【だから殺せなかった】最終話 感想ネタバレを詳しく(主演:玉木宏)

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主演:玉木宏
WOWOW (日曜日22時00分~) 

電話占いヴェルニ

【内容・ネタバレ含む】
【#05】
連続殺人犯Vaccineからの終結宣言には、毛賀沢達也(酒向芳)と併記されていた。毛賀沢の大学研修室からは、Vaccineが使用していたと思われる封蝋などが見つかり、毛賀沢の遺体が山奥の川で発見された。これの事をテレビニュースで知った江原陽一郎(松田元太)は「終わったね」と安堵し、毛賀沢から脅迫されていた父・茂(萩原聖人)も「あぁ」と頷く。晴れやかな表情の陽一郎とは対照的に茂は複雑そうな表情を浮かべる。
原稿の締め切り時間が迫る中、一本木透(玉木宏)は「まだピースが合わない箇所がある」と言って調査を続けている。やって来たのは『くぬぎ園』という児童養護施設。そこには、4件目の被害者・沢田の息子・隆志が居た。施設の担当者は「お父さんが亡くなって、一度自宅に戻ったが、PTSDの症状が酷くてまたここに戻ってきた」と説明する。父親の暴力は相当酷かったらしい。それでも父親は「躾だ」と言い、隆志は「全部自分が悪い」と受け止めていたようだ。話を聞いていた一本木は、壁に飾られた集合写真が気になった。その時、大熊良太(金井勇太)から「全て一本木さんの言った通りでした」と報告の電話が入る。一本木は「一つお聞きしたい事がある」と担当者に確認する。

結局、一本木の記事は締め切りに間に合わなかった。上役は「最後の最後に後続紙に抜かれてどうしてくれる!」「黛(長谷川朝晴)!お前のせいだ!!」と怒鳴り散らす。心配して様子を見に来た吉村隆一(渡部篤郎)に若山綾子(結城モエ)が「どうしてもハマらないピースがあるとかで…」と状況を説明する。その時、一本木から吉村に電話がかかってきた。一本木は「Vaccineは毛賀沢教授ではありません」「ようやく真犯人に辿り着きました」と告げる。「書きます。もう少し時間をください」と言って電話を切った一本木は、施設『はやみの里』を振り返る。
その後、ネットカフェの個室で一本木は記事を書く。そしてどこかへ電話をかける。留守番電話に「あなたが真犯人であると確信しました。紙面ではなく直接お会いしたい」とメッセージを残した。

吉村の元に一本木からメールが届く。『これから真犯人に会う。自分に何かあったらこれを記事にしてほしい』とあった。添付された記事の下書きには『犯人は都内に住む会社員。幼少期に虐待を受け、児童養護施設に預けられていた』『成人してからもボランティアとして、各地の児童養護施設を訪れており、その際に入所している子供のデータを抜き取り、標的を選んでいった』『子供への虐待が動機ということから目をそらされるためには、毛賀沢教授は格好の相手だった』『今回の動機は、かつて自身も受けていた虐待、無抵抗な弱者に対する『絶対暴力』への嫌悪感からだったと語っている』と書いてある。このメールは、警察庁の牛島正之(甲本雅裕)にも送信された。

一本木は森のような山の中を歩いて行く。頂上で待っていたのは、江原茂(萩原聖人)だった。「なぜ私がVaccineだと?」と言う茂。一本木は、隆志以外の被害者の子供達も児童養護施設に居た経験があり、父親から日常的に暴力を受けていた事を突き止めていた。「子供達のために、子供達に代わって罰を与えた」一本木が尋ねると茂は「なぜ私がそんな事をしなければならないのですか」と答える。一本木は以前、江原家を訪ねた時に茂の右腕に多くの傷跡が残っている事を見逃さなかった。その事を根拠に「あなた自身も虐待を受けて『くぬぎ園』で育ったからだ」と言う。一本木が「あなたのお父さんにも会って来ましたよ」と言うと茂は「父に!?」と驚く。『はやみの里』には茂の父・清が入所していた。
ボランティアとして『くぬぎ園』を訪れた茂はサンタクロースの格好をして子供達にプレゼントを配る。その時、茂はひとり元気なく立っていた隆志と出会った。そして、着替えをすると言って人が居なくなった事務所で、隆志のデータを入手したのだ。一本木が気になった集合写真には、サンタ姿の茂が写っていた。

