主演:横浜流星・浜辺美波
日本テレビ系 (水曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【真犯人は女将!?ついに正体を明かす日が…!!】
光月庵の亡くなった旦那様・樹(鈴木伸之)の本当の子は、椿(横浜流星)ではなくて私…。真実を知り、椿との子を妊娠していることも正体を明かすことも出来ず悩む七桜(浜辺美波)は、一度は光月庵を後にするも多喜川(山崎育三郎)の助言によって母の無実の真相を知るため、再び光月庵へと戻る決心をする。
そして年に一度開かれる大旦那・宗寿郎(佐野史郎)の茶会『夕ざりの茶事』当日。厨房では、椿が『夕顔』の御菓子を丁寧に作り上げていく様子を見て、七桜は「キレイ」心の底から御菓子に見惚れていた。ふたりの仲睦まじい様子を厨房の外から今日子(観月ありさ)が睨み見ていた。茶会の支度に忙しくしながらも七桜は、この茶会の後にだけ錠が解かれるという樹の部屋に入る機会を狙っていた。茶室で多喜川や栞(岸井ゆきの)など大事な来賓をもてなす膳が振舞われる。栞は膳を運んできた七桜に、椿には許可をもらったと恐縮するが七桜は自分の無礼を謝った。それでも他の招待客達は「あれが結婚式に乗り込んだっていう…」「図々しい」などと七桜にも聞こえるような声で陰口をたたく。そこへ「桜の根っこが太いことをご存知ですか?根が強く太い桜こそが美しい花をたくさん咲かせる」「そのくらい図太くなければこの店はやっていけないでしょう」と宗寿郎が現れた。多喜川のフォローもあり、場はおさまるが今日子は面白くなさそうに表情を歪めていた。
厨房で七桜は椿が完成させた『夕顔』を見つめていた。「椿にしか出せない繊細な線。椿が作る御菓子は全部目に焼き付けておきたい」七桜は言った。茶会の席に出された『夕顔』は招待客に好評だったが、ただひとり宗寿郎だけは気難しい顔をしていた。給仕をしている最中、城島(高杉真宙)は七桜に悩んでいることがあるなら自分にだけは何でも言ってほしいと話す。戸惑いうつむく七桜に「俺じゃだめですか」という城島。すぐに「あっほら、借りがあるから」と誤魔化したが、城島は本心から七桜を想い、心配しているようだ。「俺に出来ることがあれば何でも」という城島に七桜は「じゃあ、いつか絶対にしまやを再開してね」と言うのだった。空は満月が隠れ、雷雲がたちこめていた…。
一方、宗寿郎の遺言書を始末しようと茶会の合間に部屋を漁っていた今日子は、初座の終わった宗寿郎と鉢合わせてしまう。怖い表情で「捜し物はこれか?」と宗寿郎は懐から遺言書を取り出す。そして「そんな夜だったな、私が初めてお前に疑念を抱いたのも」と宗寿郎は続ける。数年前のある夜、茶会で帰りが遅くなった宗寿郎は庭を通って部屋に戻ろうとした。その時見てしまったのだ、今日子が樹ではない男を密会しているところを…。その時、初めて人が獣に見えたという宗寿郎の告白にただ驚くばかりの今日子。「椿が似ているんだ、あの男に」と言う宗寿郎に今日子は「その遺言書を渡してください」と掴みかかる。「加賀御三家の娘で、蝶のように美しく聡明。光月庵の良い嫁になると思った」と言う宗寿郎。「だが蝶ではなく、この店を飲み込む邪の蛇だ!!」怒鳴りつける宗寿郎に「私をそうさせたのは誰ですか?」と今日子は涙ながらに今まで隠していた悲しい過去を明かす。一生、樹と光月庵に尽くそうと嫁いできたのに、樹は一度も自分に触れる事すらなかったのだ。「ただの一度も…」涙を流す今日子は「どうして私から何もかも奪うのですか」「この店を継ぐのは椿なんです、絶対に!!」揉み合いになり、宗寿郎は倒れたはずみに机の角に後頭部を打ってしまう。今日子は奪った遺言書に気を取られて事態に気づいていなかった。今日子が気づいたとき、宗寿郎は動かず頭から大量の血が流れ出ていた。今日子は一度は助けようとするが、思いとどまり宗寿郎を置き去りにして部屋を後にする。宗寿郎の傍らでは、倒れた燭台のろうそくから、畳に火が燃え移り始めていた。
