【最愛】最終話「それぞれの最愛のために…すべての真実を知る者は!?」 感想ネタバレ(主演:吉高由里子)

2021秋のドラマ一覧

主演:吉高由里子
TBS (金曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#10】
『従業員の皆さんへ 不正の発見が遅れた原因は社長の私にあります。後藤専務は命に別状なく、警察に事情を話したところ転落事故として処理されることになりました。会社の信用を一日でも早く取り戻すこと、それが皆さんに出来る私の償いです』真田梨央(吉高由里子)は、社員へ向けて謝罪のコメントを発表する。
一方、宮崎大輝(松下洸平)は梨央の母・梓(薬師丸ひろ子)と接触していた藤井隼人(岡山天音)を呼び出す。大輝が藤井に梓に会った目的を尋ねると、藤井は「15年前台風の夜、本当は事件現場に居ましたよね」と切り出す。渡辺康介(朝井大智)が調合した違法睡眠薬は5~6時間昏睡状態に陥るものだった。梨央も例外ではなく、梨央が意識を取り戻したのは自宅の布団の中だった。その5時間の間に、達雄(光石研)が一人で昏睡状態の梨央を自宅に運び、死体遺棄から現場の証拠を消すまで行うには無理があると考えた藤井は共犯者が居るはずだと独自に捜査を続けていたのだ。「達雄さんに全ての罪を被せて一人逃れたのなら、許せん事です」藤井の厳しい視線が大輝に向けられる。藤井は、梓や関係者達に話を聞いて回っていた。「その中にまだ隠し事しとった奴が一人おったんです」と藤井が言うとそこへ青木菜奈(水崎綾女)が現れた。
「あの…台風の夜の事なんやけどな」青木が気まずそうに話し始める。あの夜、青木は水を飲もうと食堂へ向かった。その時、食堂に転がる小瓶の音に気づいた。そして扉の向こうに誰かが逃げて達雄と話す声を聞いていたのだ。「大麻やっとった奴は酔いつぶれてシロ。俺らは飲み会に行っていてシロ」「寮に出入り出来てアリバイがないのは先輩一人です」藤井の言葉に大輝は「結婚式で大阪におった」と反論するが、藤井は「親族の証言はアリバイにならない」と疑う。「俺やないって言うなら誰なんですか?梨央ちゃんと優のためなら達雄さんに手を貸すのも犯罪を躊躇わんのも」藤井の言葉に怒気がこもる。すると青木が「あの時、小瓶を拾った」と打ち明ける。途端に大輝が「今でも持っとるんか」と動揺する。

「グループの企業価値をこれ以上下げないために出来る事は二つ。一つは梓さんの社長辞任、もう一つは真田ウェルネスの体勢の見直し。見直しをアピールするために創薬事業を他社に売却する事も選択肢の一つだ」と加瀬は会社を守るための方法を提示する。会社を守りたい、でも開発中の薬も他社に渡さなければならない梨央の心は揺れ、疲れ果てた梨央は社長室でデスクに突っ伏してしまう。すると秘書の児島(宮下かな子)がお茶を運んできた。「私はこれからも社長について参ります」と全幅の信頼を梨央に寄せる。

