主演:綾野剛
フジテレビ (月曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#09 Episode8崩壊】
ー1年前ー
山守美智代(木村佳乃)に連れられて羽生誠一(綾野剛)が向かった先には、桐島雄司(山中崇)が居た。「彼も協力してくれる事になった。あくまで裏側で」と山守は桐島を紹介する。山守は、大山健吾(渡部篤郎)の右腕的存在として活躍している桐島を【アバランチの切り札】と考えていた。そして三人は、『今後連絡は取り合わない事』『桐島が仲間であると知っているのはこの三人だけで他のアバランチメンバーには言わない事』を約束する。桐島は「もう誰も死なせない。全員で生き残る、それが俺が入る意味だ」と言い、万が一の逃げ道を考えておくと言った。そして桐島と羽生は「全部終わったら呑みに行こう」と約束する。
ー12月3日ー
大山に呼び出された山守は会議室へと行く。そこで大山が招き入れたのは、3年前に偽装テロ事件で命を落としたはずの藤田高志(駿河太郎)だった。「高志…なんで」山守は驚きの中、声を絞り出す。桐島も「生きていたならなぜ連絡して来なかった」と問う。藤田は「話せば長くなる。大山さんに招集されてからずっとお前達の動向を見ていた」と言う。未だ信じられないといった様子の山守、目から涙を流す桐島とは対照的に藤田は淡々と続ける。「俺は今、極東リサーチに居る」「美智代がした事もアバランチがした事も全て把握している」「総理が誘拐された後の作戦変更を桐島に知らせなかったのは、俺の判断だ。二人が繋がっているかもしれないと思ったからだ」藤田は明かす。「どんな条件だったら、仲間の死を乗り越えて大山側に付けるというんだ」桐島の中に怒りの感情が芽生える。「山守がどんなつもりでここまでやって来たのか、お前分かっているだろ!?」「全部お前のためにやった事だぞ!!!」桐島は怒りをあらわにして訴えかける。藤田は「わかってる、すまなかった」とまるで他人事のように山守に謝る。「でも分かってるだろ、アバランチは失敗した」と言う藤田に山守は「目的は一体何なの」と尋ねる。「大山さんの目的を達成する事」藤田はそう答えると山守と二人で話したいと桐島に退席を求める。
桐島は怒りと悔しさを滲ませながら廊下を歩いていく。緊張の糸が切れた山守は激しく咳き込んでしまう。藤田は山守の背中を優しくさすりながらも「真実を話せば、きっと分かってくれる」と大山を支持する態度を変えなかった。
ー11月29日(4日前)20:00ー
桐島の手引きで極東リサーチから逃げ延びた羽生は、アバランチの後ろ盾である大道寺(品川徹)の屋敷に行く。「作戦を立て直し次第、反撃する」と言う羽生に大道寺は「大山には完敗だ。これ以上の犠牲者が出る前に勇気ある撤退をする事も大切だ」と説き、羽生に逃げるように言う。それでも羽生は諦めきれず「雪崩は確実に起こり始めている。死んだ仲間や藤田さんのためにも引くわけにはいかない」と食い下がる。「君には生きて欲しい」大道寺は願うが「一人でもやります」羽生の決意が揺らぐ事はなかった。
羽生が車に乗り込むと桐島から電話が入る。仲間の無事を心配する羽生に桐島は「無事だ。しかしまだ追跡されている可能性があるから会ってはいけない」と忠告する。電話を切ると桐島は周囲を気にしながら車に乗り込んだ。同じ頃、牧原大志(千葉雄大)と明石リナ(高橋メアリージュン)は人里離れたコテージにやって来た。中には、食料やパソコン、大きめの鞄などが用意されていた。牧原がテレビをつけると、ちょうどイベント会場での爆破事件のニュースが報道されている。警察は、この爆破をアバランチによるテロ事件として羽生を指名手配したと伝えている。さらに羽生には戸倉(手塚とおる)殺害容疑もかけられていた。「私達も時間の問題ね」リナ達は覚悟を決める。
ー12月3日ー
警察署内で飼い殺し状態の西城英輔(福士蒼汰)は、パソコンを見ていた。そこには打本鉄治(田中要次)が爆弾オタクの愉快犯だとニュースで伝えており、SNS上は打本への誹謗中傷で溢れている。この現状に西城は苦痛の表情を浮かべる。そこへ『美味しいカレー屋さん見つけたんだけど、お昼どう?』と福本優美(堀田茜)からメッセージが届く。
