【推しの王子様】「原点か?皆の夢か?苦渋の末の究極の選択 そして答えはキス!?」第9話 感想ネタバレ(主演:比嘉愛未)

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主演:比嘉愛未
フジテレビ (木曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#09】
泉美(比嘉愛未)は、航(渡邊圭祐)のことが好きだと正直な気持ちを光井(ディーン・フジオカ)に打ち明ける。心をさらけ出した泉美に対して、自分も正直になろうと思えた光井は、ずっと胸に秘めていた泉美への想いを告白し、一緒に生きていきたいと思っていると伝える。二人はドアの外で航がふたりの会話を聞いていたことには気づいていなかった。
そんな中、『ランタン・ホールディングス』社長の水嶋(船越英一郎)から呼び出された泉美は、ランタンの傘下に入らないかと持ちかけられる。傘下に入れば資金力は飛躍的に増え、新しいゲームの開発も可能になる。『ペガサス・インクにとっては魅力的な話だ。しかし、その条件として水嶋が提示したのは、売り上げが低下している『ラブ・マイ・ペガサス』のサービスを終了させる、というものだった。水嶋は『ラブ・マイ・ペガサス』に費やしていた労力やコストを、新しいゲームの開発に当てるべきだと説く。

その頃、会社では航の元へ杏奈(白石聖)から『ハンバーグ作って待ってるね』とメッセージが届く。航の脳裏には『航君の事が好き。でも断った事は後悔していない』と光井に明かす泉美の姿が思い出される。航は複雑な思いを抱きながら『うん!』と杏奈にメッセージを返した。
会社に戻った泉美は、光井に水嶋からの提案を伝える。「やっぱり終わらせるべきか…」悩む泉美に、光井は驚きながらも、「『ラブ・マイ・ペガサス』は自分たちにとって大切なゲームなのだから、結論を急がずにどうするべきか一緒に考えよう」と話す。泉美の事を気遣い包み込むような光井の態度に、泉美は「(告白の件も)きちんと考えるから時間がほしい」と伝える。光井が去った後、泉美はひとりラブペガが誕生した日の事を思い出す。ケント様に声(命)が吹き込まれた瞬間の感動は今でも鮮明に覚えている。泉美は懸命に仕事に取り組む仲間達をみながら『終わらせる日の事なんて考えもしなかった』と考える。

光井の電話が鳴る。相手はヘッドハンティングを持ちかけてきた同級生だった。『一緒にやろう』同級生の熱意を思い出しながらも光井は気持ちを断ち切るように携帯を無視した。同じ頃、航は休憩スペースでもパソコンを開いて忙しそうにしている。そこへ泉美がやって来て「無理しないようにね」と声をかける。航は「作業が溜まっているだけだ」と答える。泉美が、「(航の企画書を)いつか実現させよう」と言うと航は皆で自主的に企画会議をしていると明かす。航に触発された有栖川(瀬戸利樹)達もそれぞれ自分の得意分野を生かした乙女ゲームの企画を考えているのだと言う。「みんな、早く泉美さんに企画書見せたがっています」楽しそうに話す航の姿に、泉美は嬉しくなった。それと同時に『ラブペガを終了させ、もっと多くのゲームを世に出して行きましょう』と言う水嶋の言葉が思い出された。
外に出た光井は、同級生に電話をかける。「直接会って話そう」そう話す光井の背後に何者かの陰が忍び寄っていた。同じ頃、水嶋は部下の小嶋に「今回の買収は日高社長にとって苦渋の選択になるだろう」「でももしどこかでこの話がマスコミに流れて動かざるを得ない状況になったら……どうなると思う!?」と意味深に言った。
夜、泉美は天華楼の出前をとる。運んできた蓮(藤原大祐)が「木曜日以外に珍しい」と言うと泉美は「会社を起こした時から食べている変わらない味」と懐かしむ。すると蓮は、高齢の店主が店をいつまで続けるか話していると明かす。「味は変わらなくても作る人の方は変わっていく」蓮の何気ない言葉が泉美の心に刺さる。航は杏奈の家でも仕事をしている。航は今でもラブペガをしている杏奈に率直な感想を尋ねる。杏奈は「楽しい。でもSNSでは前程盛り上がっていないみたい…」と答える。それを聞いた航は、「うーん」と考え込む。