『指紋を取れるかもしれない』と大輝は青木から小瓶を受け取る。「それを証拠に渡辺を訴えようか悩んでずっと持っていた。でも馬鹿な事をした自分を誤魔化して忘れる事で精一杯やった」青木は明かす。「事件を解決して巻き込まれた人達に安心してもらいたい」「辛い目に遭った分、人の何倍も幸せになってほいいと願っている」そう答える大輝の脳裏には、優が連行された時の梨央の姿が思い出される。
梓は康介の父・渡辺昭(酒向芳)や橘しおり(田中みな実)殺害について黙秘を続けていた。警察は、梓に共犯者が居ると考えているが、橘の犯行時刻には梓以外全員のアリバイが証明されていた。大輝は青木から預かった小瓶の鑑定を桑田仁美(佐久間由衣)に託す。
梨央は橘しおりの葬儀に行く。お焼香を終えた梨央は大輝と鉢合わせした。大輝は梨央を心配するが、反対に梨央は新しい職場での大輝を心配する。大輝は「未成年が立ち直ってくれると嬉しい。困ってる人を助けたい、だから刑事になったんだ」と初心を思い出させられるようだ。梨央も「最初は優のための薬を創るためだった。社長になんてなると思わなかった」と落ち込んだ表情を見せる。「ぼさっとしてないで仕事しろ」大輝が梨央を小突くと「してるわ」と梨央に笑顔が戻る。そして「事件が解決したら、二人でこれからの事を考えよう」二人は確かめ合った。

梨央は後藤(及川光博)のお見舞いに行く。後藤は「(橘を)殺していません」ときっぱり否定する。梨央は後藤の言葉を信じると「後藤さんの力が必要です。大事なご相談があります」と打ち明ける。その後、梨央は加瀬の元へやって来た。そしてそれから数日間、梨央は会議に会議を重ねる。そしてある日、鉄板焼・峰を貸切にした梨央は、兄・政信(奥野瑛太)を呼び出す。「俺が母さんの代わりに逮捕されてもよかったんだ」と落ち込む政信に梨央は「グループのトップが責任取る事に意味があるの」と諭す。そして「お母さんに会社を守れと言われたからこそ、外部の人に任せる事にした。大事なのは会社の価値を守る事。一番の方法は創業家全員が退任する事、それで真田グループへの不信感は払拭出来る」と梨央は政信を説得する。そこへ後藤がやって来た。まだ退院出来る状態ではないが後藤は「大事な仕事ですので」ときっぱりと言う。後藤は梓の後任に相応しい人物を提案し、政信が社長を辞任した場合としなかった場合の企業価値評価を示す。「兄さんはどう思う?」梨央に問われた政信は、辞任を決断するしかなかった。
その後、加瀬が梨央の家にやって来た。梨央が辞任する事を優が心配すると加瀬は「最善策なんだ」と教える。そして梨央は「薬は誰にもどこにも渡さない」と誓う。「お母さんに会ってくる」と言う梨央に加瀬は「親子として会ってきて」とアドバイスした。そして三人は和やかに食卓を囲む。
その頃、桑田は急いで大輝に鑑定結果を知らせに行く。
真田ホールディングスでは、政信と梨央が辞任会見を開く。梨央は辞任する事で会社を守り、一人の社員としてやることを続けた。そして薬は無事に申請手続きに入った。一方、梓は詐欺罪で起訴された。殺人容疑については黙秘を続けて芝池公園の昭殺害事件は行き詰まる。小瓶の鑑定結果、不鮮明指紋しか検出されなかった事を大輝は藤井に知らせる。さらに橘しおりの転落死も事件性はないと判断されたて捜査は打ち切りとなった。
桑田は大輝と飲んでいる。やるせない気持ちと比例して桑田は煽るように酒を飲む。「散々人を利用して事件も未解決なのに昇進ですよ」と山尾敦(津田健次郎)が昇進した事への怒りをあらわにする。桑田は「最後の一人になっても解決を諦めません」と宣言する。
事件に留まる者(桑田)と離れる者(山尾)。桑田は宮崎の人事について山尾に物申しに行く。「管理官と接待して根回ししてた話」桑田がニヤリとすると山尾は邪険に扱っていた桑田を車に乗せた。
(大輝)『未解決の事件はいつまでも心に引っかかる。未来を絶たれた人の顔が忘れられなかった』

