主演:藤木直人
WOWOW (土曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#01】
ーー時々、ふと考える この世界は虚構に過ぎないのではないかと…例えば悪魔が創り出した偽物の世界 仮面を被った偽りの登場人物達ー
ー全てが一吹きで崩れ落ちる、脆く、儚いーー
財前彰太(藤木直人)は、妻・由布子(吉瀬美智子)と娘・美華(服部樹咲)のバレエ発表を鑑賞しながらそう考えた。
後日、財前家には美華の友人達が集まり、発表会の打ち上げと称した女子会が開かれている。友人は美華がバレエを辞めてしまう事を残念がるが、美華は「新しい可能性を見つけたい」と辞める意思が固いようだ。そこへ彰太が帰宅する。由布子が彰太に「バレエを辞める気持ちが強いみたい」と残念そうに話すが、彰太は「美華には美華の考えがあるんだろう」と寛大に受け入れた。美華の友人達に誘われて、彰太が乾杯の席に加わろうとした時、20代女性の誘拐事件が歌舞伎町で発生したとテレビニュースが流れてきた。『被害者の自宅に女性が着用していたワンピースの切れ端が送りつけられる』という犯行手口に彰太はテレビに釘付けとなる。
彰太は適当な理由をつけて自室へ行くとすぐにパソコンでこの誘拐事件について検索する。『似ている…』彰太の脳裏に、岸本刑事(飯田基祐)と谷岡総一郎(酒向芳)の顔が浮かんだ。『もし…あの時の犯人がまた動き出したのだとしたら…』『巡って来るのだろうか…あの罪の報いが…』彰太は、愛する妻子の笑顔を見ながら不安に駆られる。
この日も彰太は敏腕ぶりを発揮し、部下達に的確な指示を出しながら仕事をこなしている。社長室でひとり、彰太は振り返る。小さな時計店を今の大企業に成長させた自負、可愛くて聡明な娘に美しい妻を。そして例の歌舞伎町誘拐事件の続報を調べた彰太は、切り刻まれた下着が送られてきたという続報に息をのむ。一方、由布子はヨガ仲間の友人に連れられて流雲寺というお寺にやって来た。本堂では、若院(三宅健)が因果応報について説法をしている所だった。すると後ろから大黒(財前直見)に「心が晴れますよ」と声を掛けられ、由布子は【瞑想の会】のチラシを受け取った。
彰太はかつての恩人である八木之典(杉本哲太)を訪ねる。世間話の中で彰太は、「娘が難しい年頃になった」と愚痴をこぼす。家には美華が自室に籠もって携帯を見ている。バレエを辞めた美華からは以前のようなオーラが消え、美華は自分の髪を毟るような行動を取っていた。
彰太は八木に興信所時代の変わった依頼について、思い出すことがあると明かす。
ー18年前ー
興信所で働く彰太は、ペット探しの依頼に対してペットショップで購入して適当に解決したことを八木に報告する。そして「適当に報告をでっち上げて終わりにする、八木さんから教わった事です」悪びれずに話す彰太。八木はこれから訪問して来る男の依頼を聞くようにと指示する。そして「引き受けるも断るも自由に決めていい」と言って八木は出掛けて行った。その後、谷岡総一郎(酒向芳)がやって来て、「娘を誘拐した犯人を見つけてほしい」と言う。谷岡は、犯人が娘のワンピースの切れ端を、次に切り刻んだ下着を、そして剥がした爪を送りつけてきたと話す。彰太は慌てて「それは警察に」と断るが、谷岡は「あいつら(警察)は何も動かない」「そして娘は2年前に自力で犯人の元から逃げ出し、戻ってきた」と続ける。
社長室のテレビで彰太は歌舞伎町誘拐事件の犯人が、剥がされた爪を送ってきたと伝えるニュースを見ながら『何もかもが18年前に聞いた事件に似過ぎている』と考える。
谷岡は「先日、犯人が青山霊園で景色の写真を撮っていたのを娘が目撃したらしい」と明かす。【漆黒の切り裂き魔】犯人は自らそう名乗っていた。『犯人を見つけたらこの男(谷岡)は犯人を殺すだろう』そう思った彰太は、この事件に興味を持った。
一方、学校から帰宅した美華は、話しかけてくる由布子を疎ましく感じ反抗的な態度を取って自室へと入って行く。そんな娘の様子に由布子は戸惑いを隠せないでいる。
彰太のパーティー会場に岸本刑事(飯田基祐)がやって来た。「あれから18年、随分とご立派になられて」と岸本は言う。そして二人はビジネスライクな対応をしながらも岸本は「私は諦めていませんから、それだけ伝えに来ました」「本当は付きっ切りで捜査したいのですが、誘拐事件が世間を賑わせているでしょう」と意味深な言葉を残して去って行った。その後、彰太は「ビジネスオブザイヤーという権威ある賞を光栄に思う」と挨拶をする。財前コーポレーション専務・田部井 克則(板尾創路)は「自分と社長を出会わせてくれた」と八木に感謝し、八木は彰太からの出資のお陰で経営するビジネススクールが回復したと謙遜する。彰太がパーティー会場の外で落ち込む由布子に気がついた。由布子は、「些細な事で美華と大喧嘩になってしまった」「何かあったのだろうけど、何を考えているか分からない」と困惑を口にする。するとそこへ八木がやって来た。八木に挨拶する由布子は、気まずそうな表情を浮かべる。