後座の準備をしているはずの宗寿郎が茶室にいないことを不審に思った七桜は、以前山口(和田聰宏)から聞いた言葉を思い出して樹の部屋へ向かった。錠前の外された扉を開けて部屋に向かうとそこには樹の着物を愛おしそうに抱きしめる今日子の姿があった。そして七桜は思い出す。15年前の事件の現場、あの庭で振り返った七桜が見たのは佇む今日子の姿だったのだ。今日子はあの日、椿を誘導して証言させ、百合子を犯人に仕立て上げていたのだ。
七桜が戻らない事を不思議に思った椿は、七桜を探して茶室へやってきた。誰もいなくて暗い茶室で釜を見た椿は幼い頃の記憶が蘇る。父と茶道の練習をしたこと、そしてあの日父と百合子(中村ゆり)が抱き合って話していることを。樹は光月庵を椿に継がせるつもりだと話している。そして七桜が椿に『サクラ』と呼ばれていることを微笑ましく思い喜ぶ。そして『サクラ』について樹が言った言葉を思い出してはっとした椿は、急いで茶室を後にする。
茶会の最中に何をしているのか尋ねられた今日子は、着物を干していると言い訳をする。そして樹の死について、職人に仕事のことで逆恨みされて殺されたと話す今日子に、七桜は常連に聞いたと言って「旦那様と職人は仲が良かった、愛し合っていた」という事実を突きつける。今日子の中で七桜とあの時の百合子の姿が重なって見える。「樹さんを返してください」と泣いて懇願する百合子への憎悪を爆発させた今日子は「心底ふたりが憎らしかった」と七桜に襲いかかる。「本当のことを言ってください」と食い下がる七桜は、ついに自分が『サクラ』であることを明かす。「私は大倉百合子の娘です」その言葉を聞いて今日子は高笑いをする。その言葉を椿が聞いていたのだ。「あの子(七桜)にはこんな店の呪いに縛られずに自由に御菓子を作ってほしい」あの日の樹の言葉を思い出した椿は呆然とする。「七桜、嘘だよな…」懇願するように尋ねる椿。七桜は一瞬お腹の赤ちゃんに手を添えるも「私はお母さんの無実を証明するためにここに来たの」と告げる。「全部嘘だったのか…」とうつむきながら問う椿が顔を上げるとその瞳は憎しみが宿った鋭い目に変わっていた。
一方その頃、屋敷では火事が発生、大騒動が起きていた。危険を知らせに来た山口に大旦那が行方不明だと聞いた椿は自分が探すと部屋を出て行こうとする。七桜は椿を想う気持ちだけは嘘じゃなかったことを伝えようと椿の背中に「ここで椿を待ってるから」と告げた。
燃え盛る炎の中、宗寿郎を救出するため、煙と炎の中に向かった椿は、煙にやられて倒れてしまう。意識が朦朧とする中、幼い日の七桜の幻影を見た椿は、自分から全てを奪いに来たはずの七桜がかけてくれた優しい言葉を思い出す。憎らしい相手のはずなのに思い出される幸せだった日々に一筋の涙を流す。その時、椿の頭上に天井が焼け落ちてくる。一方、危険が迫る樹の部屋で椿が戻るのを待つ七桜の元には、城島が駆けつける。頑なに椿を置いて逃げることを拒否する七桜だが、突然お腹に痛みが走り倒れてしまう。意識が朦朧とする中、七桜は多喜川に助け出された。
2日後―。七桜は病室で目を覚ます。傍らには本当の母親のように心配して付き添う夕子(須藤理彩)の姿があった。七桜は開口一番に椿のことを尋ねるが、夕子は詳しい状況は分からないという。それでもあの火事で亡くなった人はいないからきっと無事でいると知って、七桜は安心する。ところが、流産してしまったことを知った七桜は激しく自分を責めた。病室のニュースでは火事後の光月庵の様子が伝えられ、椿が大旦那を助けた後、光月庵を継ぐ人間が使う御菓子の道具を取りに行ったことを知る。ずっと嘘をついていた自分が許されないのは仕方ないと思いつつも、椿は自分ではなく代々伝わる道具を選んだことに、七桜はショックを受ける。そして結局、母は今日子のせいで犯人に仕立てられたと分かったにもかかわらず、無実は証明できなかった七桜は悔しさで泣き崩れる。そんな七桜を心配してひとりの少女が和菓子を差し出す。こんなときでも七桜を救うのは御菓子であった。そこへやってきた多喜川にこれからどうしたいか尋ねられた七桜は、光月庵のことも椿のことも全て忘れ、ただ純粋に御菓子作りをすると決意する。