ー2022年冬ー
大輝は捜査一課へと戻る事になった。
橘の転落場所には、花を手向ける橘の母(浅田美代子)の姿があった。大輝は母に話を聞く。母は橘が今回事故扱いになった事で、学生時代に自殺未遂をしたと言ってしまった事を後悔していた。「仕事に没頭していたのはあの子なりの逃げだったと思う。メンタルクリニックに通院歴があり、病院も薬もどんどん変えていた」と母は話す。
ー都立医科大学 法医学教室ー
大輝は橘が常用していた抗不安薬を抗うつ薬に変えた事について調べ始める。医師が説明した副作用の中に発熱があった。「発熱していた場合、死亡推定時刻が変わる」大輝は急いで大学を後にする。
大輝は桑田に会い、死亡推定時刻が2~3時間ずれる事を指摘する。大輝の推測が正しければ、死亡時刻は午後18時~19時となる。「その時間にアリバイのない人物は」大輝に言われて桑田は、容疑者達のアリバイを確認する。一人だけ空白の人物が居た。桑田は急いで警察署へ戻り、防犯カメラの映像を確認する。するとある人物を発見し、さらに足跡痕の一つがその人物の身長と一致した。その連絡を受けた大輝は、天を仰ぐ。
ー薬承認の日ー
梨央はそわそわと落ち着かない。所長の海野おずえ(峯村リエ)が駆け込んでくる。薬は無事に承認され、梨央は海野に「長かったね、頑張った」と抱きしめられる。二人は嬉し涙を流す。
その頃、大輝は加瀬に電話をかける。「富山の死体遺棄の事です」大輝が話すと加瀬の背後でお店のアナウンスが流れた。大輝はそれを聞き逃さず、加瀬が居る渋谷ウィングプラザへと行き先を変える。それと同時に大輝から連絡を受けた桑田達が「加瀬逃走の疑いあり、至急向かいます」と言って走り出す。警察の動きを悟られないよう大輝は加瀬と話し続ける。加瀬は達雄について「あれほど家族を想う人を私は他に知りません」と言う。

15年前、加瀬は達雄と会う。二人は東京へ行く梨央の手続きを行っていた。達雄が梨央達に組合の会合へ行くと言ったのは嘘だった。そこへ優から電話がかかってきた。優は「お父さん、早く帰ってきて!姉ちゃんが全然起きん」「俺、男の人を刺してもうた」と話す。達雄が寮に戻ると優が飛び出してきた。その背後には血まみれの梨央が倒れていた。達雄は絶叫する。達雄が康介をどかして、梨央に呼びかけると梨央は「おかえり」と少し意識を取り戻す。側では優が大声を上げて泣き叫ぶ。渡辺の脈がない事を確認した加瀬は、警察に電話をかけようとする。すると達雄は「法律の物差しで言わんでください。この子らを晒しもんには出来ません」と必死に加瀬を止める。加瀬は携帯をしまい、達雄に手を貸す事を決めた。
その後、二人は事件の痕跡を消して寮を後にする。「お姉さんを守ったんですね」加瀬は優を抱きしめる。そして梨央と優を寝かせつけると、達雄と加瀬は協力して渡辺康介の遺体を山に遺棄した。大輝が梨央に渡したお守りは、康介が手に握っていたのだが、二人が遺体を運ぶ際に手からこぼれ落ちたのだった。

「2006年9月21日深夜、どこに居ましたか?」大輝が問うと加瀬は「あの男さえ居なければ家族は幸せだった」と言う。加瀬が2階の吹き抜けから見下ろすと大輝や桑田が迫っていた。
2021年8月3日夜、加瀬は部下から梨央が変な場所で車を降りたと報告を受ける。そして加瀬は芝池公園へと向かった。「康介を息子を殺した奴を見つけたで。15年前に康介は殺されちまった」「なんで康介は殺されなきゃならんのや」と昭は泣く。「酷い事をしようとしたからです」と加瀬が言うと昭は「ちょこっと悪戯しようとしただけや。悪いのは女の方や」「なんで康介が責められなならんのや」と言う。加瀬は「あなたの息子のせいで普通に生きていた人の人生が狂わされた」と怒りがこみ上げる。昭は「康介にも将来があったんや」「警察に知らせんと」と言うので加瀬は昭を押し倒して池に沈めた。昭はその時、加瀬の胸ポケットからペンを抜き取っていた。

