡回している。経理部では、頭からストールを被って息を潜めながら、懐中電灯の明かりを頼りに帳簿を確認する女性(黒木華)の姿があった。経理部に警備員が入って来たものの、警備員は女性には気づかなかった。その後、女性は帳簿の中からある物を発見し「見つけた」と微笑んだ。

翌日、クスノキ出版社では執行役員選任の役員会が開催される。開催前、仁和正樹(安藤政信)に同期の平泉が「お先に」と自身が役員になる満々で声をかけた。平泉を役員とする採決が始まり、役員達が挙手をする中、仁和は時計を気にしていた。その時、女性(黒木華)が入って来て「入社9年目瀬古凛々子、所属は経理部です」と話す。凛々子が悠然と仁和の前を通り過ぎると仁和はニヤリと微笑む。凛々子は平泉に領収書を見せて、この時平泉が打ち合わせをしたと説明した作家は海外に居た事実を突きつける。平泉が作家を勘違いしたと弁明すると凛々子は携帯を取り出し、同日平泉の妻がSNS上に家族旅行の様子をアップしていると指摘した。凛々子は「私的流用は許されません」と言いながら何枚もの領収証を机上に並べていく。「これら領収証について経理部が納得するご説明を」と追求する。挙手をしていた役員達は怪訝な表情を浮かべ、平泉は泣き崩れた。
平泉を蹴落として執行役員となった仁和は、凛々子のお陰だと感謝する。経理部に所属する凛々子は、他人の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりすることは苦手だが、この世界や他者を知りたいという欲求は強く、優れた洞察力を生かしてちょっとした矛盾や誤りを見抜く能力に長けた女性だった。その厳しいチェックぶりから地獄の番犬・ケルベロスとも呼ばれている凛々子の能力を認めている仁和は、凛々子が入社時に言った『私が知りたい事を知るため』という入社理由に変化がない事を確認すると、ある仕事を命じる。

ー2022年1月ー
一本真琴(石井杏奈)は自身が所属する部署『カンフルNEWS』の愚痴を矢部涼介(一ノ瀬颯)にもらす。「もう時間だから」と矢部は社員証をゲートにタッチして綺麗なオフィスへと入っていく。真琴は「いいなぁ、新社屋…」と呟き、しばらく歩く。やって来たクスノキ出版別館は年季の入った建物だった。すると凛々子が「そこ邪魔」と言って建物に入っていく。真琴が編集部に行くと凛々子が居たので驚く。そこへ編集長・山田礼二(生瀬勝久)がやって来て、「今日付けで異動になった瀬古さんだ」と真琴に凛々子を紹介する。凛々子が真琴のフルネームや志望先が少年マンガ誌『ジャンクス』の編集部だった事、月収まで知っていたので、真琴はさらに驚く。そして山田は「リモートワークだから他の人は月1回のネタ会にしか出社しない」と説明する。

下馬蹴人(野村周平)が一夜を過ごした女性の部屋で着替えていると、女性がイチャついてくる。その時、女性が窓の外を見て驚く。カーテンの隙間から凛々子が部屋の中を覗いていたのだ。凛々子は「リモートワークの利点その1。通勤コストの削減」と言う。
椛谷静司(野間口徹)はデザートビュッフェを堪能していた。そこへ凛々子が現れで「利点その2。優秀な人材の確保、及び流出の阻止」と言う。
凛々子はサウナを満喫している根津道春(溝端淳平)の元にもやって来た。「利点その3。生産性の向上」「それらがリモートワークを推奨する理由。でもあなた達には逆効果」「だから出社しなさい」と言う。
会社にやって来た三人は、真琴が凛々子に居場所を告げ口したのだろうと詰め寄る。しかし、凛々子は女性が匂わせたSNSなどから居場所を割り出していた。

