主演:比嘉愛未
フジテレビ (木曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#04】
航(渡邊圭祐)の機転もあり、泉美(比嘉愛未)たち『ペガサス・インク』は十蔵(船越英一郎)の会社『ランタン・ホールディングス』から出資を受けられることが決まる。社内の士気が上がる中、特に芽衣(徳永えり)が物凄い勢いで仕事を片付けている。芽衣は早退して推しの2.5次元俳優・三上悠太(仲村宗悟)が出演するミュージカルを見に行く事になっていた。様々な文化に触れる事は自分にも仕事にも良い影響がある、と泉美は推し活を推奨している。
休憩時間、芽衣は杏奈(白石聖)と航に「全公演を見に行く予定だ」と話す。全公演のチケットを取る事が出来たのも日頃から善行を続けて徳を積んでいたからだと勝ち誇る芽衣。杏奈は、その思いに共感し、“推し活”も推奨している『ペガサス・インク』の社風に改めて魅力を感じるが、航は「同じ内容なのに金がもったいない」と芽衣の思いが理解できなかった。
その夜、航は振り込まれた初めての給料を全額引き出してウキウキと帰宅する。特に欲しいものがあるわけでもない航は、泉美に「初めての給料を何に使ったのか」と尋ねる。初めての給料については覚えていない泉美だが、乙女ゲームにはまってからは課金やグッズなどにお金を使うようになり、「推しができてからお金の使い方が変わった」と答える。「お金って何か買ったりご飯を食べたりする為の物でしょ、推しに使うって分からない」と言う航に、「お金の使い道は物質的なものだけではなく、形に残らなくても価値があるものもある」と泉美は説明し、「夢中になれるものが出来たら変わるかもしれない」と言う。『彼が夢中になれる物なんて見つかるのだろうか…』泉美は少し心配になった。
翌日、仕事の合間に泉美は光井(ディーン・フジオカ)と趣味について話をする。「趣味は他人から与えられるものじゃないからなぁ…」光井の言葉に泉美は同感して頭を悩ませる。
オフィスではこの日も芽衣が仕事にいつも以上に集中している。その様子を見た航は、「仕事だけじゃなくてプライベートにも全力になれるって素晴らしい」と言う杏奈の言葉に、やはり共感することが出来なかった。その夜、泉美の家に出前を届けに来た藤井(藤原大祐)に泉美は趣味を尋ねる。「当然、音楽!!」藤井は断言する。そして音楽を聞かないという航に、自身のCDを航に渡そうとするが航は興味を示さなかった。
翌日、泉美が勉強のために休日を利用して舞台やコンサートを見に行くと知った航は、気乗りしないものの泉美に同行することにした。しかし、「何でも体験してみないと」と言ったものの航は舞台もコンサートも居眠りをしてしまう。そんな中、泉美はあるギャラリーで開催されている絵画展に興味を抱いて立ち寄ろうとする。ところが入口の看板を見た航は中に入ろうとせず「俺、お腹がすいた」と言い、二人は食事へと向かう。
レストランの前で、泉美はケント様が扉を開いてエスコートしてくれる妄想を膨らませる。すると航がすっと妄想と同じように扉を開けたので泉美は驚くが航は「マナーで習ったし」と答えた。食事中もそつなくナイフとフォークを使いこなす航の様子に『教えた事はちゃんとマスター出来てる』と泉美は嬉しくなる。中々、これという物を見つけられない航に以前の自分を重ねる泉美。それでも「雷に打たれたみたいに推しは突然出会える」と話す泉美に航は「趣味があるのは余裕がある証拠。家が貧乏だった自分にはそんな事を考える余裕がなかった」と明かす。
ある日、オフィスで芽衣が突然「あ゛ーーー!!!」と発狂し、「誰か私を殺して…」と落ち込んでガンガンと頭を机に打ち付けだす。皆が驚く中、有栖川(瀬戸利樹)が週刊誌の記事にその原因を発見する。芽衣の推しである2.5次元俳優・三上悠太の熱愛がスクープされたのだ。杏奈達は「ツーショットは撮られてない」「きっとガセだ」と励ますが航が「でも相手の女性は妊娠3ヶ月だって」と言ってしまい、芽衣は大ショックを受ける。
