主演:妻夫木聡・吉高由里子
TBS系 (日曜日21時00分~)
【内容・ネタバレ含む】
【#03従妹の殺意】
手島伯朗(妻夫木聡)の前に突然現れた、異父弟・矢神明人(染谷将太)の妻と名乗る美女・楓(吉高由里子)。明人が受け取る予定の矢神家の遺産30億円とも言われている。そして楓の地下室監禁、明人の失踪、当主・康治(栗原英雄)の弟・牧雄(池内万作)の転落事故…。渦巻く陰謀と義兄妹の絆、それとも禁断の愛か。そんな中、楓が歩道橋の上から何者かに突き落とされてしまう。
ある夜、伯朗は手際よくラタトゥイユを調理している。さあワインを開けて食べようかという時に看護師の蔭山元美(中村アン)が「何度も電話したが繋がらない」と訪ねてきた。蔭山は入院している犬が心配で様子を見に行ったところ、受付の電話が鳴ったという。それは楓が救急搬送されたという病院からの連絡だった。伯朗は慌てて病院に駆けつけるが、楓はすでに帰宅した後で、伯朗はそのまま彼女が住む明人のマンションへ向かった。楓は「歩道橋の階段から転げ落ちただけだ」とあっけらかんとしている。しかし、伯朗は楓の手が震えていること、ペパーミントティーを飲んで落ち着こうとしている事を見逃さず、真相を話すように問い詰める。すると楓は誰かに背中を押されたと話す。伯朗は警察に届け出ようと提案するが、楓は騒ぎが大きくなって矢神家に嫌われることを心配してこれを拒否した。しかし、突き落とされたときにいい匂いがしたことから、犯人は女性だと楓は目星をつける。伯朗は、勝手にひとりで行動しないよう約束してマンションを後にした。帰り道、『なんでこんなに必死に走ったんだろう』と虚しくなった伯朗は『大事な義理の妹だからだ』自身にそう言い聞かせているようだった。
翌日、伯朗は楓が勝手に行動しないか心配で仕事が手に付かず、蔭山に「集中してください」と叱られてしまうほどだった。同じ頃、楓はひとり矢神家を訪れていた。楓は病状が思わしくない康治を心配する康治の実妹・矢神波恵(戸田恵子)と異母妹・支倉祥子(安蘭けい)の心中を思いやるふりをしてハグをして匂いを確かめる。そこで楓は、このまま明人から連絡がない場合は一旦波恵が遺産の管理を続ける予定で、そのために康治の意思を聞いておくつもりだと聞いた。楓は、康治の部屋へ行くと専属看護師・永峰杏梨(福田麻貴)が世話をしていた。楓は杏梨から康治と意思疎通を行う際には、目の動きと瞬きで文字入力出来る機械を使用していると教えてもらった。その機械を操作しながら楓は、康治以外の誰かが代わりにメッセージを作成できてしまうと指摘するが、杏梨は必ず自分か使用人兼執事の君津光(結木滉星)が立ち会っていると説明した。その後、楓は伯朗の動物病院へやってきた。楓は、昨日病院からの電話を伯朗に知らせてくれたお礼だと言って、蔭山にスカーフをプレゼントする。
楓は矢神家に匂いを確かめに行ってきたと話し、その結果、看護師の杏梨が同じ匂いだったと言う。そしてシャンプーを特定した楓は、それを伯朗に渡す。伯朗は杏梨が犯人だと疑うが、杏梨には楓が襲われた時間、子供の習い事に付き添っていたというアリバイがあった。波恵や祥子も違った。養子の佐代(麻生祐未)は、安物の市販品は使わないだろうしいつも香水の匂いの方が強いと楓は言う。疑わしいのは祥子の娘・百合華(堀田真由)だけとなった。先日、百合華と会った伯朗は百合華が楓のことを「あんな軽い女」と言っていたことが引っかかる。すると楓は、ブックデザイナーをしている百合華の名刺を差し出して会う約束を取り付けるよう伯朗に迫った。伯朗との電話を終えた百合華は携帯の待受画面をじっと見つめている。それはまるでカップルのような明人と百合華のツーショット写真だった。
