主演:松岡昌宏
WOWOW (日曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#02】
「斎藤!行くな」
組織には極秘で捜査をしていた佐良正輝(松岡昌宏)、皆口菜子(泉里香)、斎藤康太(戸塚祥太)の三人。アジトに銃声が響くと斎藤は佐良の制止を聞かずに走り出す。佐良はすぐに斎藤の後を追いかけたが、佐良が斎藤を発見した時、斎藤は大量出血をしており佐良の目の前で息絶えた。遅れてやって来た皆口は「私のせいだ」と震えた。
それから数年、警視庁人事一課監察係に異動となっていた佐良は、皆口が免許証データを密売しているという密告を調べる事になる。
怪しげなBarで情報屋の佐々木という赤いパーカーの男と密会する皆口。皆口は佐々木に、目白駅殺人事件の捜査資料を差し出し「これで私も後戻り出来なくなりました」とタバコの火を消す。佐々木は「大丈夫です。秘密は守ります」と答える。皆口は佐々木に「気をつけて下さい。一歩間違えればまた人が死にます」と忠告した。
Barの外で待ち伏せしていた佐良は、皆口が店から出て行った事を確認すると店の中へと入る。佐良は佐々木に背を向けて座った。佐良がこっそりと振り向くと佐々木の隣にある灰皿には、口紅がついた吸い殻があった。
翌日、須賀透(池田鉄洋)にこの事を報告した佐良は、須賀から「外堀を埋められる知り合いはいるか?」と尋ねられる。「事前監察中である事を悟られるなよ」須賀は、黙ったままの佐良にそう言い残すと別行動を始めた。
佐良は、早稲田署生活安全課・夏木麻美(秋元才加)に会いに行く。佐良はそれとなく皆口の近況を尋ねるが、夏木は「皆口が捜査情報を漏らしたせいで斎藤が死んだと思っているんでしょう。婚約者の葬式で涙一つ流さない怖い女だと皆が言っている」と鋭い返答をする。佐良が黙っていると「皆口は新しい職場にも慣れて、元気にしていますよ」と続けた。佐良は「それなら新しい彼氏でも出来たかな」と言うと途端に夏木は「そんなわけないじゃないですか」と語気を強める。そして「佐良さんも変わりましたね。前とは別人みたいです」と言った。
ー7年前 池袋西署ー
署長・梶原武治(甲本雅裕)は「今回の潜入捜査は本庁も注目している。しっかり頼んだぞ」と署員達に声をかける。そして佐良が依頼した応援要員としてやって来たのが、交通課の夏木と皆口だった。佐良の先輩・宇田邦弘(三浦誠己)は夏木と、佐良は皆口とコンビを組んで、とあるBarに潜入する。そこで皆口は佐良に「捜査畑に行きたい」と打ち明け、佐良は「ならば手柄を上げる事だ」と答えた。
佐良はタイミングを見計らって、バーテンダーの男に「氷をくれ」と話す。それは薬物の隠語で、佐良は男と店の奥へと入っていく。薬物を受け取った佐良が警察手帳を見せると、男は佐良を突き飛ばして奥の部屋へ入る。するとそこへ皆口がやって来て、男のいる部屋へと入っていった。しかしその部屋は外から開ける事が出来ない構造になっており、皆口は屈強な男と二人きりになってしまった。体格的に皆口の敵う相手ではない。それでも皆口は鼻血を出しながら果敢に男に挑む。ようやく佐良が扉をこじ開け、佐良は皆口を男から引き離して夏木に預け、自身は男を取り押さえた。夏木におさえられながらも尚も男に立ち向かおうと牙を向く皆口の様子を、佐良は今でも鮮明に覚えていた。
仕事を終えた皆口がいつものようにバス停の列に並ぶ。すると皆口の携帯が鳴る。『今日、佐良さんがわざわざ会いに来た。皆口が最近どうしてるかって』夏木からのメッセージだった。皆口は疑うように周囲を見渡した。須賀は「何かあったな」と言う。そしてバスに乗らなかった皆口を見て「お前が会いに来たと連絡がいったな」と確信すると車を降りた。その後、周囲を警戒しながら帰宅する皆口を須賀は尾行する。皆口は、尾行者を割り出そうと行動するが、須賀は服を変え人相を変え皆口の想像を超える行動をする。