光井は航のために様々なジャンルの映画DVDを持ってきて泉美に渡す。その中で泉美と航が休日に一緒に外出していた事実を知り、光井は心中穏やかではない表情を浮かべる。オフィスでは芽衣がようやく正気を取り戻した。しかしまだスクープを受け入れられず、苦労して手に入れた舞台のチケットを破り捨てそうになる芽衣を皆が必死に止める。すると航が「何でそんなに悲しいんですか?熱愛とか関係ないじゃん、どうせ芽衣さんが付き合えるわけじゃないし」と芽衣を失意のどん底に突き落としてしまう。
光井がオフィスにやって来て、杏奈と航にキャラクターの参考資料を集めるよう依頼する。「島に住んでいる男、身長180センチ、シュっとしているけれど筋肉があってスポーツをやっていそう、年齢は20代前半」光井の指示をメモに取り、職業などの細かい設定を質問する杏奈に対して、航は光井の話を聞きながらサラサラとデッサンを描いていく。その様子にマリ(佐野ひなこ)が気づいて「航君って絵描けるの!?」と声を掛けると航はそれを隠すように否定した。しかし幼馴染の杏奈が「中学の時は美術部だったし、コンクールで賞を取ったこともある」と明かす。みんなに「デザイナー目指しなよ」と勧められるが航は「そんなの無理です」と消極的な受け答えをする。そして「別に絵は好きじゃないですから」航は耳を真っ赤にして言うとオフィスから出ていってしまった。杏奈は航を追いかけて、航の過去を勝手に明かした事を謝る。そして「航君の絵が好きだったからまた描いてほしい」と話す。航は同意も否定もすることなく、その場を立ち去るが、泉美は二人の話を偶然聞いていた。
航が屋上へ行くと芽衣がチケットを手に悩んでいた。「行きたいけど行きたくない、諦めたいけど諦められない…どうしたらいいか分からない」「三上様と付き合えるだなんて思ってないし、そういう事じゃない」胸の内を吐露する芽衣に「好きになんてならなければいい」と航は言う。「好きな物があるといつか苦しくなるんですよ」航は遠い目をした。
夜、家のソファで航が考え事をしていると泉美がやって来た。そして「どうして絵を描かなくなったの」と泉美は尋ねる。答えないでいる航に泉美は「理由は聞かないけど、嫌いになったのではないならもう一度始めてみたら」とアドバイスする。「その気はない」航は答えた。そして「高校1年生の時、母親が出ていって父親と二人暮らしになった」と話し始める。父親は一年も経たない内に再婚した。父親は一緒に暮らそうと言ったが、航にはそこに自分の居場所があるとは思えず、田舎から上京したのだった。「東京で何か変わるかなと思ったけど、結局何も変えられなかった」「毎日生きていくだけで精一杯」「絵を描く余裕なんてない」と言う航に泉美は返す言葉がなかった。
翌日、泉美は杏奈をランチに誘う。そして航の過去について話題を振ると杏奈は、堰を切ったように思いを話し出す。高校1年生の終わりに学校を辞めた航と音信不通になった杏奈は航を心配し続けていた。そしてラブ・ペガのケント様を見た時に思わず「航君だ!!」と感激したと言う。「ずっと好きだったから」思わず本音を口にしてしまった杏奈に泉美は「素敵な事よ、応援する」と答えた。
オフィスでは芽衣が芽衣らしくない凡ミスをしていた。有栖川達は「そりゃミスもするよな」と同情する。芽衣の推しだった俳優が引退と結婚を発表したからだ。その様子を航はじっと見つめていた。その後、航は家で泉美と一緒に映画を観る。「切ないね」号泣する泉美に「でもこういう男女の友情ってないよね」と航は冷静に話す。男女の友情はある派の泉美は、自分と光井の関係を例に上げる。そして杏奈はどうなのかと問うと、男女の友情はない派の航は「ただの幼馴染だ」と答える。そして「人でも物でも、好きなものなんてない方が楽だ」遠い目をする航に泉美は「そういう生き方もありだけど、好きな物は人生を輝かせてくれる」とキラキラした表情で嬉しそうに語った。その後、自分の部屋へ行った航はいつも前向きな泉美の事を思い出していた。
