主演:波瑠
TBS系 (水曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#10素直な気持ち】
大桜美々(波瑠)が自分に内緒で、五文字順太郎(間宮祥太朗)とSNSでやり取りしていたことに嫉妬した青林風一(松下洸平)は、美々とキャンプに出かけるもプロポーズをすることが出来なかった。美々を自宅まで送った際にようやく嫉妬していると打ち明けたものの、時既に遅し、美々に「もっと早く言ってほしかった」「帰って」と冷たく突き放されてしまった。青林が去り、ひとりになった美々はその後連絡をしてこない青林にも、自分自身にも腹を立てていた。
翌朝、美々は五文字に『岬さんからびっくりニュースです』と送った真意を尋ねる。岬恒雄(渡辺大)が言うには、産業医を業務委託にするという話があるようだ。何も聞かされていない美々に五文字は「フェイクニュースかもしれないから確認する」と言った。そこへ後ろから青林が合流するが、美々と青林の間に流れる不穏な空気を五文字は感じ取って心配の表情を浮かべる。健康管理室では、八木原大輝(髙橋優斗)がクリスマスまでに彼女の乙牧栞(福地桃子)と改めて結婚について話し合うと美々に決意を話す。クリスマスの予定を聞かれた美々は「去年と同じように仕事以外予定はありません!!」と怒りを込めて強く答えた。
人事部では五文字が分社化について朝鳴肇(及川光博)に尋ねる。分社化の話は以前からあったと朝鳴は答える。そこへ岬がやってきて「産業医を業務委託したほうが経費が安く済むらしい」と話すと、人事部の社員達は「あの笑った顔を見たら呪われるっていう都市伝説の美々先生が…」と噂する。黙って聞いていた青林は「やめろよ!」と声を荒げて制止すると我に返って「そういうのやめませんか」と付け加えた。美々の元に、面白おかしく噂していた社員達が岬に連れられてやってきた。彼らはこれまでの無礼を美々に謝った。そして美々をリストラさせないために署名活動を始めたと岬が言う。美々先生を失うわけには行かないという岬に美々は感謝を述べる。そして『大桜美々先生を守る会』というネーミングは青林が考えたものだと美々は知る。その日の仕事終わり、美々は会社のエントランスで青林を待っていた。「お疲れ様です」と余所余所しい青林に美々は、自分が五文字とSNSでやり取りしたのは無神経だったと謝罪する。青林はあれからずっと考えていたと言い、ふたりは仲直りをする。そしてクリスマスにはあの思い出の屋台に行こうと約束する。スーパーでお惣菜を買ったふたりは美々の家で気楽にご飯を食べる。美々はそんな普通なことに幸せを感じて『結婚じゃなくてもこのままでいいや』と考える。すると同じタイミングで青林に「結婚しよう」と言われて「え!?」と美々は戸惑いの表情をしてしまった。空気を読んで考え込む青林ときちんとわかり合わなきゃと思いを口にして、から回る美々。わかり合えないまま青林は帰ってしまった。
同じ頃、朝鳴家では富近ゆり(江口のりこ)が朝鳴の息子・保(佐久間玲駈)とトランプで遊んでいた。保が寝る時間になり、富近が帰ろうとすると朝鳴は「話がある」と引き止めた。朝鳴は保が「新しいお母さんはいらない」「富近先生に会うのは今日で最後にしたい」と言っていたと正直に明かす。富近は「嫌われてるなんて全然わからなかった、子供って面白いね」と受け止めた。そして朝鳴から「もう会わないほうがいい」「三人でクリスマスなんて難しかったね、ごめん」と告げられると富近は「そんなの難しいよ、それでも私は惹かれたんだよ」「富近なめんなよ、さようなら」と言って去っていった。家を出た富近はいつになくショックを受けた様子で唇を噛み締めた。そして朝鳴もがっかり様子だった。部屋の陰に保 がいることに気づかずに…。
居酒屋おとに五文字がやってきた。店にはカウンターに突っ伏した青林がいた。青林はいつもと違う様子で居酒屋おとに現れると、大した量のお酒も飲んでいないのにあんな状態になってしまったようで、心配した栞(福地桃子)が五文字を呼び出したのだった。青林は美々のことを「気づいてあげられないし、受け止めてあげられないし、何がわからないかもわからない」「最低だということだけはわかっている、もう駄目かも」と話す。そして「五文字が最低だ、人の女に手出して」という青林に五文字は「これはチャンス到来かもと思った」と悪びれずに答える。そしてその場から立ち去ろうとする青林に「逃げんなよ」と言うと美々とのやり取りを読み上げる。そして「SNSで出会うなんて誰にでも出来るから檸檬になれると思ったけど、1ミリも動かせなかった」と続けた。それを聞いた青林は「五文字にも誰にも渡さない」と宣言し、五文字は「頑張れ」と背中を押す。