優美は官邸に居ても正確な情報が得られない状況を嘆き、「アバランチ格好良いと思っちゃったけど、ただのテロリストだったかぁ」と言う。西城は「そんなわけないじゃん」と声を荒げた。西城がアバランチと関係している事を察した優美は「話して」と言うが、西城は「全部終わったらちゃんと話す」と答えた。
会議室。山守は「あなたの考えは変わらないのよね」と藤田の意思を確認する。藤田が「良い返事を待ってる」と言うと山守はバタンと大きな音を立てて部屋を後にする。そして山守は桐島が居る会議室へとやって来た。「アバランチを解散して戻ってきてほしいって」と山守は藤田に言われた事を明かす。そして「私、間違ってたのかな。皆を巻き込んで」と肩を落とす山守に桐島は「言い出したのは君でも、もう自分の事になっている。これからの事はそれぞれに判断を委ねればいい」と優しく答える。「とりあえず、藤田の事は大道寺さんに報告した方がいい」桐島の言葉に山守ははっとする。
山守は大道寺に電話をかけて、藤田が大山の下で暗躍していた事を報告する。大道寺は「羽生は自分の道を信じて出て行った」「破滅的とも言えるが何かを変えるかもしれない可能性を感じた」と話す。その時、大道寺の周りに極東リサーチが現れた。大道寺は「どうやらお別れのようだ」と言う。不思議に思う山守は電話の向こうで、大道寺が何者かに襲われている音を聞いた。
桐島は羽生に電話をかける。そして藤田が生きていて極東リサーチに居る事を告げる。羽生の目から涙が溢れ、声を押し殺す。さらに桐島が大道寺まで捕まった事を伝えて「俺達は敵にする相手を間違えた」と言うと羽生は怒りの感情を抑えきれなくなる。そして「マッキー達が危ない!」羽生は、危険だと言う桐島の制止を聞かずにコテージへと車を走らせる。
山守は「もう誰も失いたくない」と桐島に大山の元へと戻るように言う。「そんな事出来るわけない!」桐島が反論した時、桐島はふと何かが思い浮かび、テレビをつける。テレビでは、アバランチの首謀者として大道寺を逮捕したと速報で伝えている。山守達は窮地に追い込まれる。
ニュースで大道寺が関係していた事を知った西城は、山守に真相を尋ねる。山守は素っ気ない態度で「大山の作戦は成功した。藤田も生きていた。これからの事にあなたは関係ないからもう抜けて」「もうすぐ辞令が出てあなたは元の場所に戻る。そこで職務を全うして」と話す。「苦しい気持ちも悔しさも全部飲み込めって事ですか!?」「大山さんは間違っている、打さんは正しい事をした」西城は感情的になる。「だとしても、あなたに出来ることはもう何もない」山守はそう言って立ち去った。
車を走らせながら羽生はこれまでの事を思いだす。『誕生日プレゼント、大事にしろよ』と藤田が愛用のジッポをくれた事、あの爆発、『生き残ったのはお前だけだ』という戸倉の言葉、『一緒に闘ってほしい』という山守の言葉、『正義は勝つよね?』一人敵に立ち向かったあかり(北香那)、アバランチのメンバーと出会った日、悪どい政治家達を成敗していった日々、苦しい過去に立ち向かったリナ、『仲間っていいもんだよな』と笑う打本、父親から巣立った西城の葛藤…そしてこれら全てに立ちはだかる大山。『お前は直感を信じて先頭を走れ、正義の力を信じて』という藤田の言葉、最後まで正義を信じぬいた打本の姿に羽生は涙を流す。
そして羽生はコテージに到着する。ところがコテージの中は夜なのに明かりがついておらず、羽生は異変を感じる。周囲を確認しながら羽生は一つ一つ扉を開けて進む。その時、暗闇から何者かが羽生に襲いかかる。羽生は攻撃を避けながら「俺だ、羽生だ」と言ったが強烈なパンチが顎にヒットする。次の瞬間「羽生ちゃん!?」とリナが攻撃の手を止めると牧原が部屋の電気を点けた。三人は再会を喜び、リナの手料理に舌鼓をうつ。「リナが料理出来るとはな」「サバイバルは楽しまなくちゃ、マッキーまじで何も出来ないから」「羽生ちゃんはお腹すいてるから何でも美味しいって言うんだよ」「はぁ!?殺そうか」「ははは」三人はつかの間の日常を取り戻して笑顔になる。