皆口は喫茶店に入り、佐良も合流する。喫茶店にやって来たのは、宇田だった。「油断するな」須賀の忠告通り、宇田の到着と間髪あけずに石黒(木村祐一)がやって来た。石黒は3年前まで高井戸南署のマル暴だった。組とトラブルになり既に退職しているという。宇田は皆口に茶封筒を手渡し、その様子を少し離れた席から石黒が見ている。宇田と皆口が店を出ると、皆口を須賀が、宇田を佐良が尾行する。すると石黒が急いだ様子で店から出てきて宇田を追うように進んでいく。
宇田は真っ直ぐ帰宅した。そしてその様子をこっそり確認する石黒の姿を佐良は目撃する。皆口のマンション近くで佐良と須賀は合流する。須賀は「皆口は尾行を気にする様子はなかったが、目白駅のホームで終電まで乗降客を洗うような素振りを見せた」と報告する。佐良は皆口の行動に心当たりがあった。胸ポケットから一枚の似顔絵を取り出す。それは未解決事件の犯人像。「事件当時、自分と皆口、宇田さんも同じ所轄の刑事課でした」佐良は話す。
現場に捜査一課・新穂昭人(ブラザートム)がやって来た。佐良と皆口は防犯カメラの映像を新穂に見せる。駅のホームで犯人の男とサラリーマン風の男性が揉み合っている。男性は男に突き飛ばされて床に倒れる。すると仲裁するように若い男性が間に入った。男の矛先が若い男性に向かい、若い男性は男に顔を殴られて床に倒れる。次の瞬間、男は若い男性の左脇腹をナイフで刺した。突然の出来事で、目撃者も少なかった。そこへ宇田が合流する。宇田は言葉に詰まりながら「男性には出産間近の妻がおり、子供の誕生を楽しみにしていたと…」と報告する。宇田は「絶対にこのホシを上げる」と力強く宣言した。
人事一課に戻った須賀と佐良は、監察官・能馬慶一郎(仲村トオル)に報告する。可能性は、情報屋佐々木の線と元同僚宇田の線。石黒は今も反社会と繋がりがあり、データを金に変える等共犯の可能性がある。しかし、石黒は宇田の動向を探っている様子も見られる。「まずは現職である、皆口と宇田を探れ」能馬は指示する。すると佐良は「佐々木に口を割らせれば良いのでは」と提案する。佐良が「宇田さんは真面目を絵に描いたような人だ。彼が不正をするとは…」と言うと能馬は「そうやって人を信じた結果、君の周りに何が起こった!?」「君のその甘さが仲間を死なせた、違いますか」と冷静に告げ、佐良は堪らず部屋を後にする。
「よりによってお前の案件とはな」鑑識課員・北澤勝俊(眞島秀和)は悪態をつく。佐良は「能馬監察官からの指示だ」と言って、皆口についての密告書を渡すと指紋等の検出を依頼する。密告文書を見た北澤は「何だよ、これ!?」と驚く。そして「こんなの調べる必要ない。皆口はそんな事する奴じゃない!ってあの能面野郎(能馬)に言ってやれば良いだけじゃないか」と北澤は憤るが、佐良は何も言わずに立ち去ろうとする。「仲間を信じてやらないのかよ」北澤が佐良の胸ぐらを掴むと佐良は「これが今の俺の仕事だ、誰だろうと関係ない」と答える。「裏切り者だ、やっぱりテメーが死ねばよかったんだ」北澤の言葉に佐良は頷くと「あぁ、俺もそう思う」と言った。
ー池袋西署ー
佐良は、道路課技術員室を訪ねる。誰もいない室内には、目白駅殺人事件に関する記事が所狭しといくつも貼られている。少しして新穂がやって来た。新穂は進展はないものの今でも事件を捜査していた。事件から5年経ち、作り直した犯人の似顔絵を佐良に見せる。「定年間近の意地だ」と新穂は言う。新穂は当時、遺族担当を熱心にしていた宇田について「あいつにも産まれて間もない娘がいたから、一行に進展しない捜査に一番心を痛めていたのは宇田かもな」と話す。
