【アバランチ】最終話「尊厳・衝撃クライマックス!雪崩の結末」 感想ネタバレを詳しく(主演:綾野剛)

2021秋のドラマ一覧

主演:綾野剛
フジテレビ (月曜日22時00分~) 

【内容・ネタバレ含む】
【#10 EpisodeFinal尊厳】
極東リサーチ・藤田高志(駿河太郎)は、かつての婚約者・山守美智代(木村佳乃)ではなく、後輩・羽生誠一(綾野剛)の前に現れた。羽生は自らの直感で大山健吾(渡部篤郎)側にはつかないと宣言する。それぞれが信じる『正義』の食い違いによって、今は全く別の道を歩んでいることを藤田は実感する。そして「3年前、俺も含めて全員死んでいれば、お前と敵にならずに済んだのにな」と言うと羽生に向けて銃弾を放つ。

3年前、藤田は大山に呼び出される。大山は「テロリストは既に日本を発った。CIAが水面下で資金援助を約束して爆破を中止させたらしい」と話す。ところが大山は「作戦を実行する」「これは君にしか出来ない国を守るための特務だ」と続ける。大山は警察内部に犠牲者が出れば政府も危機感を強め、CIAのような組織が設立されれば今後同じような事態が起こっても国内で対処が出来るのだと説明する。「君はただ部下が敵陣に向かうのを見送ればいい」大山の言葉に藤田は耳を疑う。
そうして作戦は実行された。藤田が病院のベッドで目を覚ますと枕元には大山が座っていた。大山は「作戦は成功した」「しかし君も人がいい。仲間を庇うとは」と話す。藤田は「これ以上は出来ません」と言うが、大山はこれを許さなかった。そして「もう後には引けないんだよ」「これは大義だ。必ず実現させる」と脅すように言うと病室を後にした。

羽生に向けられた二発目の銃弾は外れた。羽生は「藤田さん、腕落ちましたね」と笑う。藤田は「世の中にはどう足掻いてもどうにもならない事がある。諦めろ」と言う。羽生は「自分一人で背負おうとしてません?」「自分が犠牲になれば俺や山守さんを守れると思ってません?」「死んだ仲間のために引けないと思っているならまだ間に合いますよ」と冷徹の奥にしまった藤田の想いを見抜く。「目を覚ませ!藤田!!」羽生が怒鳴ると同時に藤田は拳銃の引き金を引く。「二度と俺の前に現れるな」藤田はそう言って立ち去った。

同じ頃、西城英輔(福士蒼汰)は父・尚也(飯田基祐)の元を訪れていた。「俺はアバランチのメンバーなんだ」西城が言うと尚也は「爆破テロを起こす事がお前の正義なのか!?」と怒気を含んで言う。「分かってるんでしょ、それは大山が仕組んだ嘘だって」「3年前にガルシアの逃亡に関わっただけじゃなかった。極東リサーチに武器を横流ししていた」「これが父さんの正義だったんだ」と西城は週刊誌記者の遠山(田島亮)と共に調べ上げた証拠資料を叩きつけるようにテーブルに並べる。「このまま闇に埋もれるのならば放ってはおけない」「どうするかは父さんが決めて」西城はそういうと部屋を後にした。
羽生は、藤田に撃たれた左肩を押さえながらふらふらと歩いている。そこへ明石リナ(高橋メアリージュン)と牧原大志(千葉雄大)がGPSを元に駆けつける。自分達が捕まるリスクを顧みず、羽生を助けに来た二人に羽生は感謝する。一方、特別犯罪対策企画室では、桐島雄司(山中崇)が心配そうに山守の帰りを待っている。そこへ「藤田は現れなかった」と山守が戻ってきた。桐島は「羽生とも連絡がつかないんだ」と嫌な予感がした。
すると扉がノックされ、「君達の処分が決まりました」と大山が入ってきた。桐島は内閣情報調査室に残り国際部のトップに就任、山守も内閣情報調査室へ戻り、西城は捜査一課へと戻る事になった。「羽生君は昔の仲間と思い出話に花を咲かせているだろう」と見透かしたように言う。「まぁ、生きていればいいがね」大山は続ける。
その時、桐島の電話が鳴る。「羽生からです」桐島はそういうとスピーカーをONにして電話に出る。「羽生でーす」羽生は苦しそうに一言言うと電話をリナに渡す。リナ達は側に大山が居る事を知らないので、これからセーフハウスに向かう事、羽生が皆で会いたいと言っている事を話してしまう。電話を切ると大山は「生命力の強い奴だ」と笑い「次はない」と席を立つ。山守は、「全員出頭する代わりに命だけは助けてください」と申し出る。

