主演:綾野剛・石原さとみ
日本テレビ (水曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#08】
倫太郎(綾野剛)の腕の中で海音(石原さとみ)は意識を失ってしまう。倫太郎は鴨居(橋本じゅん)を頼り、鴨居が古くからの知り合いだという富浦医院に海音を運ぶ。海音が目を覚ますと、そこには鴨居が付き添っていた。鴨居は「(倫太郎は)急用が出来たって」と話す。海音は脈も安定し一先ず安心できる状態に回復したものの、医師は海音の筋力が低下していることを心配し「一度きちんと検査したほうが良い」と鴨居に提案するが、鴨居は「それは出来ない…」と拒否する。
海音は自宅に戻ってもとても辛そうだ。そしてまだウツボの声を聞くことが出来ない。倫太郎の元へ海音から着信が入る。倫太郎は携帯の画面を切ない表情で見つめながらも着信を無視して携帯をポケットにしまう。その頃、鴨居は海音の足のレントゲンを見てため息をつく。医師から「これ以上は私では無理、ちゃんと大きな病院に行って」とお願いされていたのだ。
倫太郎はひとり海を眺めながら海音を富浦医院に運んだ時のことを思い出す。ベッドに横たわり眠ったままの海音の側で倫太郎が心配そうに付き添っていると、鴨居が神妙な面持ちでやって来た。鴨居は「もう分かっているのですよね」と確認してから「海音とはもう関わらないでほしい」「あの子は星が浜を守るという使命を持ってやって来た。いずれは海に帰らなければならない」「でもあなたがいるとあの子は無理をしてしまう。命が危ない」と頭を下げた。自分のせいで海音が無理をし、命を危険にさらしていることを知った倫太郎は「海音さんをお願いします」と自ら身を引く決意をした。
蓮田トラストでは榮太郎(渡邊圭祐)が取締役に就任し、社内に激震が走る。そして榮太郎は、役員達を前に星ヶ浜のリゾート開発計画を白紙に戻すことを発表する。「全然ワクワクしない。夢が膨らむスケール感がないって言うか、自分達の利益しか考えてないって言うか」大真面目な表情の榮太郎は【深海未来都市計画(S計画)】を打ち出す。その後、倫太郎の執務室に早速情報を仕入れた鶴川(藤森慎吾)がやって来た。榮太郎によって計画が白紙にされたのに焦った様子が見られないことを不思議に思う鶴川に倫太郎は「なんかあいつの気持ちがわかる」と呟いた。
『この前はごめんなさい。病院に運んでくれてありがとうございました。また、きちんとお話します』海音は倫太郎にメッセージを送り、自分と距離を置く倫太郎に切ない思いを抱く。そこへ藍花(今田美桜)がお見舞いにやって来た。藍花は榮太郎は何も話したがらないから見守るしかないと愚痴ったり、研究室のみんなが海音に会いたがっていると他愛もない話をして海音の気持ちを和ませた。帰り際、藍花は倫太郎に頼まれて様子を見に来たことを明かす。「俺に頼まれたことは内緒にしてって言われたけど、元気でしたよって報告しておきますね」倫太郎や藍花の優しさに海音は胸が熱くなった。
その頃、倫太郎は専門書を片手にリゾート開発の問題点をひとつひとつ洗い出している。そこへ榮太郎を心配する風間(松熊つる松)らがやって来た。風間達は「取締役だなんてキャラじゃない事をして榮太郎が無理をしているのでは」「倫太郎がロンドンから戻ってくることを誰よりも楽しみにしていた。光太郎さんと力を合わせて新しい風を吹き込んでくれるはずだと言っていた」と話す。そんな中、研究室の鴨居は大学側から一連の騒動について説明責任があると迫られていた。その夜、鴨居は教授会で海音について説明することになったと明かし「私がなんとかするから」と海音に言う。それを知った海音は「研究室のみんなにも本当のことを話したい」と訴える。
同じ頃、倫太郎は自宅で榮太郎のカレーを食べている。食器洗いをしながら榮太郎は「なんで何にも言わないの?計画白紙にしようとしているのに」と切り出す。倫太郎は「お前が考えたことだからお前の好きにしたらいい」と背中を押す。榮太郎が部屋を後にすると、海音から電話がかかってくる。倫太郎は着信を無視しながら苦しそうな表情を浮かべた。そして母の形見である指輪を見つめた。