大輝と話す加瀬の元に梨央から電話が入る。『皆の喜ぶ顔、加瀬さんにも見てほしい。優も待ってる、早く来て』留守番メッセージを残す梨央。加瀬は『承認されました!早く来て』という梨央からメッセージを読み、安堵する。

橘は薬の副作用でふらふらになりながらもあのビルで加瀬と会っていた。「真田梨央の弟は人殺し」「お金なんていらない。私は必要とされてるって誰かの役に立ってるって実感がほしい」橘が言うと加瀬は「薬が出来るまで、お願いします」と土下座した。それでも諦めない橘を加瀬が止めようとした時、橘しおりは誤って転落してしまった。

「なんで一線を踏み越えてまった」「あんだけ信頼されてて」大輝は加瀬を説得し続ける。「戻るつもりはありません、法律では守れないものがあるからです」「私が思う事はただ一つ、ふたりには一点の曇りもない人生を歩んでもらいたい。それだけです」加瀬は淡々と話す。「この日が来るのはあの日から分かっていた」という加瀬に「お前がおらんくなる事がどういう事かわかってるんか」大輝は声を荒げる。「ようやく手に入れた二人の幸せを壊さないでやってください」と加瀬は静かに言った。
大輝の元へ薬が承認されたと梨央から電話が入る。「長かったな」大輝の目に涙が浮かぶ。「梨央、幸せか?」と聞かれた梨央は「こんな幸せないわ」と答える。梨央の視線の先には笑顔で子供達と遊ぶ優の姿があった。大輝は涙を堪えて「そうか」と答えた。
『ひとつの目標を達成した今、次の目標に向かいます。人生最良のこの16年間に感謝します』加瀬の机上には退職届けとこのメモが残されていた。

後藤が梓の面会にやって来た。「一連の事件での梓さんへの疑いは晴れたようです」後藤が言うと梓は「アリバイ証明されちゃった?」と呟く。後藤がペンの事に言及しようとすると梓は「あれはあげたの。だから探さないで」と懇願し、後藤が全ての不正を告白しようとすると「いいのよ」と制止する。それでも後藤は頑なに譲らず「私もそちら側に行きます」と言うと梓は「いいのに…」と言う。しかし梓の表情は穏やかだった。
梨央は想う『加瀬さん、どこに居ますか。あの人に尋ねても捜査情報は教えられないという。でも私に隠している事があるのは確かです』と。
桑田は何とか加瀬を指名手配しようとするが、証拠がないために本人を見つけて自供を取る以外、加瀬に罪を問う方法はないようだ。そして優は懸命に勉強していた。同級生から薬の事について「昔の記憶は戻るの」と聞かれた優は「昔の事は戻らない、でもこれからの事は覚えてる」と前向きに笑った。
『どうして私達の前から居なくなったのか話せる時が来たら戻ってきてください』『どんな事実でも私達は受け入れる覚悟です。加瀬さんが無事でいてくれる事の方が私と優には大事です』『どうか元気でいてください』梨央は祈るように願う。

梨央と大輝は達雄のお墓参りに来た。「私は十分幸せ。大ちゃんは幸せ?」梨央に聞かれた大輝は「俺はお前が笑ってるの見とればそれで」と答える。「簡単やな」「簡単やわ、俺は」二人は軽口を叩く。梨央はふと真面目な表情になって「大ちゃん、私なんとなく分かってるよ。加瀬さんの事」と言うと大輝は「何のことや」と誤魔化す。そして手を繋ぐ二人。「小さい手やな」「温かい手やな」と言い合いながら歩き出す。

【感想】
30代・女性
色々予想は外れたけど、素敵な最後だった。どこかで加瀬さんの幸せを願う。

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