セーフハウスではリナが羽生の応急処置をする。わざと急所を外す藤田の腕前にリナは素直に感心する。そこへ山守と西城もやって来た。山守は「二人で話しましょう」と羽生を別室に連れていく。山守が「彼(藤田)はもう昔の彼じゃない」と言うが羽生は「俺はそうは思わなかった」と否定する。そして羽生は「総理に会いたい」「いい事思いついちゃった」と続ける。山守は「ここまでで終わりにしましょう」と告げる。
西城は、記者の遠山に全てを話した事を明かす。もし父親が自首しなければ自分が告発して記事にしてもらう予定だという西城の決意をリナは心配する。「覚悟は出来ている」西城の言葉に牧原は「そっか」と微笑んだ。そして牧原が「じゃーん」とアタッシュケースを開けると中には爆弾が入っていた。「打さん(打本・田中要次)よっぽどヤバい人だったんだね」と三人は笑う。
そこへ話を終えた山守が戻ってきた。「自首してほしい。それ以外に助かる方法はないの」と言う山守。しかしメンバー達は誰も首を縦にふらず「交渉決裂です、山守さん」と羽生が言う。その時、外の防犯カメラに一台のワゴン車が映る。「極東リサーチ、連れてきたのは山守さんですよね?」羽生が言う。
極東リサーチの貝原らが車から降りてきた。山守は貝原に「説得できなかった」と告げる。「こちらで処理する」と言う貝原に山守は「お願い、命だけは」と懇願した。貝原らがセーフハウスに入るが中には誰もいない。すると突然電気が消え、窓の外を横切る人影が映る。極東リサーチが窓に近づいた時、キーンという音と共に赤外線が張り巡らされる。二本の赤外線がそれぞれ極東リサーチメンバーの体に当たっている。貝原は「動くな」と指示する。赤外線が放出されている機器には、時限爆弾のような物が取り付けられていたのだ。
そこへ羽生が現れた。「そういう事。レーザーポインターから外れてもドカン。もちろんこれから触れてもドカン」「3分切ってるぜ、やるぞ」と羽生は貝原を挑発する。一方、外ではリナが男と対峙している。リナは男から拳銃を奪うと中から銃弾を抜いて投げ捨て、素手で闘いを挑む。
心配そうにセーフハウスを見つめる西城に山守は「行きましょう」と声をかけて車に乗り込んだ。
残り13秒。羽生は貝原を倒す。そして「もう終わりだな」と笑う。貝原ら極東リサーチのメンバーは死を覚悟して目を瞑る。爆弾のタイマーが0秒になってピーという音が鳴り響く。「嘘に決まってるだろ」羽生はそう言うとレーザーを気にして動けずにいた極東リサーチメンバーを次々に倒す。「極東、意外とピュアだな」そう言って羽生は外に出ると待っていた牧原とリナの車に乗り込む。牧原は、「総理大臣・郷原栄作(利重剛)に会うなら明日の記者会見後だ」と教える。

桐島と山守は、大山に呼び出される。部屋には藤田の姿もある。大山から「極東リサーチがアバランチにやられたのは君の作戦か?」と問われた山守は「いいえ、それは極東リサーチの力不足かと」と答える。そして決意が固まったのか聞かれた山守は「はい」と答え、羽生達の位置情報をリークする。「会見後に総理に接触する予定が罠だったとしたら?」と疑う大山に山守は無表情のまま「その時はお好きに処分なさってください」と言う。
山守と桐島が部屋を出ていくと、大山は藤田に話しかける。「危険分子である羽生が総理に近づいた場合は射殺も厭わない、そうでしょう?」「終わらせてください」と言われた藤田は「わかりました」と答えた。

