【推しの王子様】「空から降る残念男子 私が人生変えてみせる 女性社長の決意!!」第1話 感想ネタバレ(主演:比嘉愛未)

2021夏のドラマ一覧

主演:比嘉愛未
フジテレビ (木曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#01】
日高泉美(比嘉愛未)は、乙女ゲームを手がけるベンチャー企業『ペガサス・インク』代表取締役社長。4年前に起業した泉美が最初にリリースした乙女ゲームが、外見から内面まですべてが泉美にとって理想の“推し”であるキャラクター・ケント様と恋に落ちる『ラブ・マイ・ペガサス』だった。このゲームが異例の大ヒットを記録し、泉美は一躍、新進気鋭の経営者としてもてはやされることになった。
真面目で、誰に対しても壁を作らず等身大で接する泉美は、どんなに困難な状況でも絶対に諦めずひたむきに前へ進むタイプで、デザイナーの渡辺芽衣(徳永えり)、プランナーの有栖川遼(瀬戸利樹)、デザイナーの小原マリ(佐野ひなこ)、エンジニアの織野洋一郎(谷恭輔)ら部下からも厚く信頼されている。だがプライベートでは、ここ何年も恋愛をしておらず、もっぱらケント様に夢中。週に1回は必ず、仕事を忘れて『ラブ・マイ・ペガサス』に没頭する日を設けており、その日は近所の中華料理店で働くアルバイトの藤井蓮(藤原大祐)に毎回チャーハンを届けさせている。
テレビ番組では泉美の密着番組が放送され、『ペガサス・インク』の社員達は羨望の眼差しで番組を観ている。一方、有休中の泉美は部屋でひとり『ラブ・マイ・ペガサス』に没頭していた。インタビュー内で「主人公のケント様は私の推しです!!」と公言した通り、部屋にはケント様グッズが溢れている。

SNS上での番組の反響は概ね良かったが、中には『ラブ・マイ・ペガサスはオワコン』というような辛辣なコメントもあった。泉美は批判的な意見も真摯に受け止める。事実、次回作を制作するにあたっての開発資金集めに苦労していたのだ。泉美は経営の多角化を進めている水嶋十蔵(船越英一郎)が代表取締役社長を務める大手アウトドアメーカー『ランタン・ホールディングス』に出資を求めるも、あっさり断られてしまった。『ランタン・ホールディングス』を後にする泉美は、知人のとあるプランナーに出会う。彼は『ランタン・ホールディングス』と提携してゲーム制作をする事を明かす。そして「美人な女社長はメディアに取り上げられやすくていいよな」と嫌味を言って立ち去った。
その後、泉美はもう一つの会社を訪問する。すると社長は、「出資してもいいでしょう」と答えた。ところが、彼は泉美の企画書など読んでおらず、泉美を食事やゴルフに誘う。泉美は悔しさを隠しながら、出資を断った。

その夜、光井と飲みに出かけた泉美。思わず愚痴ってしまう泉美はいつものように光井の言葉に励まされる。光井と別れ、帰路につく泉美。今の状況は辛いものの、以前の自分と比べれば幸せだと泉美は思う。起業する前の泉美は、保険会社に勤務し、夢もやりたいこともなく退屈な日々を送っていた。そんな時、友人から乙女ゲームの存在を教えられ、何気なくプレイを始めたところ一瞬で心を奪われた。泉美は、人生で初めて“生きがい”と呼べるものを見つけたのだ。乙女ゲームに夢中になるあまり、ゲーム会社へ転職した泉美は、そこで出会ったトップクリエーターの光井倫久(ディーン・フジオカ)とともに、最高の乙女ゲームを一から作り上げるために起業することを決意した。そしてケント様が誕生した。『きっと大丈夫。次も上手くいく』泉美は自分に言い聞かせる。
その時、泉美の頭上で「てめぇ待ちやがれ」「逃さねぇぞ」と物騒な声がして泉美は上を見上げる。次の瞬間、建物の2階から若い男性が飛び降りた。その様子はゲームの中で空から降るケント様のようで…。地面に転がって痛がる男性に泉美は「大丈夫ですか?」と声をかける。男性の顔を見た泉美は息を飲み思わず「ケント様」と呟いた。男は追手から逃れるため、咄嗟に泉美を抱き寄せる。「何するのよ!?」と怒る泉美をよそに男は追手が去ったことを確認すると無言のまま立ち去った。泉美が「ちょっと待ちなさいよ!!」と男に向かって声を上げた瞬間、今度は泉美が倒れてしまった。男は仕方ないと言う感じで泉美の元へ戻った。

