【ウチの娘は、彼氏が出来ない!!】第4話「なかったことにしたいキス!オタ娘は恋の新喜劇」感想ネタバレ(主演:菅野美穂・浜辺美波)

2021冬のドラマ一覧

主演:菅野美穂・浜辺美波
日テレ系  (水曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#04それぞれの恋】
碧(菅野美穂)の小説『私を忘れないでくれ』が、人気バンドのボーカル・ユウト(赤楚衛二)主演で映画化されることが決定した。碧はユウトのファンであることを隠し、気合いを入れて打ち合わせに臨む。約束の時間に遅れて登場したユウトは、碧に近づくと「写真で見るよりずっと若くてお綺麗だ」と碧を褒め、「実は先生にお願いがある」とそっと碧の腰を抱いた。その頃、おだやでバイト中の空(浜辺美波)は、ゴンちゃん(沢村一樹)達と碧がいかに気合を入れた装いで外出していったかで盛り上がっていた。するとそこへ渉(東啓介)が空を訪ねてきた。カフェに移動すると渉は空とのデートにしてきたつけ鼻毛について訳を話す。渉には、忘れられない、忘れてはいけない人がいるらしく、万が一空に好きになられたら困ると考え、わざとデートを失敗させようとしたのだった。「そもそも動物園に誘わなければよかったのに…」と空が言うと、渉は「コツメカワウソは君と見たかった」と大真面目に答えた。それを聞いた空は、子供扱いされたというか見くびられた気がすると正直に自分の気持を打ち明けた。「さようなら」と告げて立ち去る空。空は街を歩きながら『悲しいけれど、どこかのヒロインのようで気持ちよかった』と感じた。
一方、ユウトと打ち合わせ中の碧は内心呆れ返っていた。ユウトは碧の原作と男女を入れ替えた設定に変えたいと言いだしたのだ。「ここの台詞を女の子ではなくて俺が言いたい」「俺が儚く死んでいったら女の子達はキャー死なないでユウトって言う」とまるで自分のイメージのことしか考えないユウト。さらには、小西(有田哲平)をはじめ、脚本家ら大人達が皆ユウトの言いなりになっていた。打ち合わせ終了後、小西は映画化を受け入れないと次の作品も書かせないという暗黙の条件をやんわりと碧に突きつけた。自分の作品が守られないことにストレスを受けてプライドが傷つく碧は、「抗議しましょう」と味方となってくれる漱石(川上洋平)にまで「私を誰だと思っているの!水無瀬碧よ!!」と心にもない暴言を吐いてしまう。
自宅では、空がいつものように漫画を読んでいる。しかし『忘れられない人がいる』という渉の顔が思い浮かび、漫画を全然楽しめないでいた。その時、空の目にはあの象印が写る。するとスケッチブックを取り出して一心不乱に何かを書き始めた。同じ頃、おだやにはお見合いを世話したおばちゃん達が、菓子折りを差し出して「ごめん」とゴンちゃんに頭を下げていた。なんでもお見合い相手の女性は通称プロ彼女、お見合い後に行ったパーティーで出会ったIT社長に乗り換えたのだという。さらにゴンちゃんに一目惚れしたというのは真っ赤な嘘で、本当はおだやの資産価値を知ってのお金目当てだったらしい。「タキシードまで買ったのに…」とがっかりするゴンちゃんに、俊一郎(中村雅俊)はゴンちゃんが碧のことを思って内心ほっとしていると見抜く。「かつて20も年下のパリ人エトワールと別れたのも碧ちゃんの元に戻ってくるためってことよ、全ては神の思し召しってね」とロマンチックなことを言う俊一郎から逃げるようにゴンちゃんは銭湯へとやってきた。湯船に浸かって「はぁ~」と幸せな気分になったゴンちゃんはなぜだか「嫁に行くのやめませんか?」という碧を思い出していた。
後日、誰よりも碧を気遣う漱石は、作品を守るためにできることはないかと考え、もし男女入れ替えた場合のシナリオを作成して碧の元へ持ってきた。碧は三日三晩寝ずに書いてきた漱石をねぎらうも、どうしても男女逆の結末を受け入れることが出来ない。しかし、次の作品を発表する場も失いたくない碧は「いつだって次回作が最高傑作なの」と漱石に訴える。碧は心がトゲトゲしていたのか、漱石の触れてはいけない過去に言及してしまう。かつて漫画編集部にいた漱石は、アイデアに行き詰まった作家に自分のアイデアだと嘘をついて、海外の小説を盗作したのだという。「私達って落ちこぼれ同士なのね」という碧に漱石は「碧さんは落ちこぼれなんかじゃないです」「碧さんは時の流れに負けない本物です」と言って足早に去っていった。その後、碧はかつての碧の担当者・松山(ふせえり)に電話をして事の真相を確かめると意外は答えが返ってきた。漫画家が盗作して訴えられたのだが、作家の名前に傷がついてはいけないと漱石が罪を被ったのだという。「漱石、潔白」という松山の言葉に碧は自分の至らなさを恥じる。