伯朗が車を取りに外へ行くと、蔭山は先程つけてもらったスカーフを「私はあのシャンプーは使っていません」と楓に返した。「私は矢神家にも、あなたの旦那さま(明人)にも関係ありません」と言う陰山に楓は「副医院長先生(伯朗)のこと好きですよね?」と尋ねる。すると蔭山は表情を変えることなく「昨日あなたのことを知らせたとき、副医院長は出来たてのラタトゥイユも開けたてのワインもそのままに慌てて行きました」「お義兄さまの扱いには充分注意してください」と忠告して立ち去った。車を病院前に停車させた伯朗は、ちょうど帰るところだった蔭山に送ると申し出た。陰山は「楓さんのこと大切にしたほうがいいですよ」と言うとそのまま歩いて帰っていった。病院内で待つ楓に伯朗が声を掛けると楓は真面目な顔で「蔭山さんのこと大切にしたほうがいいですよ」と言った。同じタイミングでふたりから同じことを言われた伯朗はわけが分からず困惑するのだった。
マンション前で伯朗の車を降りた楓。エントランスに向かって歩いていると背後から何者かの手が伸びてきた。すんでのところで伯朗がその手を振り払った。それは楓を待ち伏せしていた養子の矢神勇磨(ディーン・フジオカ)だった。伯朗は勇磨が楓を突き落としたのかと問い詰めるが、勇磨は楓が怪我をしたことを知らないようだった。「ただ単に楓さんが魅力的だから食事に誘いにきただけだ」という勇磨を伯朗は警戒し、三人で食事することになった。食事の席で勇磨は「お前の知らない人間関係があの家にはある」と話す。そして勇磨は百合華が明人に恋心のような好意を抱いていたと明かした。勇磨は楓とお近づきの印にと百合華の友人達の連絡先を教えた。勇磨が車に戻ると助手席には佐代が待っていた。食事中の会話を盗聴していた佐代は「あなたまで楓さんに骨抜きにされてしまわないか心配」と話す。「楓さんが百合華を潰してくれれば助かる」という勇磨に佐代は「私は逆がいい」「百合華さん、追い詰められれば本当に楓さんを殺してくれるかもしれない」とつぶやいた。
後日、楓はマンションに勇磨に教えてもらった白川春乃(大和田南那)と金森恵麻(中村里帆)を招待する。和やかなムードの中、楓は伯朗に目配せをするとメインディッシュを仕上げると言って席を立った。伯朗はタイミングを見計らって「楓さんどう思う?」と切り出すと「明くんがあんな人選ぶわけない」と恵麻が言った。そして「百合華は明くんのこと好きだったし、ふたりはつきあっていると思っていた」「いずれは百合華と明くんが結婚するはずと思っていた。明くんが百合華に内緒で結婚するはずがない」と春乃も言う。そして「どんな事があっても明くんは私のものだ」と百合華が言っていたことを恵麻は明かす。その会話をキッチンで楓が聞いているとは疑いもしないふたりは、その後も楽しく食事を続けると楓と明人の結婚を祝福する言葉を残して帰っていった。ますます百合華が怪しいと考えるふたり。遺産に目が行きがちだったけれど、明人に対する女の嫉妬が原因だったのかもしれないという楓に、伯朗はそれでも百合華が牧雄まで狙うとは思えないと考えていた。
後日、伯朗の動物病院に百合華がやってきた。伯朗は陰山に「彼女が楓さんを突き落とすと思う?」と尋ねると陰山は「恋敵を攻撃するのは動物の本能です」と助言した。百合華は蔭山に案内されると神妙な面持ちで中に入ってきた。ちょうど同じ頃、楓のマンションのインターホンが鳴り、楓は笑顔で相手を迎い入れた。蔭山の「刺されないでくださいね、掃除が大変なので」という言葉が引っかかる伯朗は、百合華に刺される妄想をしてしまう。そしてその妄想とおり「もしかしてわかっちゃいました?私が犯人だって」と百合華が告白する。お茶を運んできた蔭山をかばうように伯朗は「楓さんを殺そうとした犯人だ」と声を荒げる。百合華は「ちょっと脅かすつもりだった」と弁明するが伯朗は「階段の上から突き落とされて死ぬかもしれなかったんだぞ」と強く言う。「何のことですか?」「私がやったのは楓さんを地下室に閉じ込めたことです」と百合華は話す。地下室に閉じ込めた犯人は百合華で、牧雄が閉じ込めた犯人になるよう君津に嘘の証言を頼んだのだった。百合華は明人のことを想っていて、明人も同じ気持ちだと信じていた。親族会で初めて会った楓は、明人が言っていた好きなタイプとは違う華がある女性だったため、百合華は明人のことを何も知らなかったのかと悔しくなってしまったのだ。反省をしていると謝罪する百合華に伯朗は髪の匂いを嗅ぎたいと言って百合華に嫌悪感を抱かせてしまう。