主演:比嘉愛未
フジテレビ (木曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#06】
遊園地デートに出掛けた航(渡邊圭祐)と泉美(比嘉愛未)はお互いを意識し始める。そんなある日、航は泉美と光井(ディーン・フジオカ)が、自分を一人前の男性に育てられるかどうかで賭けをしていたことを知ってしまう。「どうせあんたの大好きなゲームでもやってるつもりだったんだろ」泉美に対して失望した航は、泉美に怒りをぶつけて部屋を出て行ってしまった。
その夜、杏奈(白石聖)と偶然出会った航は、前向きな杏奈に励まされて泉美を見返すためにも仕事を頑張るしかないと決意する。
翌朝、『ペガサス・インク』には敬語を使いこなして卒なく電話対応をする航の姿があった。泉美が出社すると光井が、新作乙女ゲーム『恋する森の中へ』で物語の途中から投入するキャラクターを社内コンペで決定すると発表した。そして泉美と光井は、「今回はいつものようにキャラクターの設定に合わせてデザインを決めるのではなく、デザイン先行でもいい、自由な発想で考えてほしい」と皆に告げる。真剣に話を聞いていた航は、そのコンペに挑戦することを決め、光井に鋭い視線を向ける。
泉美は、賭けのことを知られ、航を怒らせてしまったと光井に打ち明ける。光井は「きちんと話をするしかない」と泉美にアドバイスした。社長室を後にした光井が航に話しかけようとすると、有栖川(瀬戸利樹)が光井を呼び止める。「アリスに任せておけば問題ないな」光井はそう言って、有栖川の腕をポンポンと叩いた。光井が去った後、光井に触れられた腕を嬉しそうに触れる有栖川に航は気づく。
その後、マリ(佐野ひなこ)に仕事を頼まれた航は渋々社長室へ行く。泉美は「誤解を解きたいの」ときちんと話す時間を設けようとするが、航は「賭けをしたのは事実ですよね」と取り合わなかった。
その夜、有栖川は忘れ物を取りに会社へ戻る。有栖川が資料を鞄に入れて帰ろうとした時、ランタンの灯りがぽわんと点いたり消えたりしている事に気づき、恐る恐る近づく。次の瞬間、ランタンに灯されて目を見開いた人間の顔が浮かび上がった。「うわーーー!!!」叫ぶ有栖川に「俺です、航です」寝袋姿の航は必死に訴えた。今まで住んでいたところに帰れなくなり、会社に泊まるつもりだと航から聞いた有栖川は、仕方なく航を自宅に連れ帰る。
有栖川の部屋は、推しの城模型や兜でいっぱいだった。「推し武将は武田信玄!人を見た目で判断せず、能力を評価したらしい。光井さんみたいだよね」と光井への尊敬が止まらない有栖川の話を航は複雑な思いで聞く。
制作部ではキャラクター作りの仕方が分からない航が「うーーん」と悩み声を上げていた。すると光井が相談役を申し出る。「キャラクターを作るという事は一人の人間を作り出すという事」光井のアドバイスを航は「はい」と素直に聞く。その後、航は意を決して自分の考えたキャラクター設定を光井に見せる。「これだと普通だ」光井からは厳しい答えが返ってきた。その後も航は何度も光井の添削を受ける。光井は「まだ奥行きが足りない」「短所は?人は皆色んな面を持つ多面体なんだ」とアドバイスする。そして「ウチの社長だってそうだ。君が見ている姿が全てではない。その裏側に別の考えや理由があるかもしれない」と言い、光井は賭けの事を謝る。光井は「ゲーム感覚なんかではない」と泉美を庇うが、航は「もういいです」と話を遮った。
その夜、航は光井にマンツーマンでキャラクター設定につき合ってもらっていた事を有栖川に話す。そして泉美と光井の関係性を尋ねると有栖川は、武将の名前を出しながら「お互いに信頼し合う、絶妙なバランス関係」と説明した。翌日、泉美がゲームの修正点を光井に相談すると光井はそれをすぐに理解してスタッフ達に共有した。航が二人の絶妙なやり取りを見ていると、もう一人有栖川も羨望の眼差しを向けていた。