3か月後―。火事から復旧した光月庵には、新しく和菓子教室を始めた椿の姿があった。火事から10日間意識の戻らなかった椿は、姿を消した七桜のことを捜し続けていた。自分の気持ちが愛情なのか憎しみなのかわからない中、ただ七桜を捜すことをやめられない椿に、今日子は「あなたには向き合うべき人が他にいるでしょう」と告げる。実は火事の中、崩れ落ちる天井から椿をかばい、顔に火傷を負いながらも助け出したのは栞だった。栞の顔の傷に心を傷め、マンツーマンで和菓子教室を開く椿。美人で愛嬌がよいふたりの姉達に劣等感を感じている栞は、自分のことを1人の人間としてちゃんと認めてくれる椿への想いを強くする。そして父がお膳立てした、自分を押し殺して生きていかねばならない縁談。栞は、結納の場で「どうしても欲しいものがあるんです」と結婚を断ってしまう。「私を自由にしてください」これまで親の言いなりになってきた栞の初めてで頑なな反抗だった。
「私の勝ちよ」ニヤリと笑いながら今日子は宗寿郎から奪った遺言書は白紙でダミーだった。宗寿郎は依然、入院中で本物の遺言書のありかが分からない。「邪魔者は徹底的に潰さなきゃね」今日子はぐしゃりとその紙を握りつぶした。そんな中、縁談を破棄した栞が光月庵で雇ってほしいと家出をしてくる。実は2年前、器の展示会で絵付けを褒められたことが椿との最初の出会いだったと話す栞。もう父の言いなりになって自分を諦めたくないと訴える栞を、椿は店に受け入れる。
それから3年―。いまだ入院中の大旦那の代わりに光月庵の一切を引き受けた椿は御菓子作りから遠ざかっていた。そして店には、今日子にも気に入られてすっかり馴染んだ栞の姿があった。職人たちも栞を受け入れて七桜のことなどすっかり忘れてしまったかのような態度に、城島だけが不快な表情をしていた。今日子の部屋では「こうしてお嫁さんにしてあげるのが夢だった」という今日子に爪の手入れをされる栞の姿があった。3年経っても椿との関係が進展しない栞の首筋に今日子は「男を虜にする妖艶な香り」と言って練り香水を塗る。今日子の後押しを受け、椿をデートに誘おうとした栞は城島が椿に七桜との関係を尋ねているところを聞いてしまう。七桜への気持ちを断ち切るように火事の日、自分が七桜よりも店を選んだことを話す椿。そんな椿の姿に、栞はあの火事の中で見た真実を言えずにいた。椿は自由に御菓子を作る七桜の姿を想像し、その幸せを密かに願う。「3年…過去にするには十分な時間だ」「あいつはきっともう前を向いている」厳しい言葉とは裏腹に椿の七桜への変わらない愛情が溢れていた。
そんなある日、五月雨亭で出す御菓子を決める選定会で、金沢の外れにある小さな和菓子屋『花がすみ』が光月庵を退けて選ばれる。とてもおもしろい御菓子を作る店だと聞いた椿は、何か感じるものがあった。その頃、『花がすみ』では、一人の女店主が客を見送っていた。五月雨亭の御菓子に選ばれたことを報告する多喜川に落ち着いた声で答えたその主こそ、強く美しい女性に変貌した七桜の姿だった。「うちの御菓子に気づくかな、椿くんは」という多喜川に七桜は、揺るぎない自信に溢れた表情で「たぶん。でも関係ない」「今の光月庵には消えてもらうから」と話す。
【感想】
30代・女性
やっぱり真犯人は今日子だった!!でも今日子にもそうせざるを得なかった悲しい過去があり、1番悪いの樹じゃんと今日子に同情してしまいました。だからといって不倫は駄目ですけどね…。父親が『呪いの店』を自分に押し付けて、愛する娘・サクラには自由に生きてほしいと願っているそう椿の心まで傷つけて、何やってるんだよと怒りです。そして本人は純愛なのかもしれないけど、既婚者になっても樹の側を離れなかった百合子も中々の悪女だなとこれまでの清らかな職人の印象がガラガラと崩れました、ガッカリ。
あれよという間に3年も月日が流れ、栞も諦めが悪いし、椿もその気がないならきっぱりとお断りしてあげればいいのにともやもや。ばっさり切り捨てられない椿の優しさがいいところなのだろうけどやっぱり苛々します。そして何よりも驚いたのが七桜の美貌。強さと才能を秘めた大人七桜は今後も楽しみです。そして次週からは椿、城島、七桜の三角形になんと多喜川が加わる予感!!なんとも羨ましい七桜に注目です。