牧原達の車は、会見場の近くに停車する。肩を負傷している羽生はかなり辛そうだ。それでも「じゃあ、行ってくるわ」と羽生はひとり平静を装って車を降りる。牧原は堪らず車を降りて羽生に「またね」と声をかける。笑ってピースサインを見せる羽生に牧原は「ダッサ」と軽口を叩く。
会見場に向かう途中で羽生は、アバランチの象徴である仮面をつける。傷口を手で押さえていたので、仮面には血がべっとりと付く。同じ頃、藤田はSPのようなスーツ姿で支度をしている。やけどを負った右手をグーパー動かすと決心した表情で手袋をはめる。
建物の外では、郷原総理が居合わせた民衆と握手をしている。羽生はそこへ近づいていく。一人の女性が羽生を見て「キャー」と悲鳴を上げる。羽生はSP達を次々と倒していく。
その頃、牧原とリナも道を歩きながら仮面を装着する。リナ達がやって来たのは、品川東警察署。リナ達は警察署の前で両手を上げた。
羽生は、自分に銃口を向ける藤田を見つけると仮面を外す。そして両手を広げた。藤田は両目を瞑る。次の瞬間、バーンという銃声が響いて羽生が倒れる。羽生を撃ったのは、藤田ではなくビルに待機していた狙撃班。藤田はそっと銃をしまうとその場から立ち去る。腹部を撃たれた羽生は口から血を流しながら、郷原に近づく。そしてポケットから何かを取り出そうとするがSPに取り押さえられてしまう。郷原は、羽生が差し出した何かを気にするが、SP達に強引に退避させられてしまう。
取り押さえられた羽生は、その場で力尽きてしまった。羽生の右手から、花のペンダントが落ちる。

テレビのニュースでは、羽生が逮捕されて意識不明の重体だと伝えている。山守はこのニュースを大山と共に見ている。大山は「アバランチのお陰で、対テロ対策法案もすんなりと可決されそうだ」と言う。そして「山守君、本当にありがとう」と深々頭を下げた。
警察署の廊下で西城が立っていると、父・尚也がやって来た。申し訳なさそうな表情の西城に尚也は「そんな顔するな。俺は俺の正義を決めただけだ」と言って立ち去った。西城は「父さん、ありがとう」と言った。その後、尚也は会見を開く。そして「押収した武器を民間機関・極東リサーチに横流しするよう指示しました」と話す。
出版社では、遠山の元に尚也が不正を認めたと知らせが入る。遠山は編集長に、尚也自身から受け取っていた告発文を見せながら「アバランチの真相を世に出しましょう」と話す。遠山の熱意に押され、編集長はアバランチ擁護記事を出す事を認める。
同じ頃、大山から感謝された山守は「礼には及びません」と答える。そして笑顔を浮かべながら「ここからが雪崩の始まりですから」と言う。
遠山の記事が世に出ると一気にアバランチへの風向きが変わる。あの爆破の日、打本が「逃げろ」と必死に非難を呼びかけている動画も拡散され、『これが真相なんだね』『アバランチありがとう』というコメントであふれる。SNSのコメントを見ながら山守と西城は『雪崩が起きた』と確信して頷く。
郷原総理が窓の外を眺めながら考え事をしている。郷原の机上には『爆破テロ事件誤認逮捕か?』という見出しの新聞が置かれている。同じ頃、大山はテレビで尚也の会見を見ていた。そこへ秘書・福本優美(堀田茜)が、郷原が読んだ物と同じ新聞や遠山の週刊誌を持ってくる。大山は福本に「こんなものは雑音です。職務に邁進してください」と苦言を呈する。その時、テレビで速報が流れる。「郷原総理が大山内閣官房副長官の更迭を発表しました」という内容に大山は驚く。
会見を終えた郷原の元へ大山がやって来た。「羽生君に全て聞きました」と郷原が言うと大山は「テロリストに耳を傾けるのですか」と抗議する。郷原は携帯で動画を見せる。それは羽生が藤田に撃たれた時、羽生がこっそりと撮影していた物だった。

病床には管に繋がれてはいるものの元気そうな羽生の姿があった。郷原はSP達に表で待つよう指示すると一人で病室へと入る。「君から直接アバランチについて話を聞きたい」「国民の話を聞くのが総理の仕事だからね」と郷原は言った。

