主演:波瑠
TBS系 (水曜日22時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#04美々先生、笑いながら泣いてます】
産業医として働く大桜美々(波瑠)にとって、SNS上で顔も名前も知らない人とメッセージをやり取りするなんて人生で初めてのことだった。しかしそれはとても心地よく、美々は顔も知らない相手に恋をした。ある日、その相手が同じ会社内にいると美々は気づいた。それからしばらくして、五文字順太郎(間宮祥太朗)が「自分が檸檬だ」と明かす。心地よい関係の檸檬を失いたくないという気持ちから美々は、五文字とつき合うことにしたのだった。そして美々が五文字と一緒に部屋でゲームをしているとき、『草モチさん、どうしてますか?』檸檬からメッセージが届く。もちろん五文字は携帯を操作していない…。『あんた誰!?』美々は混乱するばかりだった。
「…五文字くん!!」美々は真相を確かめようとするも言葉が続かない。五文字はもう帰れというメッセージだと察して美々の部屋を後にした。混乱する美々が『草モチです』とだけ返信すると、『今、ひとりで』『誰かと話したくて、草モチさんのことを思い出した』『5分だけいいですか?』と檸檬からメッセージが連投された。『あなたは誰ですか?』そう送信しかけて美々はこのメッセージを消すと『何かあったんですか』と優しく返した。『草モチさんは好きな人いますか』と聞かれて美々は身構える。しかし『僕はつき合っている人がいるんです』と続き、美々は檸檬の話を真剣に聞いてあげることにした。まだ彼女の手も触れたことがなかったから、会社の産業医にどうなんだろうと聞いたことがあると言う檸檬の話に美々は聞き覚えがあった。『青林!!』気づいた美々は、『とにかく青林は嫌!!』と拒絶反応を示した。そして檸檬・青林風一(松下洸平)の話を分断するように『もう寝ます』と強引にやり取りを終わらせた。
翌朝、会社の入り口で美々は青林に声を掛けられる。そこへ青林の彼女・我孫子沙織(川栄李奈)もやってきた。美々の背後で我孫子は青林に携帯を渡せと強くジェスチャーで伝えている。美々は振り返ると「おふたりの関係は察していますので、声を出されても大丈夫ですよ」と告げた。我孫子は「どうせ他愛もない会話でしょ、辞めたっていったのに」と青林を責める。エレベーターが到着すると我孫子は「女性専用!!」と青林の乗車を拒否して扉を締めた。そして美々に「どこのだれかもわからない草モチっていう人とSNSで繋がってる」「草モチに恋愛感情はないとは言うが、関係を尋ねたところ20分近く考えて、茶飲み友達かなと答えた」と愚痴る。そして意見を求められた美々は口ごもってしまう。その時、我孫子はエレベーターの行き先を押し忘れており、再び扉が開くと八木原大輝(髙橋優斗)と青林が乗ってきた。美々は「先程の件ですが、私も同感です」と我孫子に告げると我孫子は「ですよね、SNSで知らない相手と会話を楽しむなんて意味わからないですよね」と言った。美々が檸檬に恋していることを知っている八木原は驚くが、美々は「ですよね」と我孫子に話を合わせた。
オフィスに着くと八木原が「大事なことを見落としていた」と美々に言う。青林も尿酸値5.29だったのだ。「もういいです、済んだ話です」と美々は厳しく答えた。同じ頃、青林の元気がないことを朝鳴肇(及川光博)が心配していた。そこへ岬恒雄(渡辺大)が乗り込んできた。岬は、営業部に配属された新入社員が休んで温泉に行っていることをズル休みだと訴える。この新入社員は、心身ともに不調を訴えており、美々の勧めで有給休暇を取得していたのだ。青林と五文字は、岬と美々の板挟みになり何度もふたりの間を往復する。「直接美々先生と岬さんで話してくれればいいのに」と面倒くさがる五文字に「互いの意見を尊重して歩み寄ってもらうには、こういう根回しが必要なんだ」と青林が説く。青林達は、岬の言い分を説明するが美々に「産業医としての助言をしたまで、これ以上言うことはない」ピシャリと言われてしまった。美々の元を去ろうとしたとき、青林が何かに気づいた。それは美々の窓の向こう側に咲く鉢植えの花だった。携帯を取り出す青林に美々は「もうお帰りください」と慌てた様子で促した。それは以前、草モチが檸檬に送信した花だったのだ。美々は、青林に自分が草モチだと悟られないように『私はインド人です』『今インドにいます』と檸檬に送信した。すると青林はまだすぐ近くにいて、すぐにメッセージを読んでいた。そこへ我孫子がやってきてまた草モチとやり取りしていることに文句を言い始める。美々はふたりに気づかれないようにそっと聞き耳を立てる。我孫子は散々文句を言った後、「こんなのする人なんて、よっぽどの暇人か、現実社会で誰にも相手にされない人だ」「なんて寂しい女、惨めな女、可哀想な女」と暴言を吐く。そのとき「やめろよ」と青林が厳しい口調で止めた。これまで我孫子を否定などしなかった青林に我孫子は驚く。
