【向こうの果て】第7話 感想ネタバレ(主演:松本まりか)

2021春のドラマ一覧

主演:松本まりか
WOWOW (金曜日23時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#07太陽のような女】
ー昭和60年 東京・浅草ー
津田口(柿澤勇人)は、浅草に宿泊している姫昌(加治将樹)の元を訪ねる。木田(辰巳琢郎)から取り調べを受けた姫昌は律子(松本まりか)について法廷でも証言すると約束したようだ。その事を南川(山野海)から聞いた津田口は「彼女の不利になってしまうのに」と姫昌を責める。「お前は事件じゃなくて律子について知りたいだけだ」と姫昌は津田口に反論するが、「いつから律子と公平(松下洸平)が異母兄弟だと知っていたのか」と尋ねられると姫昌はタバコに火をつけて話し始める。
律子の母が律子(伊礼姫奈)に本当の父親が公平(南出凌嘉)の父であることを姫昌(田村継)は偶然聞いてしまったこと。そして律子と結婚するという公平に姫昌が真実を明かしたこと。「二人は異母兄弟だと知りながら男女の関係を続けたということですか…」津田口が言うと「男女の関係だったのは子供のときの一度きり」「律子が東京の叔父の元へ行ってからは、自分と公平は何となくお互いを避けていた」「ちゃんと話したのは公平と律子が同棲することになり、公平が自分の所へわざわざ訪ねてきたときだ」と姫昌は答える。

公平は「あの火事を後悔している。律子の時間を止めてしまったのではないか、あの火事さえなければ律子は普通の明るい未来があったのでは」と話す。「あの火事の言い出しっぺは自分だ」と姫昌は言うが公平は否定する。「律子の世界を書いた。律子が生きるはずだった幸せな世界を」「太陽みたいな女が主人公だ」公平は言い「その時が来たら律子に渡してくれ」と封筒に入った原稿を姫昌に強引に渡した。姫昌は「律子に渡す前に捨てるかもしれない」「まだお前に嫉妬している」と明かすが公平は「それでも構わない」と言った。

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「自分と公平は律子を父親の暴力から守るために毎晩家の前で見張りをしていた」と姫昌は当時を振り返る。「事件は律子の父・喜平(塚原大助)が火をつけた自殺という事になっている。なぜあなたは怪しい人物を見たと証言したのですか?」と津田口は問う。そして律子にタバコを押し付けたような古い傷がたくさんあったことから、津田口は「あなたか公平、もしくは律子を含めた三人で共謀したのか…」と疑いを口にする。津田口が「律子が両親を殺したのは自分だと言っていた」と言うと「……あいつがそう言ったのか…」と姫昌の表情が一変する。涙を堪えるようにした姫昌は鞄から封筒を取り出して津田口に渡す。あの日、公平が姫昌に託した小説の原稿だった。「公平はこの小説を書くことで律子に明るい未来を作ってやりたかった。これはお前が律子に渡してやってくれ」姫昌は優しく言った。

南川から至急病院へ行くよう連絡を受け、津田口は病院へ行く。治療の甲斐なく、津田口の姉は息を引き取った。「姉さんの笑った顔が大好きだった」「姉さんは太陽みたいな女だった」津田口は姉の手を握って大粒の涙を流す。
その後、地検に戻った津田口はキリッとした表情をしていた。そして「もう一度池松律子の担当をさせて下さい」と木田に頭を下げる。取調室にやって来た律子は津田口を見て「お帰り」と笑顔を向ける。そして南川の制止も聞かず「あなたのお姉さんみたいな人は死ねてよかったのよ」と言い放つ。津田口は姉が病院に搬送された時のことを思い出す。姉は消え入りそうな声で「お願い、このまま死なせて」と津田口に言った。「死んでいい人間なんていない」津田口は強い口調で反論すると「君塚公平を殺した真実を教えてください」と律子に言う。「お金が欲しくて殺した」律子が答えると津田口は公平が姫昌に託した小説を律子に見せる。『太陽のような女』というタイトルの原稿を見た律子は涙を流すと愛おしそうにその原稿に触れた。

ー昭和59年 東京・神楽坂ー
律子が千鳥足でスナックを後に歩いていると表で公平が待っていた。避けるように背を向ける律子に公平は「探したよ。まっとうな世界に戻してやりたいんだ」と声をかける。「そんなもの最初からなかった」と拒否する律子を公平は力づくで「あったよ、確かにあったんだ」「お前が生きるはずだった優しい世界、太陽みたいな女が主人公なんだよ。最後まで笑って生きた女の物語」と力強く説得する。「やっと迎えに来てくれた」安堵の表情を浮かべる律子を抱きしめる公平。ふたりの時間がようやく幼い頃に戻った。

原稿を読み進める律子に「ふたりの運命を狂わせてしまったと村上さんが言っていた。彼が刑事になったのはあなたを守りたかったからではないでしょうか」と津田口が言う。

ー昭和37年 青森県弘前市ー
この日も姫昌(田村継)と公平(南出凌嘉)は律子の家の前で過ごしていた。すると酔った喜平の怒鳴り声がする。姫昌が郵便受けから中を伺うと喜平が律子(伊礼姫奈)に馬乗りになって律子の首を締めている。姫昌と公平は慌てて家の中に入り、律子から喜平を引き離す。律子を連れて秘密基地へと逃げた姫昌と公平。姫昌が「もう駄目だ。このままでは律子が殺されてしまう」と言うと公平も頷く。「殺そう、俺達の手で律子の…」と言う姫昌を「ダメ、私なら我慢できる」と律子は止める。「もういい!お前は十分我慢してきた」「俺達は律子と一緒に居たいんだ」ふたりの言葉に律子は涙を流した。

取調室の律子(松本まりか)は、「その日は三人で決めたの、お母さんが居ない日にしようって」と口を開く。夜、喜平が寝ている家に公平(南出凌嘉)が石油をまく。律子(伊礼姫奈)は「いい匂い」と言った。その時のことを律子(松本まりか)は「石油の匂いが地獄のような世界から救ってくれると感じたのだと思う」と回想する。石油をまき終えると公平(南出凌嘉)は外で見張りをしている姫昌(田村継)に懐中電灯で合図を送った。公平は家に入って来た姫昌に律子の手を握らせると「しっかり握って絶対に離すな」と言う。公平をその場に残し、姫昌は律子の手を引いて家を出た。律子(松本まりか)は「あの日の切ない匂いだけは今も覚えている」と話す。公平(南出凌嘉)はポケットからマッチを取り出す。その瞬間「俺はいつからそんな化けもんみたいになったんだ」と喜平が目を覚ました。怯える公平に「律子はどこいった」喜平は問う。「お父さん…そう言ったんだって」律子(松本まりか)は目に涙を浮かべる。

【みんなの感想】
30代・女性
喜平を殺してしまったために律子の人生は転落してしまったのか、もし喜平が生きていたら律子には公平が書いた小説のような人生があったのだろうか。律子の場合は極端でも「あっちの道を選んでいたら」というのはどの人にもあり得るものだと考えさせられる。喜平は自分で火をつけたと予想。暴力は良くないけど、信じていた妻と仲間の裏切りにどうしようもない怒りがあっただろうし、喜平自身もどうしたらいいか分からなかったのではないかと考える。そんな自分から逃れるために火を放ったのでは。

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