光井が一息入れていると取引先から連絡が入り、杏奈が2つの取引先に間違えた資料を渡してしまった事が判明する。慌てふためくスタッフ達と異なり、泉美は「こういう時のために私がいるの」と杏奈を落ち着かせると、手際よく光井と手分けして取引先へと向かった。
『取り返しのつかない失敗をしてしまった…』落ち込む杏奈に、航はそっと飲み物を差し入れる。「泉美さんみたいになりたいのに全然だ」と言う杏奈に航は「そんなに焦るなよ、ちょっとずつ頑張ろう」と励ます。その夜、有栖川の同居人(従兄弟)が予定より早く出張から戻る事になり、航は予定より早く有栖川の家を出ていくことになった。支度をしていると有栖川が「気持ち伝えた?」と心配して尋ねる。航は「伝える前に自分の気持ちが分からなくなってしまった」「好きだと思ったけど、その相手にがっかりする事があって」と答えた。そして航は「もし好きになった相手が自分の事を見てくれていないと分かったらどうしますか?」と有栖川に尋ねる。諦めるべきか思い続けるべきか…悩む航に有栖川は「諦める必要なんてないんじゃないかな」「つき合う事だけが大切じゃないと思う」「好きな人がこの世にいるってだけで自分の居場所が見つかった気になる」「諦める必要ないし、大切にした方がいい」と優しく答えた。
同じ頃、泉美と光井はBarで資料の取り違いが事なきを得たことに一安心する。「仕事ならいくらでも謝れるのにな」光井の言葉に泉美は深く頷く。『本当は謝りたいのに素直に話しかける事が出来ない』泉美は心の中を光井に言い当てられてはっとする。そして「幼稚園で習っただろ!?ごめんなさいって言葉にして謝ればいい」という光井の言葉に背中を押された泉美は店を後にする。泉美の後ろ姿を見送った光井は「…一番素直じゃないのは俺か」と呟く。
有栖川の家を後にした航は、忘れたスマホを取りに会社へ行く。そこで航は、これまで泉美がしてくれた事の真意に気づいて走り出す。走りながら思い出すのは泉美と過ごした日々。有栖川のアドバイスに背中を押されて航は走り続ける。同じ頃、泉美は航の携帯に電話をするが繋がらなかった。すると泉美は航が寝泊まりしているであろう漫画喫茶を片っ端から探し回る。
泉美が走っていると「泉美さん!」と呼ぶ声がした。泉美が振り返ると道路の反対側に息を切らした航がいる。「ごめんなさい」二人は同じタイミングで頭を下げる。ようやくお互いの気持ちを話す事が出来たふたり。泉美は嬉しそうに鞄から航が買ってくれた犬のぬいぐるみを取り出す。「私が欲しいって言ったの覚えてくれてたんだね、すごく嬉しい」満面の笑みを浮かべる泉美に航も嬉しそうに微笑む。航は急に真面目な顔をして「俺、この数日泉美さんの事がずっと頭に浮かんでた」と話す。「もしかしたら俺、」航が言いかけた瞬間、泉美の携帯が鳴る。泉美は気まずそうにしながらも電話に出る。
杏奈が倒れたという病院からの電話で、泉美と航は病院へ急ぐ。杏奈は過労が原因の貧血だった。泉美は「無理をし過ぎないように」と杏奈を労ると航に家まで送るようタクシー代を渡して去って行った。しっかりした社長に徹した泉美は、病院の廊下で航と杏奈を二人きりにしてしまった事に後ろ髪をひかれる思いがした。
一方、航は杏奈を自宅に送り届ける。部屋の中は、ゲーム関連の参考書であふれていた。杏奈は部屋を片付ける時間も惜しんで、学校の勉強とゲーム業界の勉強をしていたようだ。「頑張り過ぎたんだ」航が優しく言うと杏奈は目にたくさん涙を浮かべて「情けない」「頑張っても上手くいかなくて結果出なくて」と悔しがる。「俺なんて生きる事だけで何も考えてこなかった。それに比べて杏奈は一人で良く頑張ったなって」航の言葉に杏奈は号泣する。
帰宅した泉美は航の「もしかしたら俺」という言葉を思い出しながら『彼はあの時…』と考え込んでいた。
【感想】
30代・女性
怒って泉美を突き放す航の泉美を嫌いになりきれない姿が何とも言えず切ない。分かりあえたふたりの今後を楽しみたい。