後日、美々の家では美々、富近、我孫子(川栄李奈)が集まってお酒を飲んでいた。我孫子は「過去につきあった人のことを悪くいうのだけはしないようにしている」と話す。美々が「わかり合えないかも…」と弱音を吐くと富近は「わかり合えなくてもいい、わかろうとした事が大事なのであって、わからないままでもいい」と言う。「上手く生きられないのが生きてるってことだ」という富近の持論を美々は心に刻む。同じ頃、朝鳴家ではソファでうたた寝する朝鳴に保が毛布をかけてあげていた。目を覚ました朝鳴に保が「明日、雑巾が必要だ」という。朝鳴は、以前富近が手縫いした雑巾を取り出す。その雑巾には『タモつ』といびつな刺繍がされており、朝鳴は「下手だな~」と笑いながらも一生懸命に裁縫していた富近の姿を思い出していた。保はそんな父を見て何かを感じ取っているようだった。美々の家では、会がお開きとなり富近と我孫子が帰ろうとしていた。富近はふと携帯を見ると「やだ!怖い、誰か見て」と携帯を放る。朝鳴から届いたメッセージを我孫子が確認すると、そこには『雑巾ありがとう。保』とあった。すると連続してメッセージが送られてきた。それを見た美々と我孫子は笑顔で微笑み合う。追伸には『クリスマスは一緒に過ごそう。3人で。保がそう言ってくれました。ブラボー あなたのハジメちゃんより』とあった。富近は「雑巾で気が変わったの!?子供ってそんなもん!?」と混乱するが表情はとても嬉しそうだった。
一方、八木原は栞は夜の道を歩き出す。八木原は、看護師という仕事に理解をしてくれる栞に感謝する。そして「今が楽しければ結婚はいい」という栞に八木原は「よくない、看護師と居酒屋おとも両方やっていける方法をふたりで考えよう」という。栞は「はい」と答え、八木原からダイヤの婚約指輪が贈られた。
そして迎えたクリスマスの日、健康管理室に岬が飛び込んできた。岬から産業医の業務委託は撤廃になったと聞いて、一同喜ぶ。美々がテラスに出ると五文字がやってきた。「気の優しい青林は、今日も残業になりそうだ」と話す。そして自分はSNSで知り合った相手との予定があるからと言って去っていった。エレベーターを待つ五文字は少し寂しそうな表情をしていた。美々も仕事を終えて片付けを始めるが、青林からの連絡はいっこうにない。電波が悪いのかと携帯を振っているとSNS上で青林からメッセージが届く。それは行こうと思っていた屋台が閉店したというお知らせだった。美々は「それだけ!?」と戸惑うが何も言えないまま帰宅していた。大好きな動画を観ていても心ここにあらず、青林からの連絡は何もない。意を決してメッセージを送ろうとすると、ちょうど青林からメッセージが届いた。青林は、『喧嘩をした夜からずっと考えて悩んで。そしてもう一度立ち戻って、草モチさんに話し掛けることにした』『檸檬と草モチでいたときはあんなに分かりあえていた気がする』と言う。そんな青林に美々は『すぐに忘れて』と前置きして誰にも打ち明けていなかったことを話し始める。まだウイルスが未知のものだった春先、1129名の健康を守るということで肩に力が入っていた。大げさだったかもしれない。そんな中、どこの誰でもない草モチでいられる時間や檸檬との他愛もないやり取りが癒やしの時間だった。そして檸檬に恋した。もし、青林さんとして出会っていたら恋に落ちなかった自信がある。だから青林風一を心に入れようと頑張りすぎるのかもしれない。と。そしてわかりあえなくても好きです。大桜美々を柔らかくしてくれた、あなたを思うとふんわりします。私にはわからないから好き、ないから好き。檸檬が段々少なくなってアオちゃんでいっぱいになったらいいな。…SNSで饒舌になった美々は止まらない。青林から返信がなくても美々は青林への好きの気持ちを素直に書き続けた。すると『抱きしめにきたよ』とメッセージが届き、玄関を開けると青林の姿があった。同じ頃、朝鳴家の前に富近の姿があった。朝鳴と保は外で富近を待っていた。そして車のトランクを開けるとツリーやイルミネーション、プレゼントで綺麗にデコレーションされていて富近は驚く。その頃、クリスマスケーキの代わりに草餅を買ってきた青林は、「極上のステーキにはなれないけれど、一生受け止めることは出来る」と話す。お互いの気持ちを打ち明けあったふたりはキスをしました。
【みんなの感想】
30代・女性
3組ともハッピーエンドという結末にクリスマス前にほっこりしました。すぐ考え込んでしまって少々頼りなさげな青林ですが、居酒屋おとで五文字に言った「誰にも渡すつもりはない」というかっこいい一面を是非美々にも見せてあげたかったです。そして高飛車だった美々を柔らかく変えた青林は、これからも美々に寄り添い続けてくれる最高のキャベツだったのですね。意地悪に周囲をかき乱す存在が登場せず、全体的に穏やかに進んだこのドラマ。余計な気をもむことなくまったりと見る事ができたし、私達の世界でもあり得る展開に親近感を覚えました。
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