後日、同級生に会った光井は「すまん。俺、あの会社じゃないと駄目なんだ」と断る。同級生は「お前は日高泉美の腰巾着じゃないんだぞ」と最後の忠告をする。そして、学生時代に光井が自主制作した映画を持ち出して、光井の性格を分析する。「それは恥ずかしい」光井が笑うと、斜め後ろの客も笑った。不思議に思った光井が顔を覗き込むとそれは有栖川だった。先日、有栖川は偶然「ヘッドハンティングなんて滅多にない事だからな」と言う光井の会話を聞いてしまった。その前に二人で飲んだ時にも光井が「俺がこの会社にいる意味って何だろうな」と言っていたので、有栖川は居ても立ってもいられなかったのだと明かす。「良い仲間に恵まれたな」光井は心から笑う。その時、光井の携帯が鳴る。電話に出た光井は「え!?」と驚く。
同じ頃、社内も騒然となっていた。『ランタン、ペガサスインク買収』というネットニュースを見つけたのだ。記事によるとランタン側はこれを認めたとなっている。光井と有栖川が合流し「落ち着いて聞いてくれ」光井が言った時、外出していた泉美がやって来た。泉美は「これは事実だ」と話す。「どうして教えてくれなかったんですか」と言うスタッフ達に光井は「社長がこの話を聞いたのは一昨日、皆には暫く黙っておいた方がいいと俺が言った」とフォローする。「こういう形で皆に知らせる事になってしまってごめんなさい」泉美は頭を下げる。傘下に入れば、皆の企画を実現出来る!泉美はメリットの話をする。そしてラブペガ終了について話が及ぶと「これ以上赤字が続けば、いずれ決断しないといけない事」とし、それでも「決断出来ない…ごめん」と謝罪する。
「ラブペガが終わっていい人なんてここには誰一人いない」「泉美さんの乙女ゲームへの情熱について来た」「諦めるなんて泉美さんらしくない」「皆で頑張れば、ラブペガ人気も復活させられる」芽衣(徳永えり)達の熱意に泉美は胸が熱くなった。部屋を出る泉美を航が追いかける。「俺、頑張ります!だから…」航が言うと泉美は振り返って「ありがとう」と言って立ち去る。航は『だから』の続きを言葉にする事が出来なかった。

夜、泉美は自宅のケント様グッズを見ながら考える。それは一番最初に等身大パネルを置いた日の事。まだ何もない棚を前に泉美は「ここをケント様グッズでいっぱいにするの!楽しみ~」とはしゃぐ。すると光井は「泉美ちゃんはユーザー側過ぎる。グッズを作るのは自分達だからな」と指摘した。二人はまだ何もない棚を見ながら期待に胸を弾ませていた。
今では棚に置ききれない程になったグッズ達。泉美は『経営者にとって大事なのは、利益・会社の発展』と言う水嶋の言葉と『ラブペガがなくなるなんて嫌だ』と言うスタッフ達の言葉がせめぎ合っていた。
日曜日の昼、航はレストランで杏奈の両親と会食をしていた。杏奈の両親は「会社でも杏奈の事をよろしく」と話す。どことなく心ここにあらずな航の心中を察してか、杏奈は早めに会をお開きにした。ラブペガの終了を心配する杏奈に航は「何とかする」「あのゲームは絶対に終わらせたらいけないから」と話す。杏奈は不安そうに「航君がそんなに頑張るのは会社のため?」と問う。航は一瞬、遠い目をして「自分のためだよ」と答えた。
自宅で仕事をしている泉美の元へ有栖川から「今日時間ありますか?」とメッセージが届く。泉美はBarで有栖川と会う。有栖川は「ラブペガを終わらせたくないと言った事を反省している」と明かす。そして「どっちになっても自分達は泉美さんについていく」と言う。「これもプレッシャーか…」と反省する有栖川に泉美は「嬉しい。何が自分達のためになるか考える」と笑った。すると有栖川は言い難そうにしながらも、光井がヘッドハンティングされていた事を明かす。驚く泉美に有栖川は「この会社じゃないと駄目なんだって断っていた」と報告する。泉美の脳裏に『これからも一緒に生きて行きたい』と言う光井の告白が思い出される。「泉美さんにはどうしても知っておいてほしかった」と言う有栖川の思いを泉美はきちんと受け止める。
帰宅後、泉美が仕事をしていると有栖川からメールが届く。それはスタッフ達がまとめたそれぞれの企画書だった。泉美は一つ一つ丁寧に目を通す。そして迷いが吹き飛んだように何かを決心する。