翌朝、泉美が目を覚ますと隣りにケント様が寝ている。「いや、違う!」泉美は正気に戻ると昨夜のことを思い出す。光井と飲み、男が降ってきた…今自分はキャミソール姿だけど何があったか思い出せない…。『やっぱりケント様に似てる』うっとりと男の寝顔を見つめてしまう泉美。すると男が目を覚まし、泉美は真相を確認する。男は「昨夜、酔って道に倒れたあなたを免許証の住所を頼りに家へ連れて来た」「ベッドに横たわらせて帰ろうとしたところ、『ケント様…側に居て…』と言い寄られた」「誘ってきたのはそっちだろ」と言う。
男は特に問題ないといった様子で「お腹すいた」と勝手に冷蔵庫を開けて、ソーセージに齧りつくとアイスコーヒーを飲み出す。『何なの!?コイツ、顔はケント様なのに』と泉美は呆れながらも、二人分のコーヒーを淹れてくれるケント様に脳内変換してしまう。そして男のワガママな態度に文句を言いながらも泉美は世話を焼いてしまう。その時、男がケント様のフィギュアを手に取る。泉美が「大切なものなの!触らないで」と取り上げようとした瞬間、フィギュアが床に落ちてしまった。男の「大袈裟だな、ただのおもちゃくらいだろ」と言う言葉に「もう出て行って!!」泉美は感情的に怒鳴った。
泉美は気分が落ち込んだまま出勤する。思い出されるのは、あのサイテー男。思わずSNS上に『ペガサスのケント様に激似の男と遭遇!だけどサイテーな奴だったぁぁぁ』と呟く。瞬時に『会ってみたい!うらやま』『でもクズ野郎だったんなら、マジぴえん』と返信が届き、泉美の心は少し軽くなる。そしてペガサスファンの一人である大学生・古河杏奈(白石聖)も『リアルケント様!?』と心躍らせ、『どこで遭遇したんですか?』と返信する。

『ペガサス・インク』社では全員で会議が始まった。泉美は4年前『ラブ・マイ・ペガサス』制作に取り組んでいた頃を思い出す。光井の「まずは社長がときめかなくちゃ」と言う言葉の元、細部までこだわってケント様を創り上げていく。大変な作業ではあるが泉美を始め、皆がキラキラした気持ちでいた。「ただの乙女ゲームじゃない!」泉美は自身を鼓舞するともう一度『ランタン・ホールディングス』社へ掛け合うことを決心する。
一方、男(渡邊圭祐)は会社の清掃をしていた。契約を解除されたと言う同僚から「夢なんて持たない方がいいよ」と投げやりに助言された男は「ありませんよ、そんなもの」と答える。男の手にはギュッと力が籠もっていた。その後、男が床掃除をしていると泉美が現れスタスタと通り過ぎて行く。そして社長・水嶋(船越英一郎)に「御社にメリットをもたらすと約束します」と頭を下げた。水嶋からメリットとは何か尋ねられた泉美は「ターゲット層の拡大やコラボグッズ…」と説明し始める。ところが思い直した様子で「弊社のゲームは人を幸せに出来る力がある」「乙女ゲームは単なるゲームではありません。人生を豊かにすることが出来ます」「推しが生きる力をくれます」と話す。脳裏には、自分達の推しについて生き生きと話す会社のメンバー達の姿が浮かぶ。「単なるゲームだなんて言わないでください」泉美は頭を下げた。そしてその様子をそっと見ていた男(渡邊圭祐)は「大袈裟だな…」と言ってしまったことを思い出す。部下に促されて水嶋は無言で立ち去ってしまった。しかし、水嶋は「もう一度企画書が読みたくなった。準備してくれ」と部下に指示した。

夜、男(渡邊圭祐)が道を歩いていると、一人の若者が路上ライブをしていた。「夢はメジャー・デビューです」観客に話す若者を見た男は「夢って…」と諦めにも似た表情で吐き捨てる。一方、泉美も落ち込んだ様子で帰宅する。すると友人・理香子から電話がかかってきた。テレビを見たという理香子は、泉美のことを「始めて乙女ゲームした時みたいにキラキラしてる」と褒めた。理香子は泉美に乙女ゲームを勧めた張本人だった。電話を切った後、泉美はふと違う人生を選んでいたら…と考える。
同じ頃、男(渡邊圭祐)はネットカフェに居た。個室には洗濯物や歯ブラシがあり、自宅代わりにしているようだ。カップラーメンをすすりながら仕事を探していると一件のメッセージが届く。『最後通告。このまま返済がない場合、口座凍結、ネットに個人情報を掲載します』その前に何度も警告の連絡が来ていたが全部無視しているようだ。その時、男は昼間泉美が水嶋に「人生を変えることが出来るんです」と言っていたことを思い出した。

