主演:吉高由里子
TBS (金曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#09】
(梓)『創業者である祖父が言っていた。経営に何より必要なのは情熱だと、あの子(梨央)はそれを持っている。30年前、もみじのような小さな手を無邪気に振っていた彼女は今大きな夢をその手に掴もうとしている』『彼女のため、会社のため、私がした事に後悔はない』
渡辺昭(酒向芳)の遺体と一緒に池から発見されたウェルネスホームのペンは、真田梓(薬師丸ひろ子)が会社設立の記念品として作った特注品だった。持っているのは真田梨央(吉高由里子)、加瀬賢一郎(井浦新)、後藤信介(及川光博)、真田政信(奥野瑛太)、梓の5人。『この中に事件の関係者がいる…』宮崎大輝(松下洸平)から聞いていた梨央は動揺する。梨央はそれとなく加瀬にペンを持っているか尋ね、加瀬は「持っていると思う」と言って鞄を探す。ところがペンケースの中にはなく、加瀬は「あれ?」と焦りだす。鞄の中を探るがペンは見つからない。少しして「ありました」加瀬がペンを取り出すと梨央は安堵の表情を浮かべる。そして梓にも「使っていたよね」と尋ねると梓は「見当たらないのよ、気に入ってたのに」と答えた。気にせず話を続ける梓と対象的に梨央の表情は強張っていく。
同じ頃、富山県警の藤井隼人(岡山天音)が、捜査一課からはずれた大輝を訪ねて来る。大輝が直前まで梨央と会話していたと聞くと藤井は「へぇ、仲良くしとるんですね」といつものように軽口をたたく。そして藤井が「あの…」と言いかけた時、同僚の警察官が通りかかったため、藤井は言葉をのむ。藤井はそのまま「いえ、何でもないです」と帰っていき、大輝はその様子が気になる。
桑田仁美(佐久間由衣)は、大輝からウェルネスホームのペンは5人だけが持つ特注品であると聞いていた。捜査本部に戻った桑田は躊躇うように一呼吸置いてから、山尾敦(津田健次郎)にこの事を報告する。大輝から情報を聞き出したと分かると山尾は「宮崎か?よしよしよし…」とニヤつく。昭殺害時、アリバイがないのは後藤と加瀬と梓。警察はこの3人が怪しいと睨む。
政信が社長を務める真田ビジネスサービスの30周年記念パーティーが開かれた。梨央は梓に連れられて関係者に挨拶をする。それと同時に梨央の中で梓への疑惑が膨らんでいく。政信の挨拶が始まると係の制止を無視して何者かが梨央に近づく。男は週刊討論という雑誌記者だった。すかさず加瀬が「招待状はお持ちですか」と間に入るが、男はお構いなしに「明日発売の号に載ります」とゲラを取り出す。男は「橘しおり(田中みな実)から預かっていたパソコンに残されていた記事です。危険を察知して私に託したのだと思う」「続報も用意している、私達はあなたの不正を徹底的に追求します」と言って去って行った。
翌日、予告通り真田ウェルネスの寄付金詐欺疑惑と、橘の不審死に関するスクープ記事が出た。『老人騙すとかエグ』『真田ウェルネスはオワコン』厳しい世論がSNSで拡散される。そして警察では橘しおりの司法解剖の結果が出た。死亡推定時刻は午後21時から22時へと絞られ、梨央以外のアリバイは未確認だった。
真田ホールディングスの社長室に梓、政信、梨央、後藤が集まっていた。そこへ後藤がやって来る。政信は週刊誌を叩きつけて後藤を責めるが梓がこれを止める。梨央は、橘がどこまで知っていたのか尋ねると後藤は「ほぼ全部を知っていたと思う」と答え、梨央と政信は頭を抱える。出版差し止めを要求するという加瀬に梨央は世間に説明する必要があると反論する。すると梓が「週刊誌の記事に一々反応していたら切りがない」「入居者からお預かりしていたお金は全部愛護団体に寄付しておいたからこれで問題はないでしょ」と言い出す。その時、後藤が吐血してその場に座り込んでしまう。