オフィスに戻ると青林は机に突っ伏してしまう。それを五文字と朝鳴は「仕事してない青ちゃんなんて初めて見た」と心配する。朝鳴は青林を精神科医・富近ゆり(江口のりこ)の元へ連れてきた。青林は診察だなんてと恐縮するが、富近らに促されて「友達の話なんですけど」と話し始めた。青林は、我孫子に体だけの付き合いの男性がいて、それを悪いことだと思っていないことで自分とはわかり合えないと悩んでいた。富近は「わかり合えなくても、それでも好きか自分に問うてみるといい」と優しくアドバイスする。青林は「本当に好きってどういうことですか」と全てがわからなくなってしまっていた。そんな青林に富近は持論だと前置きして、優しく話した。その日の仕事終わり、美々は五文字に呼び出されて居酒屋おとにやってきた。するとおとの看板娘・乙牧栞(福地桃子)が「先生も来てくれたんですね」とはにかむ。普段と違う可憐なワンピース姿の栞に、店の店主で父・ひろ吉(西堀亮)も何事かと驚く。そこへスーツ姿の八木原がやってきた。スーツ姿で緊張する八木原に美々も驚く。「お義父さん!八木原大輝です」緊張しながらも「真面目な気持ちでおつき合いしています」「おつき合いを許していただけますか、お願いします」と頭を下げる。ひろ吉は無言で厨房へ行くと亡くなった妻の写真を手に戻ってきた。今日は亡くなった妻の誕生日だったのだ。八木原は綺麗な花束を写真に向けて置き「お誕生日おめでとうございます」と写真に話しかける。ひろ吉は厨房のカウンターに隠れると「仕方ないわね、仲良くするのよ。よろしくね」と妻の真似をしてふたりの交際を認めた。
その帰り道、五文字は「ふたりは真っすぐで素敵だ」と八木原達を祝福し、「先生に近づきたくて嘘をついた」「僕は檸檬じゃない」と謝罪した。「正直に言ってくれたから檸檬が誰かなんてどうでもいい」と美々は許す。これで関係を終わりにしようとする美々に、五文字は「僕じゃだめですか」「前よりずっと美々先生のこといいなって思ってるんで、頑張ります」とプッシュする。五文字の圧に美々は拒絶しないまでも圧倒されていた。同じ頃、青林は我孫子と会っていた。我孫子は「セフレとも別れたが青ちゃんともさよならする」と告げた。まだ未練を感じている青林に我孫子は「青ちゃんと寝たかったな、無念」と青林の体が目当てだったことを笑顔で明かして去っていった。
その頃、自宅で家事をしながら美々は昼間の富近の言葉を思い出していた。悩む青林に富近は「人はみんな心にぽっかり穴が空いていて、空いたままでも平気な人もいれば何かで埋めないといられないって人もいる」「人でも物でも動物でも趣味でも、その穴を埋めるのが好きなもの」「その穴にいつまでも居座って出ていってくれないもの、それが本当に好きってこと」美々はその言葉を思い出しながら、檸檬とのSNSを眺める。その後も家事をしていてもお酒を飲んでいても檸檬からの返事が来ないことが気になって仕方ない美々だった。たまらず、先日分断してしまった話の続きを尋ねるメッセージを送信するが、それでも檸檬からの返信はない。同じ頃、青林はホテルの部屋でお風呂のお湯をためたり、部屋を片付けたり、上京してきた父・菊太郎(山崎一)の世話をしていた。そんな状況を知るよしもない美々は返事が待ちきれずに『檸檬さーん』と呼びかける。そこでようやく青林はメッセージに気づいた。檸檬からの返信に『おせーよ、青林』と思いつつも美々は笑顔だった。ホテルにいるという檸檬のメッセージに、彼女といると悪い予想をして動揺する美々だが、父親と一緒だとわかるとよかった~と心から安堵する。そしてそんな自分に『いや、これは青林なんだ』と言い聞かせるのだった。相手が美々だと知らない青林は、何でも話す仲良しの父親が彼女に会いに上京したこと、彼女とは別れたことを言う。そして『父にはまだ言えません、がっかりするだろうなって』という青林に美々は、お父さんを放っておいて自分と話していて大丈夫なのか気を遣う。お父さんが上機嫌でお風呂に入っているとわかり、ふたりは会話が弾む。突然青林が電話をしようと言い出して、美々は『こうやってやり取りしているのが好きだ』と慌てて断る。そして青林は会社で聞いた話と言って、富近の言葉を美々に送る。そして『草モチさんの心の中になにがりますか』と尋ねる。美々はお気に入りの写真と言って、美味しそうな料理の写真を送信する。その時、父がお風呂から出てきた。父は彼女とやり取りしていると勘違いして「明日会えるの楽しみだな」と笑顔を見せ、青林は複雑な気持ちになる。