「国民は彼らを信じようとしている、私もそう思う」「大山さん、やり過ぎちゃったね」郷原の言葉を大山は噛みしめるように受け取った。部屋の外で待っていた山守に大山は「やってくれたな」と言う。「これで全て終わりです」と言う山守に大山はどこまでが計算だったのか尋ねる。山守は「全てです」と答えた。

セーフハウスで羽生に「極東リサーチを連れてきたのは山守さんですよね」と言われた時、山守は「あなた達を自首させると言ってきたの」と明かした。西城は裏切られた気持ちでいっぱいになる。しかし羽生は山守の真意を見抜いていた。「ははは、もうお芝居やめません?俺達の命を守るためにわざと大山に寝返ったフリをしてくれたんですよね」と羽生は言う。「もう一人で闘わなくていいんじゃないですか」羽生の言葉に山守の目から涙が流れる。メンバー全員が羽生と同じ気持ちだとみんなの表情から受け取った山守は「信じていい?」と確かめる。
羽生が最後の作戦を説明する。リナと牧原は自首、羽生は総理暗殺の犯人として逮捕される。国民の関心を最大限に引きつけた所で西城父の不正が暴かれるという手順。「それとこっちには最強の切り札がある」羽生が取り出したのは、あの日総理に渡そうとしていた花のペンダント。それは以前、リナが潜入捜査する際に打本から送られた打本特製カメラ付きペンダントだった。そこには、藤田と羽生の会話が録画されていた。「これを見れば世論は必ず動く」羽生は確信を見せる。「最後の最後に信じてみようぜ」と羽生が言うと西城が「正義の力ってやつを」と続く。山守は大きく頷く。

大山は「あっぱれだ。国民を信じていなかった私の負けだ」と言う。「ここは一先ず引くとする」「羽生君にもよろしく」大山はそう言って立ち去った。

ー数週間後ー
看護師が点滴の交換にやって来ると病室に羽生の姿がない。羽生が行方不明になった事は山守や西城の耳にも入った。「羽生さん、どこ行ったんですかね」と心配する西城。山守は「そうね」と答えるがそんなに心配していない様子で、企画室の片付けをしている。藤田も行方不明だと言う。
西城は「俺は警察内部で闘っていきます」と決意表明する。その表情は最初の頃とは打って変わって頼もしいものだった。一方山守は、内閣情報調査室に戻る事を断っていた。「正義の力を信じたいと思っている大勢の人達に寄り添いたい、それを羽生君が教えてくれた」と山守は微笑む。「羽生さん、何者なんですかね」西城が呟くと山守は「羽生な何者でもない、私達と同じ」と言う。二人は堅く握手をすると山守は「西城君ありがとう」と言って立ち去る。西城は名残惜しそうに机に触れると電気を消して立ち去った。
藤田はビルの屋上でジッポを見つめながら物思いにふけっていた。その頃、山守は『アバランチの時代』というテーマで遠山の取材を受ける。「アバランチとは私達と同じ、この国に住む名もなき人間達です」山守は話す。「私達は行動することを忘れていたのだと思います」「アバランチとして行動することで救われる誰かが居るって事もわかった」リナは話し「180度変える事も360度見渡す必要もない」と牧原も続く。「些細な日常を守りたい。そう思って行動を起こした結果がアバランチだったのだと思います」と山守は自信を持って答える。「たった一度だけ角度を変える勇気を持てばきっといつか大きな雪崩となるはず」牧原は空港を歩く。桐島は内閣情報調査室・国際部門で活躍している。
遠山は山守に「羽生さんは今どこに」と尋ねる。山守は「羽生君はきっと戻ってくる。だって彼の役目はまだ終わっていませんから」と微笑む。西城が銀杏並木の道を歩いていると「西城君、成長したな」と羽生の声がして西城は振り返る。しかし羽生の姿はどこにもない。それでも西城は微笑むと再び前を向いて歩き出す。羽生は車を走らせた。

【感想】
30代・女性
最初から山守は大山の手下だったの!?と錯覚する位、見事な山守にすっかり騙された。最後、雪崩が起こってよかったと思う反面、打さんにも生きていてほしかった。羽生はまた困っている人の元へ向かったのであろうというラスト、続編を期待する。スカッとする瞬間をもっともっと見ていたい。

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