凛々子が仁和から受けた仕事は、クスノキ出版が運営するニュースサイト『カンフルNEWS』の立て直しだった。他社のニュースやブログ記事のコメントをコピペしただけの“コタツ記事”ばかりを発信しており、PVは月間50万程度、広告もろくにつかないというお荷物部署『カンフルNEWS』を、月間5000万PVのサイトにすると言う。そして凛々子はそのために「ゴシップで攻める」という戦略を立てる。
そんな中、編集会議が始まる。凛々子は根津達の発言を「新鮮味なし」「プレスリリースからのコピー&ペースト」とぶった切っていく。その時、真琴がアイドルと人気声優の交際が噂されている事を発見する。噂されるきっかけとなったあるクリスマスパーティーには、ゲーム・アプリ会社『グリフィン・ラボ』の代表や社員たちも出席していた。さらにこのパーティー写真をタグ付けして『バカで愚かな連中。ヘラヘラ遊んでるくせに社員にはパワハラ三昧。絶対許さない。こいつらをパワハラ企業として告発する』という投稿を発見した真琴。グリフィン・ラボとは、美少女女子高生キャラたちと新幹線で全国を旅しながら疑似恋愛体験ができる“萌えゲー”で急成長した会社だった。しかしネット上で検索してみると『クリエーター使い捨て』『社員は安い給料で徹夜続き』『過労死寸前』という投稿が並んでいた。
下馬は、ブラック企業だと記事をアップしたらどうかと提案する。情報の裏取りや取材を一切しないスタイルを凛々子は「名誉毀損に成りかねない」「危険だ」と山田(生瀬勝久)に進言する。すかさず根津(溝端淳平)が「この世界の事は俺達の方がよく知っている」と食って掛かる。温厚で争いごとが苦手な放任主義の山田は「皆がいいって言うなら」と凛々子の言葉に耳を貸さなかった。凛々子は不満そうだったが、そうしている間に真琴(石井杏奈)はスラスラと記事を書き上げていく。

翌日、真琴が書いた記事は600pvとなった。その時、山田(生瀬勝久)の電話が鳴り、山田は血相を変えてテレビのチャンネルをワイドショー番組『ハヤミミ!』に変えるよう言う。番組では『グリフィン・ラボ』代表・松永が「パワハラ!?事実無根ですよ」「カンフルNEWSへ名誉毀損での訴訟も視野に入れている」と憤っていた。このインタビューを受けて番組の司会者・竹富喜一郎(大鶴義丹)も「取材もしないでこんなフェイクニュースを!!」と怒りをあらわにしている。その直後、編集部中の電話が鳴り出す。
夜、編集部で寝袋を広げ始めた根津(溝端淳平)に凛々子(黒木華)は「なぜ?」と尋ねる。根津は苛立ちながら「普通電話出るだろ」「社会ってそういうもんだろ」「空気読めよ」「お前新人研修の時から浮いてた。なぜ?わからない、どうして?って」と凛々子を罵る。そして「どうせ頑張っても5000pvなんて絶対に無理だ」「俺らは誰からも期待されてない、こんなクズみたいな仕事」と吐き捨てると凛々子は辞書を取り出す。そして「仕事…するべき事と書いてある。やりがいを持つべきものとは書いてない」と言う。凛々子は「仕事はクズじゃない、クズなのはそう思っている人」と言って立ち去った。
凛々子は、薬膳カフェ『黄実子』にやって来た。店長の黄実子(りょう)は、凛々子の顔を見るなり「血の巡りが良くない」と言って薬膳カレーを出した。黄実子は凛々子を気遣い「なるべく頑張ろうって気持ちで良いんじゃない」と言うが凛々子は「それは出来ない、約束したから」と即答する。仁和(安藤政信)が役員になったあの日、仁和は凛々子に「俺がついている。だからカンフルNEWSは絶対に潰すな」「お前があの部署を特別な場所に出来た時にはきっと何か分かる」と話していたのだ。「その約束って大事な人?」黄実子は意味深に笑うが凛々子にはピンと来ていない様子だった。

編集長・山田(生瀬勝久)は、フェイクニュースの件で呼び出しを受けていた。真琴(石井杏奈)は自分の名前が公にならないかだけを心配し、下馬(野村周平)は「俺らはまんまと書かされた」と人のせいにするような発言をする。凛々子は下馬の発言が引っかかり「まずは謝罪、そしてカンフルNEWSがその記事を書くに至ったかの事実確認が必要だ」と話す。椛谷(野間口徹)は、編集部には裏取りをする体力はないし、相手側は策を講じているはずだと言う。後ろ向きな根津(溝端淳平)達に凛々子は「あなた達は続けるか会社を去るか、二つに一つ」と現実を突きつける。
そこへ山田が戻ってきた。山田は、謝罪記事をアップしないと廃部になると説明する。根津は「仕方ない」と諦め、真琴達は異動したい部署を口にする。凛々子は呆れ顔で「謝罪記事、私が書きます」と申し出た。