翌日、泉美のオフィスに男(渡邊圭祐)がやって来て、「何でもやるから雇ってくれ」と言う。泉美が「お引取りください!!」とキツく言うと男は「引き取るって何を?」と答える。「帰れって事でしょ」「だったら最初からそう言えばいい」「そうしたら失礼でしょ」「結局失礼なこと言ってるじゃん」ふたりのやり取りを光井は微笑ましく見ていた。社長室から追い出された男は、企画を練って話し合っている社員達が気になった。そして社員達のキラキラとした様子に吸い寄せられるように男はその場から動くことが出来なかった。その頃、社長室では光井が「彼、面白いじゃん。雇ってあげれば」と進言する。泉美は男が置いていった履歴書を見ながら「五十嵐航?」「学歴、正社員歴ナシ。住所なんてネットカフェだよ」と反論する。すると光井は7年前、泉美が保険会社から転職してきた時の事を話す。
経理部で働いていた泉美は、ある日光井に「私の推しを生み出してくれてありがとうございます」と話しかけた。それから推しについて話しが止まらなくなる泉美を光井は驚きながらも好意的に受け入れた。しばらくして、光井は新作ゲームの試作について「プレイして率直に意見をもらいたい」と泉美に依頼した。泉美から感想や意見をもらう状態が1年程続いたある日、光井は「日高さんとなら新しい世界を創れる気がする」「俺と一緒に乙女ゲームの会社やらない?」と泉美に提案した。「何の経験もない」と断る泉美を光井は説得した。
「俺達も何もないところから始めた」「彼も始めたらいいんじゃない、ここで」「育てればいいんだよ、理想の王子様に」光井の言葉に背中を押されながらも泉美は航(渡邊圭祐)の採用を拒む。その夜、帰宅途中に泉美は航が男達にボコボコに殴られている現場を目撃する。一度は見ぬふりをして通り過ぎようとするも放っておけず「警察呼びますよ!」と助け舟を出す。男達は「金を返さないから悪いんだ」と言う。泉美が「借金っていくらなのよ。100万?200万?」と問うと男達は「10万」と答える。拍子抜けした泉美は、手元にあった10万を男達に差し出す。航は「余計なことするな」と言うが泉美は「黙ってなさい!」と引かなかった。
その後、泉美は航を自宅に連れて帰って傷を手当し、出前を取ってあげた。航の泉美に対する態度は相変わらずで、『品もない、言葉遣いもマナーもなってない…』と泉美は呆れる。航は「俺、バカだから携帯の金払えなくてSNSの業者に1万借りた」「そしたらあっという間に10万に膨れ上がった」と明かす。「そんなの違法よ」泉美は指摘したが「こっちは毎日生きるのに必死なんだよ」と航は反論する。そんな中、航は「あんたの会社…楽しそうだった…文化祭みたいで」とぼそっと言う。泉美は「あなたには夢とかないの」と尋ねる。「あるわけねぇじゃん、何やっても上手くいかない」「人生始まる前から終わってる」航はぶっきらぼうに答える。それでも「あなたにも輝ける場所があるはず」と泉美が言い終わる前に「ないよ!!!」航は厳しい口調で遮った。「夢なんか持つだけ無駄なんだ」諦めたように言う航。「あんたの言った意味を知りたくて会社に行った」「悪かった」と航は会社を突然訪問したことと、ケント様フィギュアをただのおもちゃと言ったことを謝罪した。「金は必ず返す」泉美の部屋を出ていく航はいつもと違って少し素直だった。
部屋でひとり泉美は、乙女ゲームに出会えたから私の人生が動き出したのだと改めて思う。そして何もかもを諦めている航の目を思い出す。『彼は…あの頃の私だ!!』泉美は思い立つと、航の寝泊まりしているネットカフェへ向かった。そして航の腕を掴んで強引に外へ連れ出す。そして「あなたの時間を私に預けてくれない?」「私があなたを一人前の男に育てる」「あなたの居場所を用意するから」「私があなたの人生を変えてみせる!」と宣言した。
早速、泉美は航をブティックや美容室へ連れて行く。「完璧」泉美の心の声が思わず溢れる。航は泉美に「あんたに借りた10万」「たった…じゃねぇから、10万はたった10万なんかじゃない。それだけ覚えておいてほしい」と言った。その後、オフィスへ行った泉美は社員達に航を紹介する。皆が「ケント…さま…」と驚き、光井は「あの子かぁ」と感心する。泉美は航を外見も内面も上等な、サイコーの王子様に育てようと心に誓った。

【感想】
30代・女性
面白かった。ファンタジー要素が多いのかなと予想していたが、航の闇や感情がリアルだった。好きなものに全力なペガサス・インク社の皆からも前向きな気持ちをもらえそう。航の過去を知っているであろう古河と不敵な笑みを浮かべていた水嶋が、どんな邪魔?をしてくるのか気になる。

←まとめはこちら     2話はこちら→