一本木は、「一つ理解出来ない事がある」と言う。それは、『因果応報』と書かれた脅迫状。これまで無差別に相手を選んでいると思わせていた犯人がなぜ足がつくような事をしたのか、一本木には分からなかった。しかし「これは陽一郎君にあなたへの疑念を抱かせないための重要な偽装工作だったのでは」と推測する。
陽一郎が「寝室を探した」と言って心理学の本を読んでいた日、茂は一本木宛の脅迫文書を見られたと思った。そして翌日、茂はその封筒を犯人から受け取ったと見せかけた。
「勇み足でした。陽一郎に見られたと思って焦ってしまった」と茂が口を開く。一本木は「陽一郎君はあなたを守りたい一心で私を頼ってきました。しかしそれが私があなたを疑うきっかけになってしまった。あなたにとっての『因果応報』かもしれません」と言う。すると茂は「あんな男が陽一郎の父親である事が許せなかった」「生かしておいたらいつか陽一郎の前に名乗り出るかもしれない」と毛賀沢教授殺害の理由を明かす。そして虐待の傷跡を見ながら「虐待の傷は虐待を受けた者にしかわからない」と言う。

茂の父・清は「お仕置きだぞ」と言って嫌がる茂の腕に、ガスで炙った金属を押し当てた。『なぜこんな目に会うのか』そんな事ばかり考えてしまう。そして子供に逃げ場などない。物心つく前から始まった虐待は、10歳で『くぬぎ園』に入るまで続いた。施設の部屋でひとり膝を抱えて座る茂に「遊ぼう」と優しく手を差し伸べたのが、後に妻となるむつみ(安藤裕子)だった。むつみの腕にも茂と同じ虐待の痕があった。

不幸な境遇で育った茂とむつみにとって、幸せな家庭は何よりの願いだった。そんな二人がようやく手に入れた陽一郎との幸せは、病魔がむつみを奪っていった。
「どうして奪われたのでしょうか、私が何か悪い事をしたのでしょうか」「全てが理不尽だ」茂は呟く。そしてむつみを失った事で子供時代に引き戻された茂は、『全ては父のせいだ』と考えるようになった。茂は父に復讐するために、父を探し出す。ところが、父は意識が朦朧としており、茂が誰かも分からなかった。茂は父の首を締めた。しかし殺すことは出来なかった。
茂は「どこかで謝罪を期待していたのかもしれない。一言謝ってくれれば過去を捨てられたかもしれない」と回想する。「結局私に残ったのはこの痛みだけです」と茂は言う。その後、『世の中には理不尽な暴力で苦しんでいる子供がいる。一日でも早く私が代わりに復讐しなければ』茂の気持ちは思わぬ方向へと進んでいった。
「復讐じゃなくても子供達を救う方法はあったはずだ」という一本木に茂は「あなたにはこの痛みが分からないでしょうが!」と声を荒げた。