翌朝、航が出社すると電話をかける織野(谷恭輔)を取り囲むように皆が集まっている。皆の心配そうな表情に航が何事かと声をかけると、マリ(佐野ひなこ)が「泉美さんが…」と言う。つい先程、泉美が急にアポを取ってランタンへ向かったのだという。織野は光井に電話をかけているが、打ち合わせ中で繋がらない。航は咄嗟に走り出す。
航はランタンの入口寸前で泉美に追いついた。航は「これ」と分厚い資料を泉美に差し出す。受け取った『「ラブ・マイ・ペガサス」サービス改善策提案書』の中を読む泉美。航は「元々赤字を何とかしようと考えていた」と明かす。泉美は航の多忙の理由を察する。「俺はラブペガが終わってほしくない」「このゲームがあったから俺はここに居る」「今、もし泉美さんに足りないものがなるなら俺が補う」航は頭を下げた。
水嶋に会った泉美は、「買収案を受け入れる前に確認したい事がある」と芯の通った態度で話す。泉美は、水嶋から『社員の企画にきちんと目を通して真摯に検討する』という確約を得る。そして「ラブペガについては社内で検討したい」と保留にする。その帰り道、泉美は「今日、仕事終わったら空いてる?」と光井に電話をする。
夜、光井が泉美の部屋にやって来た。泉美は「見てほしい物がある」と言う。ダンボールの中には何冊ものノートやファイルが入っていた。それはラブペガ誕生に向けて、話し合った記録。「よくこんなグシャグシャの中から王子様(ケント様)を生み出せたよな」「俺達、やるな」二人は懐かしむ。「終了はキツい」光井の言葉に頷きながら泉美は、航の『改善策提案書』と渡す。「何か作業してるなとは思っていたけど」光井は感心する。そして泉美はそんな航を嬉しく思いながらも「今の彼はあの時の私達なんだ」「このエネルギーを自分の企画に使ってほしいって思った」と明かす。
「泉美ちゃんが信じる方に進めばいい」光井は優しく言う。それでも迷う泉美に光井はコイントスを提案する。光井がコインを指に乗せた時、泉美はその上に自分の手を置いた。

翌日、出社した泉美は「ようやく自分の中で結論が出ました」と皆の前で話す。「ラブ・マイ・ペガサスは来月で終わりにします」泉美は宣言する。「今必要なのは前を向くこと」と言う泉美に「待ってください」と航が口を挟む。泉美は「聞いて」と制して続ける。「何もない所からあのゲームが生まれたように、私達はまたゲームを生み出せる」泉美が言うと航は「あのゲームは他のゲームとは違う」と反論したが、「前に進んだ先に得られるものがある」と泉美は抑え込む。
航は堪らず部屋を出ていき、残されたスタッフ達も抜け殻のように気力が沸かない。どうしようもない不安と泉美が決めた事だから大丈夫だという気持ちが漂う。社長室の泉美は、ランタンの水嶋に買収を受け入れると連絡し、サービス終了のお知らせを作成する。まだ少し躊躇いの気持ちが残る泉美は、目を閉じて深呼吸すると『私達の新しい始まりのために』と決心して、公開ボタンをクリックした。
サービス終了のお知らせがネット上に公開されると、ファンの女性達が次々と落胆した表情を浮かべる。その中に杏奈の姿もあった。『今まで、ありがとう』杏奈は投稿に返信する。『大好き、ありがとう』『素敵なゲームをありがとう』ファンから次々に投稿されるメッセージを読みながら泉美は大粒の涙を流す。

その夜、帰り道で泉美は「これからどうなるんだろう」と不安を口にする。「またここからだって思えば大丈夫」隣で光井は優しく微笑む。泉美の中で、これまでどんな時も隣に居てくれた光井の姿が思い出される。泉美は光井を呼び止め「夢を実現出来たのはあなたがいつも隣に居てくれたから。でもそれが当たり前だと思っていた」「あなたが一緒に歩いて来てくれた事でどれだけ支えられていたか、今はわかる」「これからも側に居てくれる?」と告白する。「もちろんだよ」光井は優しく微笑み、ふたりはキスをした。

【感想】
30代・女性
収まる所に収まったと言うべきか。自分の気持ちを明かした光井は悪くないが、このタイミングは単に泉美が弱っているからとしか思えない。穏やかで互いを尊敬出来る相手はすごく良いとは思うけど、本音を消化しきれていない泉美と航が苦しくなるのも時間の問題だと思う。

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