主演:綾野剛・石原さとみ
日本テレビ (水曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#06】
ー10ヶ月前ー
「ところで、この子はどうしようか」、この家に置いてほしいという海音(石原さとみ)の願いを了承した鴨居(橋本じゅん)は戸惑いながらもクーラーボックスの蓋を開ける。中には海音にくっついていたというウツボが入っていた。「ついて来てやったぞい」海音にしか聞こえない声で話すウツボを見た海音は「彼は友達、一緒に置いてもらえませんか」と鴨居に依頼した。
強引な雑誌記者から海音を守ろうとした鴨居が、警察に連行されてしまい海音は一人になってしまった。現場に一緒に居合わせた倫太郎(綾野剛)は、海音を心配して蓮田家に招待する。同じ頃、蓮田トラストの光太郎(大谷亮平)の元へ鴨居が連行された一報が入る。光太郎は続報を気にする素振りを見せるがニヤリと意味深な笑みを浮かべた。そしてどこかへ電話をかけると「ご苦労さまでした」と話した。一方、倫太郎に飲み物を勧められた海音はお水がいいと答える。驚く倫太郎を気にすることなく、海音は大さじ何杯もの塩を入れた水を飲み干した。そして倫太郎は何を思ったのか、見様見真似で海音と同じ濃度の塩水を飲もうとするがむせてしまう。落ち込んだままの海音を笑顔にさせようとした彼なりの優しさだった。落ち着きを取り戻した海音は倫太郎に加湿器を貸してほしいとお願いする。そこに、ちょうど遥香(泉里香)を連れた榮太郎(渡邊圭祐)が帰って来た。海音は咄嗟にキッチンの陰に隠れる。
榮太郎は海音に気づくと海音の隣にちょこんと座った。たくさんの共通の思い出がある倫太郎と遥香の親しげな姿に、ほのかに「縄張りのようなものを感じる」と嫉妬する海音を榮太郎は「まぁ、幼稚園からのつき合いだからね」とフォローする。「私、帰ります」立ち上がろうとした海音は誤って小麦粉を頭からかぶってしまう。そんな海音に優しい笑顔を向ける倫太郎。遥香と榮太郎は「手のかかる弟・兄ですがよろしく」と海音にお願いする。4人は笑い合い、その輪の中にいる海音も楽しそうだった。「家族とか幼馴染とか羨ましい」という海音に倫太郎は「研究室の仲間もいるし…俺もいる」と言う。そこへ藍花(今田美桜)たち研究室の仲間が押しかける。仲間の暖かさに嬉しくなる海音。
その頃、遥香は光太郎と会っていた。住んでいたマンションを引き払って鎌倉の実家へ戻ることになり、書類にサインをもらうためだった。遥香は「心配しないで、颯太にはちゃんと会わせるから」と言うが、光太郎は仕事が忙しいからと今後息子に会えなくても構わないと答えた。そんな光太郎に「まだ許せない?」と倫太郎のことを尋ねる。すると光太郎は「あの事はもうとっくに許している」と意外な言葉を口にした。
蓮田家の和気あいあいとした空気の中、光太郎が帰宅した。先日のブラックな光太郎の態度から海音は気まずさを感じ、皆もピリっとした空気になるが、光太郎は気にする様子もなく自室へと去っていく。そこへ警察署を解放された鴨居から電話が入る。倫太郎の家にいると聞いて鴨居は別の意味で心配するも、周りに研究室のメンバーがいるとわかり安心する。そして、鴨居は家の周辺はまだ記者がいるかもしれないと研究室に泊まることにした。
食後、廊下で何やらパソコンを操作している椎木(水澤紳吾)の元へ榮太郎が声をかける。「俺が持っている株は3%」という榮太郎に椎木は「十分です。このS計画が実行されれば…」とコソコソ話す。同じ頃、藍花は榮太郎の隠し事が気になると倫太郎達に打ち明ける。倫太郎は「榮太郎は隠し事出来るようなタイプじゃない」と話すが、最近の榮太郎は藍花が近づくとパッと何かを隠すようで疑惑が晴れずにいた。
Mr.エニシ(福山翔大)は、フォロワーからの指摘を受けた動画を見返している。そこには、洋服のまま海に入っていく女性が映っていた。小さいもののそれは紛れもなく海音だった。入水して3分以上経っても海音は海中に潜ったまま。そしてその後、海音は浜辺で倫太郎を介抱している。『もしかして…海女!?もしくは…』エニシは検索バーに【人魚】と入力する。
研究室の魚がずっとこちらを見てきて怖い…鴨居からの電話を受けて、椎木達は研究室へと向かった。静かになったリビングで榮太郎と藍花が話をしている。藍花に「(兄さん達が)あんなに啀み合う位なら星が浜リゾートなんてなくなればいい」榮太郎はふと本音をもらした。その頃、倫太郎は海音に、「母親との約束だった<海中展望タワー>を作って自分を取り戻すためにロンドンから戻って来た」と話す。「でも君に出会ったことで予定が狂った」と倫太郎は切なく微笑むと、「俺は海音が好きだ」海音にまっすぐな気持ちをぶつける。「私も好きです」海音は答える。優しく抱きしめられた海音の目から一筋の涙がこぼれた。鴨居の信頼できる医者に診てもらった海音は、筋力が低下してきており『あと3ヶ月位』と地上にいられるタイムリミットを告げられていたのだった。倫太郎への気持ちに歯止めが効かず、地上での生活に未練を感じ始める海音。そんな事を倫太郎は知るよしもなかった。同じ頃、研究室の鴨居も眠れずにいた。思い出されるのは、初めて研究室に海音を連れていった時のこと、メンバーと一緒に写真を撮ったこと…。