羽生は「アバランチな、もう終わりだ」「解散、終了」と切り出す。「ここで引けるわけないじゃん」リナは反論するが羽生は「そもそもその考えが間違っていた」「生き抜くことが全てだ」と答える。「打さん死んだんだよ」「だからこそだ」二人の意見はどこまでも平行線を辿る。リナが堪らず羽生をビンタして「大丈夫、悪は必ず滅びるって言ってくれたじゃん」と言う。牧原も「姉ちゃんの事件の時、決着つけろって後押ししてくれたじゃん。羽生ちゃんは良いの?決着つけなくて」と続く。「二人ともこれからは自分の人生を生きろ」羽生はそう言ってコテージを後にする。
警察署では、西城が怒りの感情を抑えられなくなっていた。西城が八つ当たりをして机を蹴り、席を立った時、ひらひらとプリントが床に落ちた。それは父親を権力のトリアージによって亡くした上杉亜矢についての調査報告書だった。そして西城は、以前『毎朝ジャーナルの記者に声かけられた』と話す牧原を思い出す。後日、西城は上杉と会う。西城の予想通り、毎朝ジャーナル・遠山(田島亮)は上杉の元へも来ていた。上杉は「アバランチはテロリストじゃない、心から感謝している」「記者さん(遠山)もアバランチに感謝している人はたくさんいると言っていた」と話した。
その後、西城は毎朝ジャーナルを訪ねる。「遠山さんですか?」西城が声をかけると遠山は「あなたは…」と驚く。遠山の机上にはイベント会場での西城を撮った写真が広げられていた。丁寧な態度で遠山は西城を別室へと案内する。そして「あの日、西城さんがアバランチのメンバーと話している所も目撃しています」と明かす。西城は「僕は、アバランチのメンバーです」「何が起こっているのかお話したいと思います」と言って遠山を驚かせる。西城は「それと知恵を貸してください。どうしたら皆の無実を晴らせるのか」と続けた。
その後、遠山は【極東リサーチ】について調べ始め、西城は警察のデータベースで【退職者】を調べ始める。遠山は極東リサーチという言葉に聞き覚えがあった。そのため、遠山は組織を、西城はメンバーとして思い当たる人物をそれぞれ調べて共有する約束をした。さらに遠山は、組織に自衛隊から武器が横流しされているとすればそこを突く事が出来るはずだと提案した。西城が調べると久米スミレや貝原隆史、浦和利次などのデータを見つける事が出来た。遠山は「陸上自衛隊に居た時のお話を聞きたい」と関係者に連絡を取る。
一方、山守は打本の娘・さなえ(黒川智花)の元を訪ねる。すみれは「(鉄治が)指輪、ずっとしてたんですね」と言う。そして「父とは職場が一緒とかですか?もしかしてアバランチ」と指摘する。さなえは配信を見てすぐに父親だと気づき、「頼むからバレないでくれーと祈るように見ていた」と続ける。「違いますよね!?」さなえの言葉に、ずっと黙っていた山守が「えっ?」と反応する。「お父さんは…爆弾魔なんかじゃ、ないですよね」「馬鹿で不器用だったけど、優しいお父さんだったんです」さなえは目に涙を浮かべながら言葉を絞り出す。山守は「お父さんが一人で爆弾を持って犠牲になり、多くの人の命を救ってくださったんです」と一生懸命に説明する。「何やってるんだよ、馬鹿親父」さなえは号泣し「本当に申し訳ありませんでした」と山守は土下座をするように頭を下げる。「お父さんは正しい事をしたんでしょ、だったら謝らないで」さなえは顔を覆う。
山守が打本家を後にすると目の前に羽生が現れたので山守は驚く。羽生は「藤田さんに会ったんですよね、どうでした?よく生きてましたよね」と世間話でもするように話し始める。「アバランチは失敗した。あの頃には戻れない」山守が答えると羽生は「でもまだ一人で闘うって目してますね」と心の中を見透かしたように言う。「山守さん、死んじゃダメっすよ」羽生は言い、山守は「ありがとう」と微笑んで立ち去った。