会社では、落ち込んだ様子で仕事に取り組む芽衣の姿があった。推しの舞台の千秋楽だというのに芽衣は「もういいの…」と肩を落とす。泉美に「最後かもしれないのに本当に良いの?」と聞かれた芽衣は「こんな気持ちじゃ応援出来ないし、どこか裏切られた気分だ」と明かす。「これまでの時間は無駄だったのかな」と話す芽衣に泉美は「推しがいたからこそ幸せな時間もあったんじゃない!?」と言う。泉美の言葉で、芽衣は気持ちの整理をしていく。「それでも…」芽衣が戸惑うと泉美は芽衣の履歴書を取り出して志望動機を読む。『私は三上さんの沼にハマって、引っ込み思案だった性格が変わりました。今度は私の番です。ゲームで誰かのための沼を作りたいです。そして誰かの人生を最高にハッピーにしたいです』泉美はこれを読み「推しと出会って芽衣ちゃんは居場所を見つけたんだね」と話す。「最後に会って来なよ」泉美に背中を押されて気持ちが前向きになった芽衣だが、「仕事の納期が…」と気にする。その時、陰で二人のやり取りを見ていた航が「行ってください」「俺、まだ何も出来ないけど手伝う事くらいは出来る」と申し出た。それを許可した泉美に芽衣は「ありがとうございます」と頭を下げた。そしてみんなに温かく見送られながら芽衣は笑顔で舞台へと走っていく。
泉美は光井に、航が芽衣の代理をするから指導するようにと指示をする。航も「頑張ります」と頭を下げる。マリに教えてもらいながら航は絵を描く。その様子積極的な様子に泉美も満足そうだった。航は光井に何度もダメ出しされても諦めることなく、根気強く描き直す。投げ出さずに取り組む航の姿にみんなの航への気持ちも変わっていく。そして航自身も、これまで理解出来なかった1ミリ単位にこだわるみんなの言葉の真意を実感していく。そして光井に褒められて航の絵が採用された時、航の中に達成感が生まれる。
帰宅した航は「借りたお金、少しずつ返そうと思って」と泉美に5000円札を差し出す。そして「初めての給料で何を買ったら良いか分からなかったけど」と言いながらショートケーキの入った箱を開けた。「まだ母親が居た頃、父親が給料日になるとケーキを買ってくれた事を思い出した」と話す航。「まだ夢中になれる物か分からないけど、久しぶりに絵を描いたら楽しかった」「これはお礼です」とケーキを泉美に渡した航に泉美は「良い男になってきたじゃん」と笑顔で航の頭を撫でる。「子供扱いするなよ」航が泉美の手を握った瞬間、二人の顔がぐっと近づいて二人はお互いを意識する。
翌日「最高でした。ちゃんとお別れしてきました」芽衣はみんなに感謝する。「三上様はこれからも私の心の中にいる」「彼を好きだった時間は大切にしていきたい」晴れやかな表情で話す芽衣。そして早速新しい推し候補を見つけたと芽衣ははしゃぐ。その後、杏奈は航を夕飯に誘った。そして航は泉美に『杏奈と夕飯食べて帰ります』とメッセージを送る。メッセージを読んだ泉美は、「ずっと好きだったから」と話す杏奈の事が思い出され、複雑な表情を浮かべる。
食事を終えた帰り道、杏奈は「航君、私ずっと会いたかった」「航君の事が好きだったから」と告白する。「えっ」と航は驚く。同じ頃、家でラブ・ペガに興じる泉美だがどうしても航の事が気にかかる。自分が送信したメッセージが既読になっていない事に胸騒ぎを感じるのだった。
【感想】
30代・女性
泉美と航がお互いを意識し始めたいいタイミングで、横槍をいれる杏奈。王道の展開だけど、会社の上司部下の関係な上に「応援する」と泉美が言ってしまった時に、なんて余計な事を…と思った。泉美は自分の気持ちに遠慮してしまうのではないかなと感じる。そこは航がきちんとお断りして、航と泉美がくっついてほしいな。