ベッドで眠る後藤に加瀬は「居場所は守りましょう」と呼びかけて部屋を後にする。「後藤の処分は体調が回復してからにしましょう」梓が政信と梨央に告げていると秘書がやって来た。梓宛てに警察がやって来たのだと言う。加瀬が不在のまま警察と話す事に梨央は不安を感じるが梓は「大丈夫よ」と堂々としている。やって来た桑田は、ペンを持っているかと尋ねる。政信は「こんなの貰ったっけ?」と覚えておらず、梓は「どこかにあるとは思う」「(どこかで落とした可能性については)ちょっと分かりません、ごめんなさい」と答えた。桑田は「10月21日の午後9時から10時頃どこに居ましたか」と質問を変える。政信は大阪出張に行っていたと答え、梓は手帳を確認して「家に居た」「(証明できる人は)居ません」と答える。梨央の中で不安が一層大きくなっていく。帰り際、梨央は梓に「橘しおりさんと最後に会ったのいつ?」と尋ねる。梓は「さぁいつだったかしら、覚えてないわ」と答えた。梨央はそう話す梓の笑顔が気になった。
梨央の元に『今日会える?』と大輝からメッセージが届き、二人は夜に会う約束をする。その後、大輝が警察署に戻ると山尾が来ていた。山尾は「今でも真田梨央と会ってるんだって?」と探り、「協力し合おう」と情報提供を求める。大輝は「自分は捜査一課を外れた人間です」と断るが、山尾の態度に嫌悪感を感じる。
夜、梨央行きつけのもんじゃ屋で大輝と梨央は会う。大輝は借りていたペンを返す。梨央は梓の所に桑田がやって来てペンの事を聞いた事を明かし、「警察はお母さんの事疑っとるんやよな」と尋ねる。大輝は関係者の事は全員疑うのが警察の仕事だと説明する。梨央は「優(高橋文哉)が戻ってきて普通の生活がしたいだけなのに」と落胆する。そして「大ちゃんはこれからの事考えようって言ってくれたけど…」と言った時、注文した品が運ばれてきて梨央は続きを言いそびれる。
自宅では優がパソコンで真田ウェルネスの記事を読んでいた。梨央が帰宅する音がして優は咄嗟にパソコンを閉じる。「体調はどう?」と心配する梨央に優は「めっちゃ頭痛い」と言いながら大学入試の赤本を見せる。治験薬の副作用かと思った梨央は「びっくりした」と安堵する。「勉強は大変だけど目標があるから頑張れる」「大学に受かれば、姉ちゃんの薬が効果あったって証明になる」「絶対合格してみせるでな」と話す優に梨央は「期待しとるでな」と笑った。
翌日、梨央は梓に電話をかけるが留守番電話に切り替わり繋がらない。一方、加瀬は出版社へ行き「この部分が名誉毀損になります」と指摘する。出版社側が「それでも連載を継続する」と言うと加瀬は「広告を出している大手企業が、このような飛ばし記事を出す出版社との関係は見直したい、と」と迫る。加瀬の活躍もあり、週刊討論の連載記事はストップされた。
加瀬はこの事を梨央に報告する。ところが梨央の表情は暗く、加瀬が優しく尋ねると梨央は「お母さんが『ちゃんと寄付したから問題ない』と話したのが怖かった」と吐露する。加瀬は「誰かの正義は誰かの悪」「梓さんが信念を持ってやって来たのは知っているよね」とフォローした。
同じ頃大輝は、万引をした少年の対応をしていた。お店を出た時、大輝は藤井が車から降りてきた所を目撃する。さらに藤井が乗っていた車内には梓の姿があった。
週刊誌の記事は止める事が出来たものの、今度はテレビのワイドショーがこの記事を取り上げ始めた。しかも梨央が、寄付金詐欺や殺人に関わっているかのように報道されている。さらに脳の怪しい薬を開発していると言う動画まで拡散される。梨央の自宅前まで報道陣が押しかける。梨央は「逃げも隠れもしたくない」「社員の不安を取り除き、投資家や病院への説明、対策委員会も立ち上げたい」と気丈に振る舞う。同じ頃、療養中の後藤もテレビでニュースを見ていた。そして手元のタブレットには下落していく真田ウェルネスの株価が表示されていた。
夜、優のバイト先に大輝がやって来た。梨央を心配する大輝に優は「大丈夫そうな顔して頑張ってる」と答える。その後、優は大輝に一つ頼み事をする。その頃、梨央は帰宅するが報道陣に囲まれてしまう。何とか建物内に入ったが、執拗に梨央を追う記者が建物内まで侵入していてしつこく質問を続ける。その時、梨央の部屋の前で待っていた大輝が「何やってるんですか、建造物侵入で逮捕しますよ」と記者を追い返した。優がお願いしたのは、バイト先のご飯を梨央に届ける事兼梨央を守る事だった。