由布子は、彰太が働く八木興信所の調査対象だったのだ。ある日「人の幸せを踏みにじるなんて、あなた達に何の権利があるんですか!」物凄い剣幕で由布子が興信所に乗り込んできた。それが由布子と彰太の出会いだった。由布子は、八木興信所に婚約者にデマを報告したせいで破断になったと訴える。彰太が「我々の仕事は事実を伝える事だ。だから問題があったのはあなたの方だ」と反論すると由布子は彰太の頬をビンタした。その時、彰太は由布子について『今まで会った事のない種類の人間だ』と感じた。気が強く、なのにどこか淋しげ。それから数ヶ月後、彰太は道端に座り込む由布子と再会する。失恋の傷が癒えない傷心に漬け込むのは卑怯、そう分かっていても彰太は由布子を求めずにはいられなかった。その後、由布子の妊娠が判明し、二人は結婚を誓う。
ところが、由布子の両親が二人の結婚に反対した。由布子の父は「君が働く興信所より信頼出来る興信所で調べた」と父を亡くした後、母は男を作って彰太を捨てた事を述べる。そして大学を中退した彰太に対して「呆れた」と言い放つ。由布子の母も「由布子も由布子よ。よりによってこんな当てつけみたいな事」と嫌味を言った。彰太は「由布子とお腹の子供のために生まれ変わる」「そのために少し時間がほしい」と話した。
そして彰太が向かったのは、叔父・出島文雄(宅麻伸)が営む時計店。彰太は「心を入れ替えたい。この時計店を継がせてください」と頭を下げる。出島は「やっとその気になってくれたか……と言うとでも思ったか」と厳しい表情を浮かべ「私の12億の財産はびた一文たりともやらん」と告げ、「早く帰れ!!」と彰太を怒鳴りつけた。
仕事も家族も何一つ手が届かない…絶望する彰太の元へ谷岡から電話が掛かってきた。喫茶店で落ち合った彰太は、谷岡に調査について途中経過を報告するが、谷岡は犯人特定だけを望んでいると急かす。犯人を殺すつもりなのかと心配する彰太に「将来、子供が出来た時に分かるだろう、私のこの行き場のない感情が」と谷岡は震えた。
同じ頃、由布子は子供を堕ろすよう両親に迫られており、「もう時間がないの」と彰太に告げる。彰太は再び出島に頭を下げに行く。しかし、出島の態度は変わらず。ついに彰太はある賭けに出てしまった。出島が接客をしている隙に、女性物の布地の切れ端や化粧道具をそっと出島の部屋に隠した。そして、出島の家に目撃情報と同じカメラや女性物の布地の切れ端、化粧道具があったと嘘の調査報告書を作成した。上司・八木には、犯人特定には至らなかったとダミーの報告書を提出し、谷岡には出島が犯人だという嘘の報告書を郵送した。そして谷岡が出島に手を下すのを待った。
数日後、出島時計店には警察の規制線が貼られ、中から出島の遺体が運び出される。そして岸本刑事が店の中から出てきた。野次馬に紛れてその様子を見ていた彰太は『賭けに勝った』と思った。そして依頼人の谷岡とはそれ以来会っていない。一度、谷岡の自宅に様子を見に行ったが郵便受けにチラシが詰め込まれており、人が住んでいる様子はなかった。
出島殺害の犯人は今も捕まっておらず、彰太は谷岡が上手くやったのだと考えた。その後、彰太は八木興信所を辞めて出島の稼業を継ぐと八木に告げる。すると八木も興信所を畳んで本業のビジネススクールに力を入れると明かした。谷岡から予想外に多額の報酬が振り込まれたのだという。出島の部下だった権田穣(大澄賢也)に彰太は「後ろを見るのは止めませんか、僕が事業を成功させることが叔父さんへの恩返しになるはずです」と言う。そして権田は彰太の秘書となった。
由布子はヨガ仲間の友人に【瞑想の会】に参加したいと告げる。美華は鮮やかな赤色のワンピースに身を包み、メイクをして夜の繁華街に出かけていく。会社から帰る車内で彰太は、歌舞伎町誘拐事件の被害女性が遺体で発見されたニュースを耳にした。彰太が帰宅すると「美華が帰っていない。携帯も繋がらない」と由布子が焦っている。彰太は美華の部屋へ行く。そしてゴミ箱に捨てられたバレエシューズを手に取り、思った。『あの時、野放しにした本当の犯人が動き出したのだとすれば…俺はきっと受けるに違いない。18年前のあの罪の報いを』と…。
【感想】
30代・女性
犯人気になる!!『ちょっとした細工をして今の地位を手に入れた』という予告だったからこんなにもブラックな細工に驚いた。そして黒に近いグレーな仕事を彰太に教えた八木も怖い。犯人は聖人に見せかけた裏の顔という展開もありがちだけど、18年前に40代ということは若院ではないか…。とにかく気になる。ドラマの内容ではないけど、エンディングに流れるギター演奏が藤木直人さんの演奏でびっくり。
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