大学の講義が終わった空は、光(岡田健史)を見つけると笑顔で声をかけておだやに連れてきた。バイトをしているにも関わらず真剣にメニューを選ぶ空を微笑ましく思った光は、ポケットからガチャのガラス玉を取り出して空に渡そうとする。しかし、気づかない空に渡すタイミングを外されてしまい、光はそっとポケットにガラス玉を戻すのだった。空は「描いてみた」とスケッチブックを差し出す。そこには光の物語をイメージした絵が描かれていた。それは光のイメージ通りだったようで光は目を輝かせて「自分の中でぼやーっとしていた物が形になって現れた感じ」と感激する。それから渉の真相を聞いた光は「どうして好きな人でも彼女でもなく、忘れられない人なんだろう」「昔の人だったら忘れてもいいのに」と不思議がり、自称上辺だけの恋愛をする男・光のことを「未知との遭遇」と空は好奇心に満ちたキラキラした目で見つめるのだった。その時、奥の襖が開いて碧が現れた。空は慌ててスケッチブックをテーブルの下に隠す。水無瀬碧ファンの光が「うわぁ」と喜びながら自己紹介をしていると、今度は渉がお昼を食べにやってきて…空は「なんだこの展開!!」と心の声がもれてしまうのだった。すると光は悪びれる様子もなく「今日は鼻毛つけてないんですか?」「忘れられない人って元カノ?」と質問をあびせる。空を余計に傷つけてしまったことを知った渉は話し始めた。忘れられない人とは、小学3年生のときに一緒にうさぎ係をした同級生だった。女の子は転校することになり、ふたりは結婚の約束をした。幼い頃に両親を亡くして親戚の家で育った渉にとってはその子とうさぎだけが本当の家族のような温かい存在だったという。話し終えた渉は「気持ち悪いですよね」と自虐し「空ちゃん、こんな素敵なボーイフレンドが出来てよかった。僕なんかと関わるよりずっといい」と言って店をあとにした。渉の話を真剣に聞いていた空は急いで渉の後を追う。そして「渉先生がその女の子が忘れられないように私も眼鏡を直してもらった時のことが忘れられないんです」「私ともう一度デートしてもらえませんか?鼻毛なしで、嘘じゃなくて本当のデート」と告白した。スケッチブックを持って追いかけてきた光は、その様子を目撃してその場に立ち尽くした。
その夜、空は碧に「記憶の中の彼女は美化されていて強敵だ」と茶化されながらも、引っ込み思案な空が走り出したことが嬉しいと応援される。すると今度は突然、碧が泣き出した。碧は「映画ヤダ!私のファンが泣く!私も泣く!!」と子供のようにわんわんと涙を流した。同じ頃、光の元に未羽(吉谷彩子)から電話がかかってきた。未和は自分の結婚式に光が来たら面白いと話した。そんな未和に「もうそうやって人の気持ちを弄ぶようなことはやめたい」「もっとシンプルでいたい」と突き放した。光の脳裏には真っ直ぐに渉に告白した空が思い出されていた。
ある日、漱石は「これは何なんですか!」と小西に詰め寄っていた。漱石の手には例の映画のシナリオがあり、漱石はその内容がめちゃくちゃすぎると腹を立てていた。小西は「ユウトの意見だし、映画会社もあたるっていうし」「これでOK出ちゃってるし」と聞く耳を持たない。「こんなの碧さんに見せられない」と心配する漱石に小西は「もう送ったけど」と追い打ちをかけた。その頃、届いたシナリオに目を通した碧は「何これ!?」と驚いていた。一方、おだやでは俊一郎の様子がおかしい。何やら店の外に合図を送っているようだが、ゴンちゃんが確かめようとすると咄嗟に話題を変えてごまかす。店の外にはなんと沙織(福原遥)がいた。一方、漱石は脚本家のオフィス前で出待ちをしていた。出てきた脚本家に、辻褄が合わないと手直しを依頼すると「あぁ、これね。誰がやってるんだっけ?」と脚本家は秘書に話し掛けた。この脚本家はアシスタントに任せて自分で書いてすらいなかったのだ。終いには「こんな高校生が暇つぶしに観るようなアイドル映画、どうだっていいんだよ、辻褄なんか合ってないほうがむしろいいんだよ」と言い放つ。「そんな風に書いていて楽しいですか!?」漱石が真剣に訴えるが脚本家は開き直った態度で「楽しくなんかないよ。だから人に書かせてるの。楽しいのはこうして稼いだ金で美女と遊ぶこと」と停めてあった高級車に乗り込んで行ってしまった。