翌日、蓮田トラストではイベントを引き受ける条件としたプロジェクト復帰を望む倫太郎と何としてもそれを阻止したい光太郎の姿があった。父・太郎(鹿賀丈史)は「後日、それぞれの星が浜への思いを聞こう」「その結果により、どちらがふさわしいリーダーが選ぼう」と提案する。その後、倫太郎は鶴川(藤森慎吾)から雑誌記者が蓮田トラストに出入りしている記者であること、鴨居が逮捕される直前に鴨居と光太郎がふたりで会っていたことを聞き、今回の件が光太郎の仕業であると気づく。そして海音の正体を巡って、鴨居は大学から追求されていた。さらに研究室の統廃合対象だと言われ、研究室はさらなる窮地に立たされてしまう。
一方、光太郎は厳しさが以前にも増し、社員達に怒鳴り声を上げている。「このふざけた資料を作ったやつは誰だ!」と言う光太郎に「俺がやりました~」と榮太郎はゆるく返事をする。「海底資源とリゾート開発は分けて考えれば!?」と榮太郎は指摘する。しかし聞く耳を持たず一方的に自分のやり方を押し付ける光太郎の言動に、榮太郎はため息をこぼす。それでも「倫ちゃんの計画にはなかった」と榮太郎が続けると「あいつの事は忘れろ」「お前は良いよな、責任のない所でのほほんと」と光太郎の口から信じられない言葉が出てきた。その瞬間榮太郎の表情がガラリと変わる。
蓮田トラスト就業時間後、海音は帰り支度をしながらもプロジェクトに戻ってこない倫太郎が気がかりだった。そこへ鶴川が通りかかる。光太郎に「鴨居研究室とは契約解除する」と告げられた事を明かす海音。すると鶴川は、倫太郎がプロジェクトに復帰すれば鴨居研究室に監修を続けてもらいたいと考えていると話す。さらに先日の記者は光太郎の差し金だと思うと聞き、海音は倫太郎のために何か出来ることがないかと思いを巡らせる。その時、「海音さん、海音さん」と呼ぶ声がした。辺りを見渡すと水槽のカメが海音を呼んでいる。同じ頃、研究室の藍花は一緒にご飯に行こうと榮太郎に電話をかけた。電話に出た榮太郎は「今日は忙しくて行けない」と話す。その時、研究室の椎木がクシャミをした。そして同じクシャミが電話越しにも聞こえる…。藍花の中で椎木と榮太郎への疑惑が大きくなっていく。
そして光太郎は、鴨居とは別の研究者から星が浜の環境調査報告を受け取る。「パラメーターさえいじってしまえば大した問題じゃない」と研究者は言ってのけ、ふたりは怪しい笑みを浮かべる。その様子をカメが『スクープ!!』と目撃していた。同じ頃、研究室の椎木がデリバリー業者ともめていた。その隙に藍花は、椎木のヘッドフォンを手にする。「じゃあ、株は売っちゃいます。ビックリするだろうな、これで何か変わってくれるといいけど」ヘッドフォンから聞こえた声は榮太郎に間違いなかった。
翌朝、蓮田トラストに出社した海音はカメから事の顛末を聞く。すぐに「光太郎さんが、科学者の方にデータを改ざんさせて海底資源の開発を強引に進めようとしている」と倫太郎に報告するが、「カメから聞いた」と言う海音の発言に倫太郎は困ってしまう。仕方なく諦める海音に倫太郎は「報告してくれてありがとう」「必ず戻るから」と考えを改めた。そして役員達の前で、倫太郎は海中展望タワーの大切さを説く。「環境を守りながら開発を進めるのは非常に困難だが、メンバー達と成し遂げたい」という倫太郎に「お前にリーダーの素質はない」と光太郎は反論する。「倫太郎の海中展望タワーよりも自分の海底資源開発の方がよっぽど利益がある」光太郎は力説する。その時、会議室の扉をノックする音がして太郎が「どうぞ」と言ったが、誰も中に入ってくる気配がない。倫太郎が扉を開けるとそこにはダンボール箱が一つ置いてあった。中には先日のイベントにやって来た子供達からの寄せ書きや手紙が入っていた。『海中展望タワーが楽しみ』『海のことがもっと好きになった』子供達の声を読んだ太郎は、「目先の利益よりもより長く続く価値にかけてみたい」と決心した。
無事プロジェクトに復帰することが決まった倫太郎を海音は「これでまた正々堂々と反対できる」と歓迎する。すると倫太郎は「俺、本気だから」「星が浜の環境も海音も必ず俺が守る」と真面目な表情で宣言する。「ありがとうございます」海音の答えには嬉しさと寂しさが入り混じっていた。「ここに居たい」海音から切実な思いがこぼれる。
その頃、蓮田トラストの株主チャートを見ていた光太郎は「なんだ!?これ」と驚く。太郎を抜いて、ダニエル・カッパー社が筆頭株主になっていたのだ。「ウチの株が買い占められてる」鶴川からの一報を受けた倫太郎も慌てて会社へ向かう。
その夜、帰宅した海音はいつものようにウツボにごはんをあげながら、今日一日の出来事を話す。ところがウツボはブクブクと音をさせるだけで何も返事をしない…。
【みんなの感想】
30代・女性
今回のテンポは良かった。とは言っても榮太郎と椎木の株の動きについての動向が楽しかったからなので、残念ながら本編ではないが…。冒頭の塩水で咳き込むシーンとかはもう言葉を失うレベルで…でも最後ウツボの声が聞こえなくなった海音の今後は今後が楽しみ。愛のパワーで人間になる展開でハッピーエンドに持っていくのかな?