記事を書くにあたって凛々子は、事の経緯を整理する。事の発端は、一つのパワハラ投稿を鵜呑みにした事にあった。凛々子はこの投稿者を調べる。すると『グリフィン・ラボ』のゲームがメンテナンス続きの上、突然サービス終了したために課金していたユーザー達から恨みを買っていた事が分かった。さらにこの投稿者が2年前のサービス開始時からキャラクターの盗作を訴えていた事も判明する。凛々子はコンタクトを取ろうとするが、このユーザーはメッセージを受け付けておらず困ってしまう。その時、このユーザーがNゲージ(鉄道模型)に興味を持っている事に山田が気づく。山田は、カンフルNEWSが雑誌時代のあの人なら繋がっているかもと名案を思いつくが、肝心の携帯を失くしており連絡先が分からない。
凛々子と山田は夜遅くまで、鉄道模型の店を検索しては山田の記憶を辿る作業を続ける。『自分は関係ない』と高をくくっていた根津だが、「仕事はクズじゃない、クズなのはそう思う人」という凛々子の言葉を思い出す。「馬鹿みてぇ」根津はそう呟いて歩き出す。根津とすれ違うように一人の男性(寛一郎)が編集部にやって来た。「山田礼二さんは…」と入ってきた男性は山田の携帯を持っていた。男性は一番上の通話履歴に電話をかけて対応した家族がこの場所を教えたのだと説明する。山田は喜び「何かお礼を」と申し出る。山田が「ねぇ、瀬古ちゃん」と言った時、「瀬古さんとおっしゃるんですか」と男性の表情が一変する。男性は「昔の知り合いに似ていると思っただけだ」と言って足早に立ち去った。男性は外から編集部の方をじっと見上げた。
山田はNゲージ繋がりの金子氏から届いたメールを凛々子に見せる。そこに添付されていたのは、かつて山田が書いた金子の記事だった。「これは?」と凛々子が記事の写真の一部を指差す。そして凛々子は「ざわざわする」と胸を押さえた。

翌朝、真琴(石井杏奈)が出社すると根津(溝端淳平)が歯磨きをしており、珍しく下馬(野村周平)と椛谷(野間口徹)も出社してきた。「俺にも責任がゼロって訳じゃない…」と下馬はバツが悪そうに話す。ところが、凛々子(黒木華)と山田(生瀬勝久)の姿がない。根津が「二人ならここの地下に潜伏した。確かめたい事があるんだと」と説明する。
その頃、地下備品室の凛々子は保管されていた雑誌『カンフルNEWS』を片っ端から調べていた。二人が460冊の中から一つの記事を探し出そうとしている事に真琴達は驚愕する。それから少しして、根津、椛谷、下馬がそれぞれ備品室にやって来た。それぞれが適当な理由を言うが、手伝うきっかけが分からず編集部へと戻っていった。暫くして、二人は遂に記事を発見する。その記事を見て凛々子は「見つけた」と微笑んだ。