梨央は大輝に助けられた事を感謝しつつも「バチがあたったかな」「嘘もついたし、いっぱい隠し事もしてきた」と愚痴る。すると「ずっと真面目に努力してきた梨央が好きだ」と大輝に言われて梨央は驚く。子供の頃、料理人になりたいと言っていた優の料理に舌鼓を打ちながら梨央は、大輝が子供の頃新幹線になりたいと言っていたと大輝の母に聞いた事を思い出して「昔から早く走る物が好きやったんやね」と吹き出す。『電話魔』だと母親を邪険にする大輝に梨央は「いいお母さん」としみじみ話す。「私はよう分からん、お母さん…」「自分がお母さんをどう思っているのか、お母さんにどう思われているのか」と吐露する梨央。
梨央の家を後にした大輝は、藤井に電話をかける。そして藤井の留守番電話に「聞きたい事がある」とメッセージを残した。一方、梨央はペンを見つめながら梓への疑念を考える。同じ頃、会社で梓は「加瀬君に話しておきたい事があるの」と加瀬を呼び出していた。
翌朝も梨央は報道陣から逃げるように出社する。そして執務室へ向かう後藤に声をかける。後藤は「責任を取ります」と梨央に頭を下げた。梨央の元へ梓から電話がかかってきた。梓は「あなたに約束してほしい事が2つある」と言う。1つ目は、後藤と二人で協力して真田グループを支える事。そして2つ目は、絶対に薬を諦めない事。「梨央ならきっと出来る」「私やっぱりお母さんには向いてないみたい、ごめんね」梓はそう言うと一方的に電話を切った。同じ頃、後藤は書類が散乱した執務室で小さな木箱を手に取る。中には『後藤さん、いつも頼りにしています。感謝をこめて。2007年3月真田梓』というメモとペンが入っていた。そして掛かってきた電話に出た後藤は「え!?」と驚く。
真田ホールディングス前には桑田は張り込んでいた。山尾から「アリバイがないのは梓だけだ。引っ張ってこい」と言われた桑田は会社の中へと入っていく。後藤が慌てて梨央の元へやって来た。そしてテレビをつけると、ちょうど梓の緊急会見が始まるところだった。梓は「真田ウェルネスの報道について説明する」と言う。そして寄付金詐欺について「ほぼ事実です」と言い、入居者に向けて謝罪し頭を下げる。「私の身勝手で、社員達を巻き込んでしまい申し訳なく思っている」「報道で真田梨央が関わっているというのは事実ではない」「娘も真田家の人間も殺人には関わっていません」梓は全ての罪を一人で被った。最後に政信に向かって少しだけ微笑んだ。警察署まで付きそうという加瀬を断り「一人で大丈夫、加瀬さん色々ありがとう。政信と梨央の事お願いします」と梓は一人車に乗り込む。
この会見を見た後藤は「警察に行く」と部屋を出る。梨央は後藤を追いかけて「母に言われたんです、後藤さんと二人で真田グループを支えてほしいって」「だから守って行きませんか?母が命がけで守ってきたものを一緒に」と引き止める。それでも警察に行くという後藤の腕を梨央は掴む。そして後藤がそれを振り払った時、反動で後藤が階段を転げ落ちてしまった。後藤は頭から出血してふらつきながらも歩き続ける。しかし後藤は力尽きてその場に倒れ込んだ。梨央が駆け寄るが後藤は大量に出血している。梨央が加瀬に電話をすると、刑事が梨央に近寄り「真田梓さんの件でご同行いただけますか」と言う。加瀬は「待って、そっちに行く」と言ったが梨央は「一人で大丈夫」と電話を切った。
雨が降る中、梨央は一人でパトカーに乗り込む。梨央が髪をかきあげた手には後藤の血がついていて、梨央のこめかみ付近に血がついた。同じ頃、大輝は藤井が待つ居酒屋へとやって来た。大輝は「彼女(梓)と会っとったやろ」と藤井を問う。藤井は少し間をおいて「俺も先輩に聞きたい事があった」「15年前、台風の夜本当は事件の現場に居ましたよね」と言う。
【感想】
30代・女性
大ちゃん…結婚式に行ったんじゃなかったの???でも大ちゃんはミスリードだと思う。そうでないと、事件を追う大輝が記憶喪失じゃない限り辻褄が合わない。山尾が丁寧語で電話する相手=藤井父(警察の偉い人)、藤井父から情報を聞いた藤井が大輝を怪しむ。でも大輝じゃなくて加瀬!?
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