佐良は5年前を思い出す。佐良と皆口が署に戻ると、ドン…ドン…という音が響いている。何の音か尋ねる佐良に、署長は「武者(宇田)だよ」と答える。捜査が進まない苛立ちから宇田が自身のロッカーを殴り続けている。宇田の拳は血に染まっていた。
「あいつは誰よりも真面目だから梶原署長が手元に置いているんだろう」新穂は言う。梶原が高井戸南署へ行く時、宇田も一緒に異動になっていたのだ。その時「まさか…宇田が監察対象なのか!?」新穂が驚く。「だとしたら自分が担当になると思いますか?」佐良は誤魔化す。「天下の人一さんと話すのは緊張するな」新穂は茶化したが、その目は何かを察しているようだった。帰り際、新穂は「最近皆口もここへ来た」と明かす。皆口は試験場に異動してからも度々新穂の元を訪れていた。「俺にはあいつの心の中は分からないが、お前なら分かるんじゃないか?会ってやれよ」と新穂は言った。
佐良が車に戻ると、皆口から連絡が入る。皆口は「今夜お時間頂けますか」とお願いした。佐良がこれを須賀に報告すると「断れたはずだ。マルタイと接触するのは異例だ」と咎める。しかし佐良は「皆口や宇田さんの周辺を伺う機会だ」と言って聞かなかった。その直後に能馬から連絡が入る。佐良が電話に出ると能馬は「失敗したら即刻腹をくくってもらう。殉職者を出した君は執行猶予中だ」と言って一方的に電話を切った。
佐良が宇田の監察中、佐良の視界を遮るように一台の車が停車した。それは情報屋佐々木の廃品回収車だった。そして佐々木は望遠レンズのついたカメラを宇田の方へ向ける。宇田が車を運転し始めるとその後に佐々木、佐良と続く。宇田の車は海釣り禁止の防波堤へとやって来た。佐良が車を降りるとカメラを構える佐々木の姿を発見する。カメラの先には釣りの支度をする宇田の姿があった。その時、皆口から佐良に電話がかかってくる。「まだ抜けられない」と佐良が話すと皆口は「誰かを行確中ですか?」と鋭い質問をする。そして皆口は「どうせこちらは暇なので待ちます」と答えた。
少ししてずっとカメラを構えていた佐々木が暗影に移動した。佐良は立ち小便をしている佐々木に「警察だ」と声をかける。「勘弁してくださいよ」と言う佐々木に佐良は皆口の名前を出すが、佐々木は中々口を割らない。佐々木に「バッチを見せろ」と言われて佐良は警察手帳を出した。佐良の名前を見た佐々木は「佐良…あんた斎藤さんの上にいた人だろ?」と言った。
宇田は夜釣りをしている。佐良は人気のない場所に佐々木を連れて行く。佐々木は、斎藤に使われていたと白状する。足立北署の警備課に居た頃からの付き合いだという。「俺みたいなのにも対等にしてくれて、随分世話になった」佐々木は言う。そして皆口との出会いについて佐々木は「この夏、斎藤さんの命日で。明け方こっそり墓参りに行ったらもう一人で墓石の前に座っていた」と明かす。佐良は「あの人(宇田)を付けているのは皆口に依頼されてか?」「皆口はなぜ探っている?」と矢継ぎ早に問うが佐々木は答えない。「協力すれば皆口の倍払う」佐良の言葉に佐々木の表情が変わった。そして「俺はチンケな情報屋だよ。でも金だけで動くような人間じゃない」「斎藤さんへの恩返しのつもりで手伝っているだけだ」と苛立ちを露わにした。
その場を立ち去ろうとする佐々木に佐良は「あの時のネタ元もあんたなのか?」と尋ねる。「例のアレだよ」と佐良が言っても佐々木は「あの時?」「何の事ですか?斎藤さんが死んだ事と関係あるんですか?」と心当たりがない様子だった。「そのうちはっきりさせてやる」佐良はそう言い残して立ち去る。佐良が居ない事を確認すると佐々木は「すいません、下手うちました」とどこかへ電話した。