その後、山田と凛々子は記事のカネコ模型店へ行く。凛々子は金子氏に会うやいなや「このアカウントの持ち主はあなたですね」と言う。凛々子は記事の写真に、制服を着た3人の女の子のキャラクターのポップが写り込んでいる事に気づいたのだった。そして凛々子は、「グリフィン・ラボの誰かがこの店に来た時にこのポップを見た」と推測する。実際グリフィン・ラボの松永らは、来店時に金子氏の隙きをついてキャラクターを無断撮影していた。凛々子はさらにグリフィン・ラボのクリエーターが3年前にカネコ模型店の近所にあるラーメン店を『社長と次回作の企画探しの旅。某所でヤバいアイデアが降臨www発車オーライ&出発進行』とSNSにアップしている投稿を発見する。
「キャラをパクられたという投稿は本当だったのですね」凛々子の言葉に金子氏が口を開く。金子氏は自身が考えたキャラクターがある日突然ゲームになっていて驚いた。そしてゲーム会社に連絡したのだが、取り合ってはもらえず『パクられた。これは犯罪だ』と投稿した。裁判を考えるも勝てる見込みはなく、悔しさだけが募っていった。しかし、画面の中で楽しそうに笑うキャラクター達を見ている内に怒りの気持ちは、娘を見守る父親のような気持ちへと変化していった。そして金子氏はゲームに課金していく。「それなのに」金子氏は悔しさをあらわにする。突然、サービスが終了したのだ。「大切に育てた娘が勝手に消された」「盗作の次は終了か」あの時の思いがぶり返した金子氏は『俺が生んだキャラをパクった天罰だ』と投稿してしまった。さらに「腹立たしく思っている人間がいるのだと知ってほしかった」とクリスマスパーティーの写真にタグ付けした投稿の経緯を明かす。そして「10年前にこの店を取り上げてもらったのと同じ位嬉しかった」と真琴のフェイクニュースに取り上げられた事を喜ぶ。「山田さん、そしてカンフルNEWSは私の恩人です」金子氏はそう話す。「これからも良い記事を書いてください」金子氏は言い、山田と金子は固い握手を交わす。
その時、凛々子が携帯で二人の写真を撮り始める。「一方的に被害者ぶらないでください。あなたは同時に加害者でもある」「今の話、全て記事にします。グリフィン・ラボがパワハラ企業だと嘘を書いた事も含めて」「キャラクターの盗撮と誹謗中傷は別問題。どちらかをなかった事には出来ません」と凛々子は冷徹な態度で言い放つ。「それが私の仕事です」凛々子はそう言って金子氏の写真を撮る。そして同時にお手製のキャラクターも撮影した。

編集部に戻り、記事を書いている凛々子に根津が「金子氏も閉店してSNSも辞める。今更、何の得にもならない」と反論する。「金子氏が特定されたら新たな誹謗中傷が金子氏に向かう」と危惧する根津に凛々子は「まずは謝罪と世に出ていない事実を公表するのが先だ」と淡々と答える。複雑な思いを抱えながらも山田は凛々子の記事にOKを出した。最後に凛々子は『カンフルNEWS編集部』とある署名欄を『瀬古凛々子』に書き換えた。「編集部名義では匿名になる。それではネットに書き込む人達と同じだ」「私個人を叩きたければ叩けばいい」凛々子は並々ならぬ決意を根津に示した。
それから数日後、ワイドショーは人気声優の浮気ネタを取り上げている。盗作やフェイクニュースの件はあまり取り上げられなかったようだ。騒動は収まったが、思うほどpvは伸びなかった。真琴や下馬は、「瀬古さんも言うほどじゃなかった」と小馬鹿にする。その時、ネットニュースを見ていた根津が驚く。そこには『グリフィン・ラボ松永代表パワハラ疑惑。元社員クリエーターの告発。カンフルNEWSによる一連の騒動についての謝罪と真相記事を読んで決意』というタイトルの記事があった。

金子氏は閉店したカネコ模型店の店内に居た。すると入口の向こう側が騒がしく、金子氏は扉を開ける。そこにはゲームファン達が集まっており、「さくらちゃん達(ゲームキャラクター)のお父上ですよね」と金子に声をかけた。キャラクター愛を語り、金子が作成したポップを興奮気味に撮影するファン達の姿を見て、金子氏は目頭が熱くなった。
クスノキ出版の役員会では、カンフルNEWS存続の意義が疑問視され、その責任が仁和(安藤政信)に向けられる。仁和は「私にも責任の一端はあります。でも責任は然るべき人に取ってもらいます」と余裕そうに答えた。一方、山田(生瀬勝久)は早期退職を決めた。山田は凛々子に「君のような人が良い編集者になる」「あとはよろしく」と笑った。
夜、凛々子が書いた記事を山田の携帯を拾った男性(寛一郎)が読んでいた。男性の視線の先には、カンフルNEWS編集部があった。
翌日、凛々子は編集部を自宅のようにしている根津の私物をごみ袋に処分していた。「編集長になったから」と言う凛々子に驚いた根津は凛々子を押し倒してしまう。

【感想】
30代・女性
結果として真実を包み隠さず書いた事が金子さんに取って良い方向に向かったから良かった。でも情を持たない凛々子の言動にはハラハラしてしまう。予想以上に面白かった。

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