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茂の中で歪んだ正義が生まれ、茂は復讐を実行する。茂は、被害者を刺す際「○○の恨み」と子供の名前を告げていた。4件目の証言は、茂の最初の攻撃をよけた沢田が「隆志が何なんだよ!?」と言った言葉だった。復讐の最終目標は、陽一郎を捨てた毛賀沢。茂が「Vaccineの代理として手記を出版しないか」と持ちかけると毛賀沢は喜んで誘いに乗った。そして「Vaccineは山中に身を隠している」と言って毛賀沢を山に連れて行く。「陽一郎の恨みだ」そう言って茂は、石で何度も毛賀沢の頭部を殴った。
茂は「一本木さん、あの時のお願い覚えていますか」と聞く。それは「自分に何かあった時には陽一郎をお願いする」という約束。一本木が「陽一郎君には誰が父親だと話すのですか」と聞くと茂は「毛賀沢だと明かさなければそれでいい。陽一郎は誰が本当の父親かなんて知らなくていい」と答える。「何が陽一郎君のためですか!!」「今回の事件であなた、陽一郎君も傷つけているのですよ」一本木は声を荒げる。
その時、茂に呼ばれていた陽一郎がやって来た。茂は「あなたの『記者の慟哭』がなければ私はここまで辿り着けなかった」と感謝する。「どうか父親の事は最後まで隠し続けてください」茂は一本木に念を押してお願いした。状況が分からず、陽一郎はゆっくりと二人に近づく。その時、陽一郎の背後から刑事達が大勢やって来て、茂を逮捕した。手錠を取り出そうとする宮本勇吾(白石隼也)を望月公平(高橋努)が止める。陽一郎の目の前で手錠をかける事に配慮したのだろう。茂は抵抗する事なく、望月達について行く。「お父さん!!」陽一郎は何度も呼びかけたが茂が視線を合わせる事はなく、一本木は泣き崩れる陽一郎を優しく抱きとめた。

江原家に家宅捜査が入る。陽一郎のそばには、一本木の姿がある。寝室から凶器が発見され、それを見た陽一郎は一層ショックを受けてしまった。事情聴取を受けるために、望月達が陽一郎をパトカーに乗せる。一本木は「陽一郎君は本当に何も知らなかったんです」と望月に配慮を求めた。「文屋らしくないな、保護者気取りか」と望月はいつもの調子で悪態をつくが、すぐに「すまん」と改めた。「形式上、話を聞くだけだ」望月が言ったので一本木は一先ず安心する。陽一郎は、パトカーを心配そうに見つめる一本木に『陽一郎』と呼ばれた気がした。その声はまるで父親が子供に呼びかけるかのように聞こえた。
編集局に戻った一本木は、記事を書き始める。夜、自宅に戻った陽一郎は自分宛の手紙が届いている事に気づく。中には何十枚もの便箋が入っていた。茂からの手紙に陽一郎は涙した。

翌朝、太陽新聞の一面には真犯人・茂の記事が載り、太陽新聞は飛ぶように売れていく。紙面を読んだ牛島(甲本雅裕)は「一つ釈然としない事がある」と一本木に電話をかける。それは、毛賀沢教授の殺害理由だった。「いくら不倫を繰り返して世間を騒がせていたとはいえ、江原があそこまで憎悪を持つには理由が弱い」と牛島は言う。一本木は「江原が記事の通り供述しているならそれでいいじゃないですか」と言って電話を切った。
後日、名峰学院大学心理カウンセラー・小川万里子(高岡早紀)に会った一本木は怒りを顕にする。週刊誌が陽一郎を執拗に追いかけ回している動画を見せられたからだ。一本木は「俺の責任です。書きっぱなしじゃ駄目なんだよな」と頭を悩ます。
その後、新聞社の屋上に居る一本木の元へ吉村(渡部篤郎)が「おめでとう」とやって来た。新聞ジャーナリズム大賞に一本木が選ばれたというのに、一本木はちっとも嬉しそうではない。それどころか「新聞が売れ、賞に選ばれ、浮かれすぎじゃないですか」「こういう時こそジャーナリズムが問われる。今回は辞退する」と苦言を呈す。立ち去る一本木に吉村は「これで終わりだと思うか?」と問いかける。
吉村は前橋に行った時の事を話す。吉村は20年前の事件が絡んでいるのではないかと考えて、独自に調査していた。「一つの真実に行き当たった、しかしもう遅かった」と吉村は言う。そして「群馬の石橋先生(古田新太)を訪ねるといい」「真実に触れた時、どうするかはお前次第だ」と助言する。