佐良は皆口との約束の店へやって来た。入口でため息をつく佐良。ふと気づくといつの間にか隣に無言の須賀が立っていた。店に入ると待っていた皆口が佐良のコートに気づく。それは『捜一の刑事なら機能性も見た目も大事だ』と斎藤から勧められて買ったものだった。「私もまだ使ってます」皆口は斎藤からプレゼントされたストールを愛おしそうになでた。佐良が「タバコ嫌いなんじゃないのか?」と尋ねると皆口は無言のまま灰皿とタバコを端に避けた。当たり障りのない会話をする中で佐良は「新穂さんの所に行っているんだろ?」と切り出す。皆口は「佐良さんの真似ですよ。いつ犯人とすれ違うか分からないからアンテナを張っている」と答える。「手柄を立てて捜査畑に戻りたいのか?」と聞かれた皆口は「それもある」と答える。それ以外の理由を問われた皆口は、しばらく言い難そうにしたが「願掛けですよ」「今のヤマを解決すれば、自分が離れてしまった未解決のヤマも解決する。そう願掛けして目の前の事を精一杯するしかないという彼の願掛けですよ」と答える。
「佐良さん、私のこと行確してますよね!?」皆口の鋭い視線が佐良に向けられる。佐良は「近い人間は担当にならない」と首を横に振るが、皆口は「でも私の事、一番洗いたいの佐良さんですよね」と続ける。皆口は、「捜査一課から人事一課は栄転だ」「自分だけが試験場に飛ばされたのだから、上は自分だけを疑っている」と言う。何も反応しない佐良に皆口は「佐良さんが私を疑っているのか確かめておきたかった」と言い「極秘捜査失敗の原因は何だったと思っているのですか」と問う。佐良は「あれからずっと考えている」と答える。皆口は「私が漏らしていないとなると裏切り者は佐良さんって事になりますよね」「佐良さんが漏らしていない確証はない」と口調が強まる。強く否定した佐良に「だから疑ってくれて良いんです。私も同じだから」「信じてません、佐良さんの事」と反論した。険悪な雰囲気になったにも関わらず、次の酒を勧める皆口に佐良は、別の意味での怖さを感じる。
一方、佐々木は宇田の張り込みを続けていた。すると一人の男が宇田に近づき、宇田は茶封筒を男に渡した。赤ら顔の男は吸っていたタバコを投げ捨てて歩き去るとすぐに宇田も車で走り去った。驚いた佐々木は、車内に戻ると皆口から受け取った捜査資料を確認する。宇田から封筒を受け取った男は、新穂が作成した犯人の似顔絵にそっくりだった。
皆口は帰宅するとそっと部屋の外を確認してから電気をつける。部屋には、斎藤との写真、斎藤のタバコと時計が飾られている。すると佐々木から皆口に連絡が入る。「見つけましたよ、あの男」「宇田って人と知り合いみたいでした」「職場の住所を後で送ります」と言う佐々木に皆口は「まだこの事を誰にも言わないでください」と念押しした。電話を切った佐々木は、携帯電話でメッセージを送ろうとしている。その時、佐々木は背後から何者かに口を塞がれてしまった。
【感想】
30代・女性
本音の探り合いでドキドキする。皆口は、目白駅の未解決事件を探る事で斎藤の事件の真相を突き止めようとしている事が分かった。葬儀で涙一つ流さなかったと噂されているが、部屋の写真やストールから皆口の斎藤への深い愛情を感じる。反対に正義感溢れる宇田が犯人と接触しているとはどういう意図なのだろう?ホシを上げて出世するために仕組まれた事件とかだったら嫌だな。
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