西城はひとり、リストを元に情報収集を行っている。遠山に会ったあの日、西城は「もう一つ調べてもらいたい」と父・尚也(飯田基祐)のデータを遠山に手渡していたのだ。そこへ山守がやって来て「まだ諦めてませんって顔してるわね」と呆れる。西城は山守の方を見ずに「はい、昨日言った通りです」と答えた。西城は、毎朝ジャーナルの記者にアバランチの全てを話した事、極東リサーチとの不正が見つかればそこから崩せるかもしれない事を明かす。山守は「記事が出る事はないし、出たとしてもゴシップ記事で根幹を揺るがす事はできない」と叱る。「もし俺の親父が関わっていてもですか?親父は3年前のテロ事件の生き証人で共犯者です」「罪に問えればきっと何かが変わる、大山にもとどきますよ」西城の本気を目の当たりにした山守は「どうしても引かないのね」「羽生に似ちゃったのね」と言った。
ひとけのない屋上で山守と桐島が会う。桐島が「結論は出たんだね」と言うと山守は「えぇ」と答える。そして「最後にお願いを聞いてほしい。これから藤田と会う。万が一のために会う場所と時間を把握していてほしい」と依頼する。山守の並々ならぬ決意の表情に桐島は「おい」と心配するが、山守は「お願いね」と念を押して去って行った。
ー12月5日12:30ー
山守は『会って話をしましょう。明日の11時東都ビルメンテナンスで』と藤田にメッセージを送り、藤田は『了解』と返信した。
同じ頃、西城の元へ遠山から尚也についての報告が入る。数年前に尚也が拳銃などを横流ししていると内部告発があったものの、上層部がもみ消した過去があったようだ。遠山は証拠を集められそうだと言う。そして「西城さんと名字が同じなのですが…」と尋ね、西城は「私の父です」と答える。遠山は衝撃を受けると共に西城の本気を感じた。
警察署に戻ってきた山守は自分の机の奥から茶封筒を取り出す。中には拳銃が隠されており、山守はそれをジャケットの胸ポケットにしまう。ジャケットの上から拳銃に手を当てて、山守は決意を新たに外出する。緊張の面持ちであるビルのエレベーターに乗り込む山守。それはかつてアバランチがアジトとしていたビルだった。時を同じくして西城も、緊張の面持ちで山守とは別の建物のエレベーターに乗り込む。西城が訪ねたのは、父・尚也の元だった。西城が一呼吸してから扉を開けると尚也は「アバランチの件についてか」と言う。「あぁ」西城は鋭い視線を尚也に向ける。
そして山守も扉の前で拳銃に手を添えながら深呼吸をする。決心して扉を開けたがそこに藤田の姿はなく、山守は辺りをきょろきょろと見渡す。同じ頃、羽生は3年前の爆破テロがあった場所へ向かう。そこに待っていたのは藤田。「藤田さん、ちゃんと生きてたんですね、元気そうですね」と羽生はそっと藤田を抱きしめた。ふっと藤田は笑い「お前もな」と返す。羽生は「分かります?最高の仲間に出会えたんで」と答えた。羽生は「ちゃんと見てたんですね、アバランチチャンネル」と言う。藤田は、アバランチチャンネルのチャット欄に羽生が書き込んだ『ジッポ返してもらえますか。明日11時にあの場所で』というメッセージを読んでこの場所に来たのだった。「一体、何があったんですか」という羽生に藤田はタバコを一本差し出す。そして自分の分と羽生の分にあのジッポで火をつけた。藤田は「お前は俺が言った通り直感で自分の正義を信じた。それが今は俺の正義と食い違ってるってわけだ」と言う。羽生は「そうですね」と答え、「どっちにしろ、大山には俺を消せって言われてますよね」と本題に迫る。そして「何があっても大山にはつきません。それは俺の直感です」と羽生は断言する。藤田は「3年前、俺も含めて全員死んでいれば敵にならずに済んだのにな」と言って銃口を羽生に向けた。「ごめんな、羽生」藤田はそう言って発砲する。銃弾が羽生の左肩を撃ち抜く。苦悶の表情を浮かべて藤田を見つめる羽生に藤田は躊躇う事なく、もう一発発砲した。
【感想】
30代・女性
撃たれた羽生、コテージには爆弾…アバランチが死んでしまうかのような次週予告が怖い。
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