翌日、美々が健康管理室でいつものように仕事をしていると、八木原が慌てた様子で「警備の人から電話が」と告げる。美々と八木原が会社のエントランスに駆けつけるとそこにはぎっくり腰になってしまった青林の父・菊太郎が動けずにいた。健康管理室のベッドで横になる菊太郎の元へ青林が駆けつけてきた。菊太郎は彼女に振られた青林を心配してお土産を渡しに来たのだった。「息子さんは大丈夫だ、仕事を頑張っている」と言ってくれたと話す菊太郎。美々は青林に「(方言で)何をおっしゃっているのかわからなかった」と言う。しかし「私がいつも見ていますので」と言ってくれたと話す菊次郎の言葉に、「私は産業医なので」と淡々と答えて美々はその場を後にした。美々が去った後、菊次郎は美々がずっと腰をさすってくれていたと淡々とした態度とは反対の優しい対応をしてくれたことを青林に明かす。
仕事終わり、会社のエントランスで美々は青林に呼び止められる。無事父親を新幹線に送って来たことを報告し、美々に感謝する。そして青林は美々に草モチが送ってきた写真が健康管理室のテラスの花と似ていると写真を見せる。美々は「お花なんてどこにでもあります」というと、青林は「そうですよね、美々先生が草モチなはずない」とつぶやいた。「でも僕…」青林が言いかけたとき、美々の携帯が鳴る。掛けてきたのは居酒屋おとにいる五文字だった。おとには、岬とずっと休んでいた新入社員、八木原の姿もあった。五文字は、岬と新入社員の溝を埋めるための調整役を美々のために買って出たと話す。五文字との電話を終えた美々に、青林は「でも、美々先生って」と続きを話し始める。「美々先生って健康管理室の独裁者とか呼ばれてるけど、本当は優しくて魅力的な人だと思っています」「誤解してました、美々先生のこと」と褒められた美々は心の中で『そう、私はかつてフランス料理と呼ばれた女』と奢る。青林は姿勢を正してマスクを外すと美々の方を向き「わかったんです」と美々を見つめて、「五文字の見る目は間違ってなかったって」「応援しています」と言った。青林からの告白かと身構えた美々は笑うしかなかった。
【みんなの感想】
30代・女性
真っすぐで純粋な八木原・栞カップルに影響されて、自分が檸檬だと嘘をついたことを素直に謝った五文字。そのまま五文字とのおつきあいを継続するのかと思いきや檸檬ではないからとあっさり別れてしまった美々にはやや驚きました。でも美々は五文字の押しの強さに引いてる部分が見られたので、この結果は時間の問題だったのでしょう。一方、青林はやはり我孫子との考え方の溝を埋められず破局となりました。我孫子の言動は現代っ子としては当たり前、それを受け入れられないのは昭和のお父さん・朝鳴として表現されていましたが、結婚を前提とした彼氏がいるのにそれは…と誰もが思ったところでしょう。青林の人柄ではなくて体が目的だったと最後の最後まで我孫子は我孫子らしく、青林を翻弄していました。最後で、青林は美々が草モチではないかと疑いながらも「わかった」とまるで〈本当の好き〉を見つけたかのような態度で美々に接するため、こちらまで美々に告白するのかとドキドキさせられました。しかし、五文字との恋を応援するという拍子抜けする言葉に、おっ…と思いながらもそうだ青林は純粋すぎてちょっと天然なんだった…と勝手に期待したことを反省しました。菊次郎父さんとの掛け合いなんて、幼い子どもとパパのやり取りみたいで青林の純粋さをよく現しながらも、もういい歳した大人なんだから…と引いてしまう場面でもありました。しかし、次回予告なぜかクローゼットに隠れる美々と青林。どうせ思考回路が子供すぎてしないんでしょと思いつつもキスの流れにドキドキしたいと思います。
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