翌日、倫太郎は鴨居を訪ね、形見の指輪を海音に渡してほしいとお願いする。ところが鴨居は「あの子を混乱させたくない」「明日の教授会で全てを話します。だからもう忘れてください」と告げた。海音が研究室に出勤すると研究室のメンバーは笑顔で迎え入れる。あの海音に懐疑的だった椎木(水澤紳吾)までもが「体調が悪かったら使っていい」と自分のテントを勧めるほど和やかな雰囲気の中、「ちゃんと皆さんに話したいことがあって」と海音は切り出す。「私はちゃんとした研究者ではなくて、ベトナムの大学で働いていたのも嘘です」「鴨居さんと私が親戚だというのも嘘です」「星が浜の海と魚達を守りたいと無理を言ってお願いした」「今まで隠していて本当にごめんなさい」頭を下げる。染谷(高橋努)や藍花は「海音さんである事には変わりない」とすんなり受け入れたが、椎木は「ちゃんとした研究者じゃないってどういう事だよ」と問う。海音が答えに迷っていると椎木は「渚海音は本物の研究者だよ」とぶっきらぼうに言う。みんなの優しさに海音は涙して謝罪をするが、みんなは「俺たちはそんなにヤワじゃない」と笑い飛ばした。
その後、海音とふたりになった藍花は「倫太郎さんに会いに行ったらどうですか」と提案する。「向こうは会いたくないかも…」と躊躇する海音に「そんなわけない、海音さんと同じ気持ちですよ」と藍花は後押しする。その後、気まずそうに海音は蓮田トラストへ行く。そこで海音が見たのは、倫太郎の字で開発模型にびっしりと書き込まれた問題点のたくさんの付箋だった。みんなが帰った社内へ倫太郎がひとりやって来た。そこで倫太郎は自分の付箋に回答する海音からの付箋を見つける。そして倫太郎の目から涙がこぼれ出す。思い出されるのは、対立しながらも意見を交わした海音との日々だった。
教授会が明日に迫った夜、海音は「私に説明させてください」力強く鴨居にお願いした。翌朝、大学へ向かう海音をMr.エニシ(福山翔大)が呼び止める。エニシは先日のTV番組について謝罪をする。そんなエニシに海音は「エニシさん、お願いがあります」と話す。そして研究室へ行くとみんながキョトンとしている。「教授会は11時からですよね」海音は言うが、教授会は10時からだった。鴨居は自分だけで全ての非難を受け止めるつもりで時間も場所も嘘を伝えていたのだ。教授会で鴨居は「渚海音を特任研究員として採用するために私が独断で捏造しました」と頭を下げる。そして「しかし論文は彼女が執筆したことに間違いはなく、我々には及ばないほど高いデータ集積力による論文の学術的価値は…」鴨居は力説するが、司会者はそれを認めないとばかりに「質問がある方」と遮る。なぜそれ程までに優秀な人が学歴を詐称しなければならなかったのか問われた鴨居が回答に困っているとそこへ海音がやって来た。そして少し遅れて研究室のメンバーとエニシもやって来た。動画を撮影し始めるエニシを藍花は咎めるがエニシは「これは海音さんに頼まれた」と話す。
「1年前、このままでは海が壊れてしまう。まずは星が浜から変えていかなければと考えた私を鴨居教授は快く受け入れて下さいました」海音は自分の言葉で話し始める。「まだやり残したことはあるが、海に安易に人間が立ち入ってはいけないように、私もここに居るべきではない」「大学関係者のみなさん、鴨居教授、申し訳ありませんでした」海音は頭を下げた。すると一人の教授が「なぜ星が浜に執着するのか」「人間が海に安易に立ち入ってはいけないとか私はここに居るべきじゃないとか、あなたは何者ですか」と問う。鴨居は「答えなくていい」と海音にそっと耳打ちする。しかし考えた末海音が「私は…」と口を開くと、その瞬間会場の扉が勢いよく開いて倫太郎が登場する。倫太郎は「人間じゃないんですよ」と言いながら中に入る。そしてざわつく教授達に向かって「今、一緒に仕事をしていますがとても同じ人間とは思えない」「でも価値観が違うと思えば納得できる」「とにかく彼女は星が浜の海を守るために命をかけている!!」「そんな渚海音が、地上で一番大好きだ!!」と大きな声で力説する。そして質問した教授の側へ行くと「何か問題ありますか」と優しく問い返した。