言葉足らずの伯朗に蔭山が助け舟を出して、誤解が解けると伯朗は百合華の髪の匂いを確認して、百合華が歩道橋から楓を突き落とした犯人ではないことが判明した。そのとき犯人のシャンプーの匂いを嗅いだ百合華が「友達が使っていると思う」と言った。その友人の名前は春乃、百合華が言ったとき伯朗の脳裏に嫌な予感がした。伯朗は楓に電話するが繋がらず、百合華に春乃へ電話をするよう指示する。電話に出た春乃は「今、明くん家で(楓と)会っているよ」とだけ言うと一方的に電話を切ってしまった。そしてふたりは急いで楓のマンションに向かった。マンションに到着した伯朗と百合華。百合華が明人から預かっていたという合鍵で中に入るので伯朗は驚く。その頃、部屋では「楓さんって嘘つきですよね」春乃が切り出す。そして楓も「前に来たときに気づいたんだけど」と真顔になる。「あなたでしょ、私を階段から突き落としたのは」楓が言ったとき、部屋の鍵が開く音がした。春乃は咄嗟にテーブルのパンナイフを楓の首に突きつけると「あなたは一体何者なの」「正直に答えて」と語気を強めた。「頼むよ、これ以上楓さんを傷つけると明人に会わせる顔がない」と説得しながら伯朗が近づく。そして春乃の手からナイフを奪うとかばうように楓を抱きしめた。「どうして…」驚いて尋ねる百合華に春乃は「私も好きだった、でも百合華が相手なら仕方ないって我慢していた」と泣きながら打ち明ける。「警察に行こう」厳しい表情で言う伯朗を楓は空元気で止める。そんな楓に「君を本気で心配している人がいるってことを忘れないで」と真剣に訴えた。そして伯朗は「自分たちだけが悲しいみたいな態度をしているけれど、楓さんの気持ちを考えたことがあるのか」と百合華と春乃を責めた。そんな伯朗に楓は「こんなことがあったなんて明人くんが悲しむ、彼を傷つけたくない」と警察沙汰にしないように頼み込む。その涙を見て伯朗は『どんなに僕が想っても彼女は明人の妻だ』と思い知るのだった。そして「ごめんなさい」と深く頭を下げる百合華と春乃に、楓は「地下室が百合華さんだったとは、あの嘘つき執事め」と冗談めかした。百合華は「留守の間使っていいと言われていただけで、楓さんが居ると分かってからは一度も入っていない」と説明して部屋の合鍵を楓に返した。少し躊躇った後、楓が鍵を受け取ると百合華の目からは抑えていた感情が溢れ出すように大粒の涙がこぼれた。それを見た楓は、百合華の気持ちを察して「ごめんね」と謝るのだった。
部屋に戻ると伯朗は「さっき百合華さんに謝ったとき、別人のようだった」と本音を明かす。「心配かけてごめんなさい」素直に謝る楓に伯朗は「期待されても困るけどもう少し頼ってほしい、最強タッグなんだろ」と言う。そして「僕にとって君は…」その先を飲み込んだ伯朗は「大事な妹なんだから」と笑った。楓は「ハグは我慢します、また嫉妬で狙われても困るので」と茶化すと紙袋に入った差し入れを伯朗に渡した。帰宅した伯朗が中を開けるとそれはラタトゥイユだった。『今度、お義兄様の手作りのも食べさせてください』というメッセージカードに微笑みながら『あざとい女だ』『だがこういうのに素直に弱い』と美味しそうに頬張った。
翌日、伯朗の病院に百合華がやってきた。「あんなことがあって恐縮なんですけど」「実は母が行方不明なんです」百合華は一枚のメモを差し出す。『しばらく出かけます 祥子』というメモを見て『また新たな失踪者が出た』伯朗は不安でいっぱいになった。
【みんなの感想】
30代・女性
今回は遺産相続については少しお休み、女の二面性の怖さがあふれた会でした。男たちは楓に惹かれていき、女たちは楓を嫌っていく様子が明白に描かれていてわかるといった感じでした。次回、ようやく監禁された明人を発見するようです。一方で行方不明になった祥子。楓が緊迫する様子で尋ねるシーンの後ろ姿は男性だったような…、祥子の夫・隆司だったようにも見え、真相が気になります。
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