「私が映画会社に乗り込む」と居ても立ってもいられない碧は、漱石に電話で告げる。そんな碧を漱石は「水無瀬碧がそんな事をしては変な噂が立って終わるだけだ」と懸命に諭す。「才能は神からのギフトです。僕が全力で守ります」という漱石はこれからユウトに直談判に向かうという。漱石に碧は「そんなことしたらクビになっちゃうよ」と止めるが漱石の決心は固かった。その頃、ユウトは新曲のデモを聞きながら「こんなアレンジじゃ楽曲が死ぬ」と反論するも社長は「音楽なんて趣味じゃん」と聞く耳を持たない。さらに「売上右肩下がり、このままじゃ転がり落ちる」と続ける社長に「だから映画もやるって、音楽ぐらい好きに作らせろ」と反論すると社長は表情を変え「こっちは商売なんだ」と冷たく言い放つ。そんな場にやってきた漱石をみるやユウトは「何で部外者が入って来てるんだよ」と苛立つ。社長は「映画の主題歌なんだから関係者にお披露目してもいいだろう」とユウトを否定し、ついにはふたりは掴み合いの喧嘩になってしまった。その後、漱石は駐車場の車内で原曲を聞くユウトの元へやってきた。漱石は「こっちの方がいいと思います」「素人にも心はあるし感じる力もあります」と言うとユウトが漱石と話をしようと態度を和らげた。漱石は「曲にも命があるように水無瀬碧の小説にも命がある」と訴えかける。「そんなことはわかっている!」「水無瀬碧の小説の言葉はキラキラと輝いている」ユウトはデビューする前からずっと碧のファンだったのだ。「ごめんなさい、先生に謝っておいてください」とユウトは漱石に頭を下げた。
一方、空は嬉しさのあまり光に電話をかける。「今、渉先生から電話があった。携帯を見たらふいに私に電話したくなったんだって」「今度こそ本物のデート」とハイテンションな空に光は「頑張って追いかけたかいがあってよかったね」と答える。同じ頃、漱石は嬉しい知らせを持って碧の元を訪ねてきた。漱石はユウトから「原作通り、脚本家はきちんとした人に変える。そうじゃないと自分はやらない」と約束を取り付けてきたと報告し、碧はガッツポーズをして喜ぶ。碧は朝から何も食べていないという漱石にカップ麺を作り、そこで改めて「お疲れ様。ありがとう」と心からの感謝を伝えた。「ありがとうとか言われるとヤバい」漱石は碧から視線を外し「碧の小説が好きで、水無瀬碧の担当になりたくて散英社に入った」と明かして涙する。そんな漱石を愛おしく思った碧は漱石の肩に優しく手をまわす。そして漱石は碧に優しく抱きつく。漱石は碧の顔を見つめ、そっと顔を近づけた…。同じ頃、空からの電話を切った光は以前空が言った通りにガラス玉に逆さまに映る街並みを見つめる。そして気持ちを吹っ切るようにそのガラス玉を思い切り川に投げ捨てるのだった。

【みんなの感想】
30代・女性
碧の小説が映画化!!ところが碧の小説とは名ばかり、蓋を開ければ内容がめちゃくちゃに書き換えられていた…。大人の事情と頭では理解していてもどうしても受け入れることが出来ずにズタボロになった碧を守るため、ひとり奮闘する漱石はただただひたすら格好よかった。担当者として作品や作家を大切にしているだけではなく、碧への愛情があったからこその行動だったのかなと思うとじんわりと愛おしい気持ちが増しました。そしてユウトもただのワガママではなく、碧と同じように作品を生み出す者として理不尽や苦しさを感じていたという裏の表情が見られた部分がよかった。これがないと気分屋の嫌われ者で終わってしまったように思う。
一方、光の報われなさが切なくてこちらまで苦しくなります。最後のビー玉を川に投げ捨てる場面は特に好きな人の幸せを願い自分の気持ちを押し殺す切なさが満載でした。渉も悪い人じゃないんだけど、どこかメンヘラ臭がしてしまい…空には光がいいのになと思ってしまいます。

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