同じ頃、小川(高岡早紀)はある手紙を読んで「一本木君…」と思いを馳せる。小川が持っている封筒の差出人は『群馬県多野郡…かなりあ園 江原陽一郎』とあった。その頃、吉村は引き出しから額縁に入れた新聞記事を取り出して眺める。それは20年前、一本木が書いた恋人・白石琴美(松本若菜)の父の不正を暴く記事だった。
一本木は、石橋産婦人科にやって来た。石橋(古田新太)は「これは逮捕前に茂が陽一郎に宛てた手紙だ。君にもぜひ目を通してほしい」と封筒を差し出す。
『陽一郎、最後に本当の事を話そう。一本木記者には、実の父親は毛賀沢教授だと話したがそれは嘘だ。あんな男は父親ではない』『陽一郎、お前の本当の父親は一本木記者だ』驚く一本木に石橋は続きを読むように黙って合図する。『私はワクチンとして子供を捨てた憎むべき男達を手にかけたが、その最後の標的は一本木記者だった』「これ本当なんですか」という一本木に石橋は19年前の真実を語る。
19年前の深夜、乳飲み子を連れた一人の女性が石橋産婦人科の扉を叩く。石橋が扉を開けると女性はその場に倒れ込んでしまった。女性・琴美は心臓の病で、石橋が治療をするがすでに手の施しようがない状態だった。今際の際、琴美は最期の力を振り絞って「この子を頼みます」と言った。その後、駆けつけた救急隊員に処置を引き継いだが琴美は息を引き取った。
さらに石橋は「彼女は思い入れのある患者だった」と明かす。子供の将来を案じて堕胎手術を受けに来た琴美を説得したのが石橋だったのだ。実は、一本木が琴美の亡骸と対面した時、部屋の入口には陽一郎を抱いた石橋の姿があった。しかし失意のどん底で立ち去る一本木が石橋達に気づく事はなかった。

真実を知った一本木は「…知らなかった」と後悔の涙を流す。石橋は「陽一郎は手紙を見せる事に反対した。『殺人犯・江原茂の息子のままでいい』と言った」「それでも私は亡くなった琴美さんのためにも真実を明かすべきだと思った」と話した。
茂の手紙にはこうも書かれていた。『復讐を始めた頃、『記者の慟哭』を読んでこの一本木記者こそがお前を捨てた男なのではと思った。許せなかった。そして復讐の最後の標的は彼と決めた』『何日も後をつけて機会を伺った。そして遂に機会が訪れた』『彼に襲いかかった刹那だ、父さんは彼を殺せなくなった』『お前の顔が浮かんだからだ。俺の思いだけで実の父親を奪っていいのか』…茂は、一本木と楽しそうに話す陽一郎の笑顔を思い出した。現場から走り去った茂は、悔しさとどうしたらよいか分からないグチャグチャの感情、行き場のない怒りに顔をしかめて泣き崩れた。
『最も憎んだ人間の中に最も愛したお前を見た』『だから殺せなかった』

一本木は『かなりあ園』へ行く。石橋からそこで陽一郎がボランティアをしていると聞いたのだ。「全てを知った今、どうするつもりだ?」石橋の問いに一本木は「20年前、私はとくダネと家族を天秤にかけました。そしてとくダネを選んだ」「今度は彼を守ります」と答えた。
陽一郎と対面した一本木は、彼に微笑みかけた。

【感想】
30代・女性
見終わった後に言葉にならない重みが残った。ハッピーエンドじゃないけど、後味は悪くない。些細な違和感が最後にちゃんと回収されてすっきりする感じ。俳優さん達の表情が切なくもあり、複雑な心境を素敵に表現していて、映像を見返したい作品。殺せなかったのはお父さんじゃなくて、愛する息子の実父。ちゃんと『だから殺せなかった』だった。

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