倫太郎が礼をして会場を後にすると海音は倫太郎を追う。海音はいつも助けてくれる倫太郎に感謝する。すると倫太郎は「帰ろうか……海に」と海音に言う。海音は目に涙を浮かべて「はい」と答えた。その後、ふたりはこれまでのように開発について楽しそうに意見をぶつけ合った。その頃、榮太郎は香港投資会社のトップからS計画の中枢が巨大カジノ建設だと聞かされて驚く。「この計画は今初めて話した。カジノを建設することは近日中に発表する」あっけらかんと話して立ち去る投資会社のトップ。残された榮太郎は困惑する。
研究室に戻った海音をみんなは優しく迎え入れ、鴨居会を開催することになった。榮太郎が遅れてやって来ると椎木は自分のテントに榮太郎を連れ込み「S計画にログイン出来なくなった」と詰め寄る。榮太郎は「俺達騙されてるかも…」と明かすと椎木は「汚染された海水を浄化するために深海都市計画の設計に協力したんだよ!」「地底人に会えるかもと思ったのに」と憤る。
その後、藍花は榮太郎とふたり構内を歩きながら「鴨居研究室なくなっちゃうかも」と寂しそうにつぶやく。「目の前に居る海音さんが好きだから正体が何者でも構わない」と言う藍花に榮太郎は真面目な表情で「俺は何者でもいいの?本当はめちゃくちゃ悪いやつかもよ」と言う。藍花は「榮太郎さんは大切なものが何かちゃんと見てる人だよ」「だから榮太郎さんが何者でも私は好きだよ」と真っ直ぐに答えた。
翌日、蓮田トラストでは役員達が集まっていた。ダニエル社が権力を持ち始めたデータを見ながら「これで俺も終わりか」と太郎(鹿賀丈史)が嘆く。そこへ榮太郎がやって来た。光太郎(大谷亮平)は「お前、騙されてるぞ!」と榮太郎に厳しく問うと榮太郎は「でも俺は社長になんてなるつもりはないよ」と辞任届を差し出した。「元々そんな器じゃないし」と退室しようとする榮太郎を倫太郎は「ちゃんと話してくれないかな、お前の気持ちを」と呼び止める。「まぁ強いて言えば、蓮田家にショックを与えたかったからかな」「凝り固まったところに電流を流したらほぐれるでしょ」「ただ気づいてほしかっただけだよ」と榮太郎は言った。
太郎、光太郎、倫太郎の心に榮太郎の言葉は届いたようで、その夜、光太郎と倫太郎はふたりきりで酒を酌み交わす。久しぶりにお互いの本音を話し合う中、倫太郎が「25年前の…」と母が亡くなった事故のことを切り出すと「あの事はもう何も恨んでない、仕方のない事故だった。許せずにいるのはお前自身だろ」と光太郎は答え、「全般的にお前が嫌いで昔から羨ましかった」と明かす。「不器用な俺には後を継ぐしか道がなくて、お前は自由にロンドンとか挑戦出来て」と言う光太郎に「それは兄さんの勘違いだ、あれは逃げだ」と倫太郎が反論する。「それでも俺にはこの仕事の何が楽しいのか分からないのにお前は楽しそうだ。だからお前には勝てない」光太郎が本音を明かすと「兄さんは勝てない」と倫太郎が悪ノリしてふたりは楽しそうな雰囲気だ。それを扉の向こう側で嬉しそうに榮太郎が聞いていた。「こんな所で俺達が争っている場合じゃない」遂にふたりは協力して、ダニエル社に立ち向かう。「榮太郎!そこに居るんだろ」倫太郎に呼ばれて二人の輪に榮太郎も加わった。
翌日、研究室の海音は蓮田トラストに行く時間になった。そこへ形見の指輪を渡そうと倫太郎が大学へやって来る。その時、ひとりの教授が「人間じゃないってどういうことですか。もう一度説明してください」としつこく詰め寄る。倫太郎が教授を制止し、その間に海音が立ち去ろうとするが海音は足がもつれて道の真ん中で転んでしまう。そしてそこへトラックが走って来た。それに気づいた倫太郎は海音を庇うように覆いかぶさった。
【みんなの感想】
30代・女性
予告よ…完全にネタバレしているではないか、ガッカリ。せっかくトラックに轢かれてしまうのか!?と言う展開で終わり、病院で寝たきりのシーンで「倫太郎大丈夫!?もしかしてこのまま」と思ったのに。海にいる海音を車で追いかける倫太郎見たら絶対死なないじゃんと興ざめ。どうなるかハラハラしながら見たいのに、こういう些細なところも気にしてほしい。
30代・男性
これは学芸会なのか。「地上で一番好き」なんて大の大人が言うか。「海に帰ろう」と確かめ合った時点で結末もわかりきったようなもの。全てが上辺をすくったような内容で薄い。海洋環境なり会社の買収問題なりをもっと深く詳しくやったら見応えがあったかもしれない。